朝夕、随分肌寒さを感じる様になってきた。
今年は、冬の訪れが早いようで北海道では既に初雪が降っった。
今くらいの時期になると、ドラッグストアの入り口付近には、「風邪薬」や「うがい薬」と並んで、ハンドクリームなどが置かれる様になる。
ハンドクリームの商品棚を見て、「なるほど!」と思った商品があった。
「ライスオイル」という商品だ。
ハッキリ言えば「米油」のこと。
もちろん、調理用ではなく化粧用として、精製された「米油」だ。
今年の米価は、例年に比べ安いと言われている。
そうは言っても、お米のブランド化が進み、米価とは関係なく高い価格で取引されるお米も数多くある。
その筆頭は「魚沼産コシヒカリ」だろう。
一方「米余り」 と言う状況が、長い間続いている。
「米離れ」だけでは無く、日本の人口減少などの影響もあり、消費量そのものが減ってきる。
その様な状況から対策を考えると、その第一歩は「米の第6次産業化」だろう。
流通だけでは無く、農家や農協自らが「米製品を作り、販売をする」というコトになるのだが、それで「米=食」とみているだけでは、消費の限度がある。
だからこそ「米=食」という考えを一回、リセットする必要があるのではないだろうか?
その一例が、上述した「化粧用米油」なのだ。
と言うのも、ここ2,3年話題になっている(?)「γオリザノール」という美容成分が、お米だけに含まれているらしい。
「おいしいお米」は、夏でも水が冷たく1日の寒暖差がある様な地域に限定されるが、「γオリザノール」という美容成分を含んだお米、と言うのであれば、お米の味にこだわる必要はないはずだ。
むしろ、日の光をタップリ浴びたお米のほうが「UV効果」が、あるかも知れない。
昔から美容効果があると言われている、「(白)ぬかぶくろ」などがある様に、元々お米を様々な用途に使ってきた。
「減反」というコトを言う場合、「米=食」として考えるために「減反」という発想になるのだと思う。
「米」そのものの持つ様々な栄養素などを、食としてではなく様々な分野(スキンケアやヘルスケア)の素材として考えれば、全く違った市場が見えてくる。
「米油」にしても、「食用」なのか「美容」なのか、はたまた「バイオ」なのか?と考えれば、意外な分野での使われ方があるかも知れない。
米油を絞った絞りカスにしても、土地改良の材料として使うことができるかも知れないし、輸入に頼っている「飼料」の代わりとして使えるかも知れない。
「米価が下がった、大変だ!」、「減反で大変だ!」で思考を停めるのでは無く、これまでとは違う発想での、「6次産業化」をする必要があるのではないだろうか?