母の墓参りの為、帰省をしていた。
とはいえ、本当の所は高齢の父のご機嫌伺いという名の介護だ。
その間にも、様々なニュースがあった。
昨日には、34年ぶりに日経平均をバブル期を上回った、という報道もあった。
その割には、34年前とは違い社会全体が落ち着いているように感じている。
34年前のバブル経済の時のような、浮足立った感がほとんどないのだ。
勿論証券市場関係者は、それなりの安堵感はあるのでは?と、想像している。
34年間も、市場が低迷していたのだから、安堵してもおかしくはないだろう。
この日経平均がバブル期を越えた背景には、「半導体バブル」の到来ということも一因している、と言われている。
ZAKZAK(夕刊フジ):株価史上最高値、最大の原動力は「半導体バブル」初の4万円台も“通過点”と市場関係者 関連銘柄軒並み急騰も「継続」に懸念
相当強気な市場関係者は、4万円台も夢ではないと考えているようだ。
ただ、この見出しで気になるのは「半導体バブル」という言葉だ。
34年前、日本経済が好調で対ドルに対しても100円を切るような状況だった。
その頃の夢を再び!という、思いがあるのかもしれないが、日本のバブル経済が崩壊するのはその2年後くらいだ。
それ以降、日本経済は復活とは程遠い状況に陥り、実質賃金は下がり続けている。
自動車メーカーの春闘での回答が、2万円前後だとしても、それ以上の物価上昇というのが生活者の実感だろう。
まして、新卒者の初任給を上げることは良いことだが、それなりのキャリアを積んだ社員(特に入社数年経過をした女性社員)との逆転現象が起きてしまうのではないのか?という、懸念をしている。
34年前のバブル経済をけん引したのは、「不動産」だった。
不動産というよりも、「土地」と言った方が良いかもしれない。
崖地のような場所であっても「土地」であれば、それなりの高値が付いたからだ。
「地上げ屋」と呼ばれる、反社勢力を使った熾烈な「土地買収」も行われた結果、都市部では「歯抜け」のような場所が至るところに出現し、その多くは現在駐車場となっている。
それが、防災やスマートシティ等の都市計画に影響を与えている、という事実もある。
この「バブル経済」の始まりは、17世紀のオランダが最初だったと言われている。
なぜオランダ?と思われるかもしれないのだが、この時の「バブル経済」の元となったのは、チューリップだ。
チューリップの品種改良が盛んであったオランダで、珍しい花を咲かせるチューリップの球根に高値が付くようになったのが、始まりと言われている。
日経ビジネス:球根1つで豪邸が?チューリップマニアは酒場から生まれた
要は、人の根拠のない「噂の儲け話」が、「チューリップバブル」を生んだという訳だ。
そして「バブル経済」は、対象を替え続けることで今も続いている。
現在の「半導体バブル」についても、数か月前までは「日本半導体一人負け」と言われていたことを思い出してほしい。
ほんの数か月前、日本の半導体は世界でも遅れを取っている、と再三指摘をされてきたのに、突然最先端になるのだろうか?
まして、34年前と今とでは、日本の経済状況は全く違う。
「日経平均がバブル経済絶頂期を越えた」と言っても、けん引している産業の実態を見ると、本当に「バブル経済」を作り出すだけの力があるのか?
そもそも「バブル経済とは何か?」ということを、過去から学び現状を分析する必要があると思う。
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