Yahoo!のトップに表示される「広告」。
大体は、大手企業の広告が表示されるコトが多い。
特にクリスマス前などになると、毎年の様に「カルチェ」や「エルメス」などの海外有名ファッションブランドが、華やかな広告を出している。
新聞広告で言うなら、真ん中の全面広告くらいの影響力がありそうな広告場所だと思うのだが、その様な場所に「政府広告」が表示され、驚いた。
広告を通して鋭く今の社会を軽妙なコラムとして書かれていた、天野祐吉さんが見られたら激怒するに違いない!と思う様な広告だったからだ。
その広告とは、内閣府の「社会保障と税の一体改革」と言うもの。
内閣府:特集-社会保障と税の一体改革
天野さんは、以前から政府が意見広告を出すコトに疑問を呈してこられた。
「言論の自由」と言う視点で考えれば、政府であっても「意見を広く知らせる(=意見広告)」はあっても問題はないかも知れない。
しかしその「広告費の出所」は、国民の税金なのだ。
「税金を使って、政府が意見を述べる」と言うのは、「国民に政府に対して反論する機会がほとんど無い」という状況を作り出している。言い換えるとすれば「国の意見に国民は従え」と言うことを「広告」という一見優しい表現で、言っている様なものだ、と天野さんは指摘されていた。
そして今回の「社会保障と税の一体改革」というインターネット広告を見たとき、「10%増税をする為の言い訳的な広告」という印象を受けたのだ。
と言うのも、この春消費税が3%アップして社会保障の充実が図られたのか?と言うと、その様な印象はほとんど無い。
むしろ、増税分は「昭和型公共事業」へとまわり、どれだけ「子育て支援」とか「福祉の充実」などの社会保障に使われたのだろう?と言う疑問しかないからだ。
マーケティングの要素としてあげられる「4つのP」の一つである「promotion」は、広告をするだけのコトを指している分けでは無い。
広告をすることによって、社会がより良い方向性をもって動くコトを考えているはずなのだ。
自分の都合の良い宣伝をするコトは、「promotion」では無いと考えている。
もう一つ言うと「政府が積極的に宣伝をする」時には「プロパガンダ」という言葉が使われる、と言うことも考える必要がある。
今回のインターネット広告が、「プロパガンダ」だとは言い切れないが、内容を見る限り生活者実感とはかけ離れた「実績」ばかりが述べられている様に感じる。
その「違和感」こそ、このインターネット広告の「嫌な感じ」なのだ。
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