北大路機関

京都防衛フォーラム:榛名研究室/鞍馬事務室(OCNブログ:2005.07.29~/gooブログ:2014.11.24~)

中部方面総監部記念式典クロニクル

2006-01-25 12:14:08 | 陸上自衛隊 駐屯地祭

 新規にカテゴリ『陸上自衛隊 駐屯地祭』を設定した。2005年度の駐屯地祭は防衛・安全保障、国際・政治に掲載されている。

Scan20051  今年度の伊丹は、訓練展示の安全区域制約という関係上、撮影位置が著しく制約されていた為に観客席の真正面から撮影する事となり、左右の一般観覧席の存在から斜めからの写真撮影も制約されてしまい、観閲行進の写真が非常に機械的で無機質なものと成ってしまった、ここで今回は過去の伊丹駐屯地における方面総監部記念式典の写真を掲載し、駐屯地祭の情景をお伝えしたいと思う。

00280034  写真は普通科の分列行進が2004年度、横の74式戦車が2003年度の写真である。74式戦車の写真に関しては一般観覧席の一番端から撮影した。こうすると松ノ木に隠れた戦車や装甲車を撮影する事が出来るが、記念式典という写真を撮影するには観覧席の様子も写真に収めた方が効果的であり、2004年の写真の方が理想的である。他方、2004年の撮影ポジションは今年度は訓練展示を行う為立ち入り禁止となっていた。

Scan20053  写真は2004年度の写真である。軽装甲機動車の写真であるが、斜横面から撮影した方が一枚の写真に多数の車輌を写す事が出来、迫力のある写真とする事が出来る。なお、2003年度は脚立を携行していかなかった為撮影は困難を極めたが、2004年度には脚立を携行した。脚立の使用には賛否両論があるが、前列で使用するのは観覧の邪魔者以外何者でもないが、後方で使用する分には問題はないと考える。なお、小生が使用していたところ航空自衛隊の人が寄ってきた、『すいませんが友人が式典に参加しているので登らせていただけますか?』こうした場合脚立は公共財である、『どうぞどうぞ』と快諾した。

Scan20155  写真は2004年度のものである。中部方面隊管区の府県自治体の県旗をもって行進を行う。この撮影位置からは同時に多数の県旗を写す事が出来るが、今年度は撮影位置の関係上広角レンズを用いても三台ほどしか同時には撮影する事は出来なかった。73式小型トラックもこのように使用されると中々見栄えの良い写真となる。

Scan20156  同じく2004年度の写真である。師団長クラスが乗車する82式指揮通信車で、通信装置を搭載したコマンドポストである。なお、現段階では映像通信能力を有せず、RMA以降の指揮車輌としては能力不足が指摘されている。春日井で試乗したことがあるが乗り心地は上々であった。装甲車を有しない普通科連隊の記念行事ではAPCの代わりに使われていたりする。指揮官先頭の伝統は今日でも健在という事か。

 なお、この位置からでは82式指揮通信車の六輪式装輪装甲車としての特性が見えにくいのは反省点である、あたかも四輪の仏軍VBA装甲車みたいな写真になってしまった。

Img_2311_1  写真は今年度の撮影である。87式偵察警戒車であるが、観覧席正面から撮影した為、車体の形状はよくわかるものの、迫力のない写真となってしまった。2004年度の撮影位置から撮影すれば6輌程の車輌が同時にフレームに収める事が出来たはずだ。なお、写真はやや粒子が乱れてしまったが、写真をクリックしていただければ鮮明な写真を見る事が出来る。

00280014  2003年度の式典では観閲飛行の写真において望遠レンズと広角レンズの交換タイミングを誤り、撮影に失敗してしまった。2004年度式典では広角レンズ用カメラと望遠レンズ用カメラの二台を携行して撮影に臨んだが広角レンズ用カメラが六年目にして寿命が来てしまい、フィルムモーターが動かなくなってしまった。36枚フィルムで三枚しか撮影できないようになり、電池消耗も三十分も使用すると使用できないほどになっていた為、暫定的な対応として安価にEOS-650を中古で調達した。何があるか分らない、それが駐屯地祭である。

