■降下強襲!舞い降りる落下傘
空挺作戦の要諦は降下地点と攻撃を持続させる補給への橋頭保である空挺堡を確立し、次の攻撃に移る事に在ります。
空挺団本部中隊偵察小隊と降下誘導小隊が高高度より自由降下により展開します。団本部の他、自由降下訓練課程を経て自由降下技術を有する隊員は多く、第1期自由降下課程訓練を開始した1969年以来、高高度から30km以上を滑空するこの装備を重視している。
第1空挺団は2016年当時と2019年現在は同一編成で、その編成は団本部中隊偵察小隊、同降下誘導小隊、第1空挺普通科大隊、第2空挺普通科大隊、第3空挺普通科大隊、空挺特科大隊、空挺後方支援隊、空挺通信中隊、空挺施設中隊、空挺教育隊、となっています。
降下誘導小隊による降下誘導の開始、無線機と鏡により展開する輸送機と連絡を実施します。鏡は太陽光を反射しますと10km以上先から確認できまして、視覚に依存する絶対に故障する懸念のない確実な方法が、最新無線機と併用し実施されているのが印象的ですね。
C-1輸送機からの降下開始、このC-1輸送機は8tまでしか搭載出来ない、と言われていましたが、この更に前のC-46輸送機は2tまでしか空輸できず、更に火砲は分解した75mm榴弾砲しか搭載できませんでした。C-1は105mm榴弾砲も、小型トラックも搭載可能だ。
KC-130空中給油輸送機からの空挺降下、用意用意用意!、降下降下降下!、号令と共に696ML/12落下傘がいち降下ッ!にい降下ッ!さん降下ッ!よん降下ッ!!、開くまでの緊張を背負い、降下します。ここ何度も飛来していますが、60名の空挺隊員が搭乗できます。
89式小銃、MINIMI分隊機銃、01式軽対戦車誘導弾を手に降下完了した空挺隊員たちが第一線へ向かう、その後続はL-16/81mm迫撃砲を分解携行する迫撃砲小隊の隊員が。空挺中隊は空挺大隊隷下に3個あり、各空挺中隊には3個空挺小隊と迫撃砲小隊が置かれている。
L-16/81mm迫撃砲は射程5.6km、砲座と砲架に砲身と照準器を四名が分解し、弾薬は各員が背嚢に携行し、弾薬定数の砲弾は更に続行し輸送している、という事でしょうか。空挺隊員はこうした徒歩搬送に対応するべく、自衛隊一と云われる体力練成を行う事で有名だ。
89式小銃を手に先行する空挺班、MINIMIの射手は最後尾を護り、また迫撃砲小隊を掩護できる位置を確保しています。空挺部隊は降下地点を空挺堡として維持し、航続する増援や補給として維持せねばなりません、故に準備が整えばそこから広く確保へ展開してゆく。
01式軽対戦車誘導弾は赤外線画像誘導式の対戦車誘導弾でタンデム弾頭により爆発反応装甲を有する戦車を撃破でき、また上部攻撃弾道を選定する事で第3世代戦車を高い確率で撃破可能、射程は1500mある。電池式で警戒態勢を長時間維持する際の難点は、あるが。
空挺降下と共に降下完了した空挺隊員の前進が同時進行で進む、この日は風がほぼありませんでしたのが幸いです。降下不可能寸前の強風で決行しますと、降下したまま着地と共に落下傘毎隊員が引きずられてゆく、というような状況が、実際に過去には在りました。
C-1輸送機には高機動車も1/2tトラックも搭載可能です。ただ、物量投下は気流の影響を受けた場合、狭い習志野訓練場を外れてしまうと、周りが住宅地となり、車輌が市街地へ降着するという、特に家屋などに車両が上から衝突する危険があるため、実施されません。
第一線へ続々と到着する。横一列の文字通りの横隊という状況が、防衛線という線を彷彿とさせる様式となっているのが印象的だ。落下傘の派手な降下は規模を錯誤してしまいますが、C-1輸送機3機でようやく1個中隊を空挺降下させられる規模でしかないという。
降下誘導小隊の降下誘導は続く。この降下訓練始めへ参加した輸送機はC-1輸送機2機とC-130H輸送機にKC-130空中給油輸送機の4機のみ。航空自衛隊はC-1輸送機の飛行隊2個とC-130H輸送機の飛行隊1個、C-1は大型のC-2へ更新中ですが、全体として少ない。
C-130H輸送機による降下が継続します。輸送機は全体で40機程、40機あれば空挺団を輸送出来る、との考えは早計で、航空自衛隊は戦闘機部隊の作戦維持の為に空輸任務があります。有事の際に空挺団は必要だが戦闘機部隊は平和で仕事なし、とは考えられません。
C-1輸送機3機とC-130H輸送機3機、という規模が昔の空挺団降下訓練始めでは一つの定数でした。しかし、ソマリア沖海賊対処任務や邦人輸送任務待機と沖縄防空任務等、C-130H輸送機は航空自衛隊実任務増大に併せ平時の必要数が増大、余り余裕がないもよう。
島嶼部防衛を主眼としたこの空挺団降下訓練はじめでは、離島、つまり海の周辺へ降下する想定にて、降下する隊員の一部は救命胴衣を着用し降下しています。写真でも燈色の両脇に抱える装備品が救命胴衣に当る。そして千葉県では毎年海上降下訓練が行われている。
