Huffpostを見ていたら、驚くような記事があった。
Huffpost:オイシックス会長が「放射能汚染水」。会社が過去にも複数回注意。福島第一原発の処理水巡り
福島第一原子力発電所事故で発生した「汚染水」に関しては、まだまだ原発の内部にとどまっているものもあり、処理そのものが進んでいない、という状況だったように記憶している。
そして現在、海洋放出されているものは「汚染水」ではなく、安全性が担保された「処理水」である。
ご存じのように、この「処理水」の海洋放出については、近隣諸国から「放射能が含まれた汚染水を海洋に放出することは、海洋環境を破壊する」等の抗議が相次いだように思う。
確かに、「処理水」については海外でも様々な意見があるようなのだが、概ね「問題となるトリチュウムは、大量の水で希釈されているので問題はない」という意見が大半のようだ。
BBC:【解説】福島第一原発の処理水放出、その背景の科学は
BBCの記事は、昨年の8月に掲載されているものになるので、その頃には「処理水」と「汚染水」の区別はハッキリとし始めていたのでは?という、気がしていた。
ところが、今回のオイシックスの会長がX(旧Twitter)で、過去何度も「放射能汚染水」という言葉を使って投稿していた、というのだ。
ご存じの通り、オイシックスは家庭向けの野菜等の宅配サイトを運営している企業だ。
確か、人気テレビドラマ「きのう何食べた?」とのコラボ企画で、ドラマに登場したメニューの食材キット等の販売をSNS等に広告していたような気がする。
オイシックス:きのう何食べた?✕オイシックス
シロさんのつくるお料理はどれも美味しそうだが、2人分となるとスーパーで食材を買い集めると使いきれないのでは?という不安があるドラマファンにとっては、嬉しい企画だったのでは?と、思いながらSNSの広告を見ていた。
実際、世帯人数が減ってきている今、これまでのようにスーパーで購入する野菜等は使いきれずに、廃棄してしまう、という家庭にとって、少人数向けにカットされた野菜のお料理キットは、便利で廃棄するという罪悪感もない。
そのような生活者の心理もあり、このような「食材宅配便」は、人気になっているとも聞く。
そのような食材を扱う企業のトップが、このような言い間違いを繰り返し、X(旧Twitter)に投稿するということは、企業イメージを大きく損なう行為だ。
だからこそ、投稿した会長に対して何度も注意をしているのだろう。
にもかかわらず、懲りずに何度も同じことをしてしまう、ということに経営者としてどうなのだろう?という、疑問を感じてしまうのだ。
確かにオイシックスが主に扱う食材は、野菜なので海洋放出され被害が懸念される魚介類ではない。
だからこその「福島第一原発の『処理水放出』に対する抗議」なのだとすれば、そのことを正面切って言えば良いのでは?
「食材を扱う企業として、処理水の海洋放出は反対である」と。
そのようなことを政府に対して訴えるのではなく、SNSに投稿するとでオイシックスという企業のトップの発言となってしまっているのだ。
同様の投稿が重なれば、それは企業のイメージダウンに繋がっていく。
だからこそ、企業としてのオイシックスが何度も注意をしているのだ。
もしかしたら、SNSに自分がこのような投稿をすることで、企業イメージが下がってしまう、とか企業の信頼が低下する、ということを考えなかったのかもしれない。
いち早く、企業のトップをお辞め頂くことが、オイシックスの最善の方法かもしれない。
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