今年に入ってから、「マンションの売り上げが好調」と言う記事を目にすることが、多くなってきた。
「マンションの売り上げ好調」の理由として挙げられるのが、「アベノミクス」だ。
ところがこの「マンションの売り上げ好調」という記事をよくよく読むと、日本全国という訳ではない、と言うコトがわかる。
売り上げ好調なのは、都市部なだけで日本全国という視点では「・・・」と言う記事の内容なのだ。
実際、新築マンションが建つ一方で問題になっているのは、「空き家」だ。
総務省の発表では年々増えてきている。
この傾向は、東京も同じで「東京都都市整備局」の資料でも、非木造の集合住宅の空き家率が高くなっている。
「東京都都市整備局 東京の空き家の実態」 (注意:pdfファイル)
言い換えれば、新築マンションが建つ一方、空き家が都市部で増えている、と言う「もったいない現象」が起きている、と言うコトなのだ。
同様に、今もてはやされている感のある「アベノミクス」。
拙ブログでは、何度か「恩恵があった(既に「過去形」です)のは、都市部と大企業。地方と中小零細企業と個人には厳しい政策」と書いてきた。
しかしメディアが大きく取り上げる数字は、都市部のごく一部の良い数字という場合が多い。
実際、小泉政権の時に言われた「いざなぎ景気超えの景気の良さ」も、あくまでも数字の上でのことだった。
小泉政権下の時、「景気が良かった!給与が上がり、ボーナスも増えた」と実感した人はどれだけいらっしゃったのだろう?
それだけ「実感と数字」が、大きく乖離していたということでもあると思う。
逆に言えば、それだけ経済が複雑になってきている、と言う説明になるのかも知れない。
だからこそ、考える必要があると思うのだ。
「都市部でマンションの売り上げ好調=景気回復」では無いのでは?と言うコト。
実際バブル経済まっただ中の頃、チョット無理をして買ったマンション等の住宅が、バブル崩壊後大きな負担となり、マンションを手放す人が多くいた。
もちろん、バブルが崩壊した為起きた「見込み違い」ということもあったとは思うが、実際の収入よりも、大きな負担の購入計画だった、と言うことなのだ。
「景気」で大事なのは「気」だともいうが、その「気」の正体を知らずに、数字ばかりを見ていると、本当の姿が見えなくなってしまうのではないだろうか?