日々是マーケティング

女性マーケターから見た日々の出来事

文春のアンケート

2013-07-07 06:19:45 | 徒然

週刊誌「文春」がメルマガ会員向けに実施した「安藤美姫選手の出産」について、と言うアンケートが会員からの批判によって中止された。
アンケート中止の理由は、ご存じのとおり。

このアンケートについてのニュースを聞いた時、「今の生活者の感覚と大きくずれたアンケートだな~」という気がした。
安藤選手が社会的に注目される立場にあるとしても、「シングルマザーについて」とか「母親になって、オリンピックを目指す」という質問は、如何なのも?と言う気がしたメルマガ会員の反応は、とても今と言う生活者の価値観を表していると思う。
それが読めなかった文春というのは、封建的というか今と言う時代が読めていなかったのかな?と言う気がした。

文春がアンケートを実施するきっかけとなったのは、安藤選手がお子さんの父親について公表していないからだ。
そして安藤選手は、「父親については、発表を控える」というコメントを出しているにも関わらず、「父親探し」がはじまっている。
メディアの情報収集力は、凄いな~という気がする程で、この発表があった直後の週刊誌各誌には、「父親らしい」人物を探し出し、プロフィールや写真などを掲載している。

これらの報道を見ていると、マスメディアそのものの体質が封建的で、男性優位、と言う気がしてくる。
確かに、女性記者さんたちも活躍しているのだが、結局のトコロ編集方針などを決めるのは封建的な男性思考なのかな?と言う印象がある。

もう一つは、マスメディアに影響を与えているのは今の安倍政権なのかな?と言う気がしたのだった。
マスメディアは、政治とは関係の無い立場で在るべきなのだが、時の政権に影響されないはずが無い。
今の安倍政権が打ち出している政策の一部は、「旧来的家族像」を強く打ち出している。
「家族の絆」等の趣旨の発言が多く、何気なく介護など「家庭への負担増」を言っている。
それを可能とさせる為には「旧来的家族像」が必要であり、今回の安藤選手の選択は真逆の行動だったからだ。


日頃その様なコトを基に、与党批判をしているマスメディアなのだが、安藤選手の一件で図らずもその体質が出てしまった。
それだけのコトのような気がする。
そんなマスメディアの体質を、感覚的に理解しているのが今の若年層かも知れない。
と言うのも今の若年層は、マスメディアの情報を信用せず、FacebookやTwitterで流される情報の方が信頼性が高いと感じているからだ。

FacebookやTwitterで流される情報には、個人的バイアスが含まれているコトを考えると、鵜呑みするコト自体とても危ないと思うのだが、それはマスメディアに対する不信感の現れとも受け取れる。
今回の安藤選手へのアンケート批判は、決して文春だけの話ではない。
個人それぞれの「ライフスタイル」に、土足で踏み込んでも許される、と勘違いしてしまったマスメディア全体への批判なのだと思う。