昨日、「愛知広告協会」のセミナーに出席した。
ビジネスセミナーそのものには、余り出席しないのだが「新マーケッター考」という講演タイトルに惹かれ、出席したのだった。
ここ20年ほどの間で、広告の世界は激変したと言って良いと思う。
特にiPhone等のスマートフォンの登場は、マーケティングや広告だけではなく、生活スタイルをも一変させる「ツール」の登場だったと思う。
セミナーでは広告のお話を中心に、マーケティングや生活者のとのコミュニケーションなどがあったのだが、iPhone等のスマートフォンの登場により、一番変わったのは「テレビ視聴時間」と言うレポートがあった。
私が高校生だった頃は「ながらテレビ」という言葉があり、テレビを見ながら食事をしていると、親から叱られたモノだが、最近の高校生は「ながらスマホ」をしている。
それも、「LINE」等で友人たちと会話をし、FacebookをE-mail代わりに使い、Twitterでさまざまな情報を収集しながら、食事をしたりテレビを見たりしているのだ。
その傾向は10代~20代の女性に顕著だという。
そんな話を聞きながら「今時の高校生は、忙しいのだな~」と思う反面、「結構暇かも?!」とも感じたのだった。
結局のところ「ツール」が変わっただけで、「ながら○○」であるコトには、変わりない。
「ツールを使う」ので忙しそうに見えるのだが、「LINEやTwitterをその時にしなくてはならない」と言う理由はない。
そしてその「忙しそう」な振る舞いを見て、バブルの頃同じ10代~20代の女性達が競って「手帳のスケジュールが真っ黒」自慢をしていたコトをおもいだしたのだった。
「忙しい」コトがある種の自慢であり、「LINE」などで繋がっているコトが安心なのだろう。
もう一つ「新マーケッター考」というセミナーでは、半ば確信的に感じたことは「マーケティングの基本は、変わらない」というコト。
ドラッカーの「マーケティングは、セリングをなくすコト」という言葉や、コトラー「顧客を知る」、レビットの「ドリルの穴」等、今から50年以上前の言葉が今でもマーケティングの基本中の基本。
基礎である、と言うお話だったのだ。
このことには、私自身深く頷くトコロ。
もう一つ、変わらないんだな~と思ったコトは、「人の使いやすいサイズ」という点。
江戸時代に書かれた「御伽草子本」と現在の単行本、そして7インチタブレット、大人の手にスッポリと収まり、使いやすい大きさだというコト。
言い換えれば、江戸時代の頃から今に至るまで「使いやすいサイズ」というのは、変わらないと言うコトなのだ。
テクノロジーによって生活は変わる要素は増えても、人は大きく変化することが無い・・・それがマーケティングに携わる者にとって、とても大切な視点なのかも知れない。