日々是マーケティング

女性マーケターから見た日々の出来事

景気の「気」は、大事だと思う

2013-07-29 19:03:50 | ビジネス

日経新聞のWEBサイトでは、動画が見られる様になっている。
今日、日銀の黒田総裁が昨日都内で講演した時の動画がピックアップされている。

黒田総裁、「消費税引き上げで日本の経済成長は損なわれない」

この発言の根拠となっているのは、日銀内で考えられたことのようなのだ。
何となくだが、この感覚というのは生活者と乖離しているような気がするのは、わたしだけだろうか?

「経済成長」の中には、物価上昇ということも含まれると思うので、今の円安傾向でガソリンや一部食品が値上がってきている。
その分は確実に「物価上昇」している、と言えるかもしれない。
そして「アベノミクス」で株価が上がった、と言う点でも「物価上昇」と言えるだろう。

でも、実際の生活実感としてはどうだろうか?
ガソリンや一部食品などの値上げは、生活に直結するコトなので、値上がり感を感じている人は多いと思う。
ただ、値上がり感は感じているが、給与等の所得面で増えたと言う実感は、まだまだと言う状態なのではないだろうか。

そしてその給与などの所得面での上昇が感じられないまま、消費税が上がってしまうのでは?と言う懸念を持っている生活者が案外多いと感じている。
所得面での上昇が感じられないまま、消費税が上がるとなると、いわゆる「買い控え」という現象が起きてくる。
少なくとも「アベノミクス」を支えているのは、「株価が上がって、景気がよくなるのでは?」という「気」によるところが大きいと思う。

その「アベノミクス」による、「景気回復の期待」も薄れつつあるという気がしているのだ。
それを実感するのが、一般週刊誌などの見出しだ。
書いてある内容云々では無く、「見出し」による生活者の受け止め方がとても気になっている。
と言うのも、「アベノミクス」が発表された直後、一般週刊誌の多くはこぞって「景気回復。株価2万円に迫るか!」というような見出しが付いていた。
それから半年経つが経たないかで、手のひらを返したような見出しが躍っている。
「メディアとは、そんなモノ」と言ってしまえばお終いだが、案外人の気分というのはこの様なことにも左右される。

日銀のようなところで仕事をされている方は、一般週刊誌などは読まれることはないのかも知れない。
だが「景気」という言葉通り、人の「気」の部分でも、実体経済が動いていることを考えると、黒田総裁の「消費税アップでも、日本経済に影響はない」と言う発言は、どうなのかな?と、思ってしまうのだ。