Scan20151  写真は2003年度に実施された訓練展示の様子である。2004年度は訓練展示が実施されず、残念であった。なお、写真から分るように脚立を携行していなかった2003年度は片手を大きく伸ばして無視界撮影を行うより他に無かった。脚立を携行していくかどうかを考えたのであるが、嵩張るだろうと考えもって行かなかった事が悔やまれた。現行ではデジタルカメラに機種変更している為撮影写真がどのように撮れているかを即座に確認する事が出来るが、この当時は現像されるまでの間、どういった写真となっているか全く不明であり、緊張の一瞬であった。なお、入間基地航空祭は脚立を携行していなかった為無視界撮影をおこなったが、デジタルであったため容易に撮影し、写角修正を行う事が出来、それなりの写真を撮影する事が出来た。

Img_2460  写真は今年度の訓練展示における空砲発射。デジタルカメラは現像料金を気にせず撮影できる点も利点として挙げられる。36連発のマガジン式機銃から240発銃身交換のベルトリンク式機銃に変更したようなものだろうか、旧軍の99式軽機関銃からMINIMI分隊軽機に変更したものと考えればよい。連写によって砲焔の撮影も可能となった。しかし、現用のカメラはEOS Kissデジタルで確か650万画素程度だったろうか、35㍉フィルムはデジタル換算で3500万画素程度はあるとされるし(現像技術が発展途上だが)、現像するとやはり通常式のほうが良い写真が撮影できる。練習用には最適なのだがいつかはフィルム式に戻りたいと思う。

Scan20150  2003年度式典では友人らと74式戦車に体験乗車した。油気圧サスペンションを下げ、乗車しやすいようにしている。訓練展示終了後、撮影位置が体験乗車を行う場所に近かった事からすぐに列に並んだ。擬爆筒や空砲を使用した物凄い迫力の余韻のなかで体験乗車を待つ行列はすでにそれなりの長さとなっていた。なお、空薬莢や機銃を搭載したまま体験乗車を行うわけには行かず、キューポラからその取り外しなどの様子をつぶさに見る事が出来た。

Scan20152  写真は戦車車上から後続の戦車を撮影したもの。今年一緒に乗った友人曰く『物凄い振動に驚いた』とか。この写真で気になるのはフェンスの外で図らずも併走することとなった一般の乗用車、道路を走っていたらば隣に戦車、さぞかし驚いたことだろう。生活道路の速度制限は30、74式戦車は53キロ出るがどの程度スピードを出していたのだろうか。なお、伊丹駐屯地には平時には戦車は配備されておらず、これは今津駐屯地から式典のために展開してきたものだ。

Scan20149  写真は車輌待機区域。おそらく式典中は危険であるから立ち入りは制限されたと思われるが、式典終了後は立ち入り禁止にはなっていなかった。各種装備が展示されており、中には装備品展示に並んでいないものも多かった。写真はホーク地対空ミサイル。友人が姫路城に行く途中の高速道路で遭遇したが、いかにもミサイルらしい外観に恐れをなしたのか、付近は車が全くいなかったという。ホークミサイルは改善を重ねたがこれには多くの費用がかかり、ある陸自幹部がいうにはホークさえなければ陸上自衛隊の機械化はとっくに完了していたはず、と。新型の03式中距離地対空誘導弾が兵庫県の青野原駐屯地にある第八高射特科群に配備が始まったという事で、来年度には式典に参加する可能性がある。

00290034  装備品展示は今年度、小火器、高機動車、軽装甲機動車、73式小型トラックという限られた規模であったが例年では指揮通信車や偵察警戒車、地対空ミサイルに戦車、火砲という規模の展示が行われる。来年度はどの程度展示されるかは不明であるも、参考までに2003年の写真を掲載した。陸上自衛隊の各種装備に加えて、航空自衛隊からペトリオット地対空誘導弾が参加しているのがわかる。

Img_2596  今年度の写真が撮影位置の不備から満足の行かないものとなり、クロニクルというかたちで掲載した。名古屋市の守山駐屯地における第十師団記念式典と比較したところ、確かに方面隊行事の方が式典の規模が小さいという印象があるが、東北方面隊は霞目飛行場を用いて戦車17輌を含む大規模な式典を行っており、西部方面隊も健軍駐屯地のある熊本市内一般道路を用いてMLRSや自走火砲、戦車による観閲行進を行っており、その迫力は中々であると聞く。来年度はどういった式典となるかは不詳であるが、期待したい。

 HARUNA

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