朝日新聞のWebサイトを見ていたら、「クリミア」という言葉がいくつも出ていた。
もちろんこの「クリミア」というのは、昨日大爆発が起きた「クリミア橋」のことを指している。
朝日新聞:ウクライナ橋の崩落 衛星写真で明らかに 半島とロシアを結ぶ橋爆発
朝日新聞だけではなく、4大紙と呼ばれる全国紙はこの「クルミア橋爆発」について、逐次報道をしている(はずだ)。
そしてこの「クルミア」という言葉を頻繁に目にしたことで、フッと高校の世界史で習った「クリミア戦争」を思い出したのだ
Reuters 情報BOX:クリミア半島の歴史や軍事的重要性
ロイターの記事を読んでいただくとわかると思うのだが、「クリミア半島」は、西ヨーロッパ諸国とロシアとの「覇権争い」の舞台となっていた。
その当時から、西ヨーロッパvsロシアという構図は、変わってはいない。
今は「クリミア半島」を有する「ウクライナ」という国と「ロシア」という国の名前に変わったに過ぎないような気がするのだ。
もちろん、プーチン現ロシア大統領の考える「ウクライナ併合」の野望の理由は、「クリミア戦争」の時と同じではないと思う。
思うのだが、「ウクライナ侵攻」による「ウクライナ側支援国」vs「ロシア」という構図には、変わりがないのでは?ということなのだ。
19世紀の頃から「クリミア半島」の重要性は、ロシアが海外に進出するための重要な場所だった。
この「クリミア半島」をロシアが制すれば、ロシアは地中海へ進出する海上ルートを、確保することができた。
しかし、ロシアの進出を嫌う西ヨーロッパ諸国としては、オスマントルコ帝国の後ろ盾となり「黒海から地中海へと進出する海上ルート」を制する必要があった。
そのような情勢の中で起きたのが、「クリミア戦争」だったのだ。
今回爆発が起きた「橋」は、その海上ルートの代わりとなる「橋」だったようだ。
海上交通から橋へと代わったというだけで、この橋の持つ意味は「クリミア戦争」の時と代わってはいないはずだ。
ロシア側にとっては、この橋のルートを失うことで、「ウクライナ侵攻」制圧はますます難しくなった、ということになると思う。
ただ「クリミア戦争」が起きた時との対立構図は、さほど変わってはいないということにも気づくはずだ。
オスマントルコ帝国が、ウクライナへと代わったということになるだろう。
当初、ロシアがウクライナへ侵攻したときの理由は「ウクライナがNATOへの参加表明」に対する、制裁だった。
それが、今やその目的よりも「経済的な目的」の方が強まってきたのでは?という気がしてくるのだ。
それはちょうど「クリミア戦争」が起きた時のような、対立構図に代わり、目的も変化してきているような気がするのだ(あくまでも私個人の私見です)。