YouTubeやその他のSNSを見ていると、様々な広告を見る事がある。
その広告のバラエティさという点で考えれば、おそらくテレビCMよりも多いのでは?という気がしている。
テレビCMとは違い、放送時間帯によってCMを流す料金が違うなどの理由もあるとは思う。
そのため、SNS上で見る事ができる企業の多くは、メジャーと言われるような著名な企業ではない。
むしろ、大手企業の下請けだったのでは?という、印象を持ってしまうこともある。
その中で特に目を引くのが、家電関連だ。
多くの方がご存じの通り、日本の大手家電メーカーは組み立ては日本で行っていても、多くの部品などは海外から輸入をしている。
時には「Made in China」という文字を見る事もある。
それが悪いと言っているわけではない。
Panasonicに吸収された三洋電機の場合、もともと兄弟関係にあった企業ということもあり、スムーズな吸収合併だったように言われた。
それでも、三洋電機という企業を去り、中国系企業・AQUAへ移籍した三洋電機出身の技術者は少なくない、と言われている。
News Pickup:【直撃】中国傘下で復活。三洋電機・AQUAの「尖った」DNA
このような記事を読むと、「日本のモノづくりの象徴」の一つであった、家電製品は既に過去のモノになってしまったのか?という気がしてくる。
ところが、上述したSNSで表示される家電の企業広告の中には、堂々と「日本でのモノづくり」をPRする企業を目にする事があるのだ。
その一つが、新潟県燕三条市に本社を構える「ツインバード」だろう。
例えば、大型化が進む冷凍冷蔵庫だ。
家電量販店に行けば分かるのだが、冷凍冷蔵庫の高さが180㎝を超えるサイズも少なくない。
このサイズになると冷蔵庫の一番高い所に、手が届く人は冷蔵庫を頻繁に開ける女性ではなく男性ということになる。
大型化を目指したため、実質的な利用者である女性には使い勝手が良い、とは言い切れなくなりつつあるのが、多くの家電メーカーが作っている冷凍冷蔵庫、ということになる。
そのため、ツインバードが提案しているのは「(女性でも)十分に手が届く冷凍冷蔵庫」だ。
この広告を見た時「かつての『目の付けどころがシャープでしょ』と同じだな~」という、印象をもった。
現在のシャープ云々の話ではない。
「使い易さ」などを重視した結果、他者とは違う視点で創られた家電製品、という点でシャープのようだ、と感じたのだ。
まして今のような「食品ロスを減らす」という、社会的気運がある中、冷凍冷蔵庫内に「手が届かない為」に傷んでしまう食品がある、とすれば本来の冷凍冷蔵庫の役割としては、本末転倒ということになる。
そのような視点で考えても、「今時らしい冷凍冷蔵庫」と言えるのかもしれない。
決して大きな企業ではないが、今の家電製品はかつてのような大手メーカーよりも、規模は大きくなくてもデザイン性や使い易さで市場を獲得しようとしている企業が多くなりつつあるのでは?と、SNSに表示される広告を見ながら感じている。