L-16/81mm迫撃砲の展開が完了、89式小銃を手に迫撃砲の周囲を油断なく警戒する隊員と共に、背嚢に格納されていた迫撃砲弾なのでしょうか、砲弾コンテナが6発並べられているのが確認できます。また、剽悍が立てられており、射撃体勢に入っている事が分ります。
KC-130空中給油輸送機からの空挺降下、海上降下訓練は島嶼部防衛以前に万一の際に海上へ降下する必要が生じた場合も想定するという。落下傘がまだ空に飛びだしていると同時に迫撃砲部隊の展開や第一線への空挺隊員の展開と空挺堡の確保が同時進行で進んでゆく。
先兵小隊が敵残置斥候を捕える、OD作業服にM65鉄帽という如何にも仮設敵らしい仮設敵を捕らえた、残置斥候とは主力の後退に際して残置し、彼我勢力の展開推移などの報告を維持し、火力戦闘等を有利とさせるもの。潜伏斥候が居るという事は、我が行動に対し敵の反撃が近い。
負傷者発生、我が方の第一線部隊が砲迫攻撃により損害を被り負傷者が発生したという想定、敵の攻撃が開始されたという事は先ほど制圧した残置斥候が我が空挺部隊の動向を侵攻軍主力へ報告した事を意味します、いよいよ空挺部隊、精鋭無比の戦いが始まるのか。
空挺情報小隊が88式鉄帽に代え身軽なブッシュハットを装着し軽快に駆けてゆく、戦闘防弾チョッキさえ身に着けず、不安ではありますが、集約チョッキと思われる装具には先頭に必要な弾薬とガスマスク等一式を備えており、機動力を武器として情報収集へひた走る。
敵BRDM-LAV軽装甲車が攻撃を加えてきた、BRDM装甲車は偵察部隊や砲兵観測部隊へ配備される軽装甲車であり、この出現は次の砲兵攻撃か自動車化狙撃連隊主力による攻撃の始まりを意味します、つまり斥候を抑えなければ次の状況は非常に不利になってしまう。
01式軽対戦車誘導弾が連続して火を噴く、射程1500mの携帯対戦車ミサイルもBRDM-LAV程度ならば瞬時に制圧できよう。空包射撃ですが激しい火閃が輝き、一瞬カメラの操作に遅れた当方には白煙が写るのみ。BRDM-LAVばかり撮っていたのが裏目に。
命中!、BRDM-LAVが吹き飛んだ、というようなTNTによる演出が為されます。BRDM-LAVの接近は、我が方も先兵小隊からさらに進出した路上斥候が発見した、BRDM-LAVの白煙と共に路上斥候が伏せている様子が見えるでしょうか、戦闘開始だ。
北大路機関:はるな くらま ひゅうが いせ
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空挺作戦の要諦は降下地点と攻撃を持続させる補給への橋頭保である空挺堡を確立し、次の攻撃に移る事に在ります。
空挺団本部中隊偵察小隊と降下誘導小隊が高高度より自由降下により展開します。団本部の他、自由降下訓練課程を経て自由降下技術を有する隊員は多く、第1期自由降下課程訓練を開始した1969年以来、高高度から30km以上を滑空するこの装備を重視している。
第1空挺団は2016年当時と2019年現在は同一編成で、その編成は団本部中隊偵察小隊、同降下誘導小隊、第1空挺普通科大隊、第2空挺普通科大隊、第3空挺普通科大隊、空挺特科大隊、空挺後方支援隊、空挺通信中隊、空挺施設中隊、空挺教育隊、となっています。
降下誘導小隊による降下誘導の開始、無線機と鏡により展開する輸送機と連絡を実施します。鏡は太陽光を反射しますと10km以上先から確認できまして、視覚に依存する絶対に故障する懸念のない確実な方法が、最新無線機と併用し実施されているのが印象的ですね。
C-1輸送機からの降下開始、このC-1輸送機は8tまでしか搭載出来ない、と言われていましたが、この更に前のC-46輸送機は2tまでしか空輸できず、更に火砲は分解した75mm榴弾砲しか搭載できませんでした。C-1は105mm榴弾砲も、小型トラックも搭載可能だ。
KC-130空中給油輸送機からの空挺降下、用意用意用意!、降下降下降下!、号令と共に696ML/12落下傘がいち降下ッ!にい降下ッ!さん降下ッ!よん降下ッ!!、開くまでの緊張を背負い、降下します。ここ何度も飛来していますが、60名の空挺隊員が搭乗できます。
89式小銃、MINIMI分隊機銃、01式軽対戦車誘導弾を手に降下完了した空挺隊員たちが第一線へ向かう、その後続はL-16/81mm迫撃砲を分解携行する迫撃砲小隊の隊員が。空挺中隊は空挺大隊隷下に3個あり、各空挺中隊には3個空挺小隊と迫撃砲小隊が置かれている。
L-16/81mm迫撃砲は射程5.6km、砲座と砲架に砲身と照準器を四名が分解し、弾薬は各員が背嚢に携行し、弾薬定数の砲弾は更に続行し輸送している、という事でしょうか。空挺隊員はこうした徒歩搬送に対応するべく、自衛隊一と云われる体力練成を行う事で有名だ。
89式小銃を手に先行する空挺班、MINIMIの射手は最後尾を護り、また迫撃砲小隊を掩護できる位置を確保しています。空挺部隊は降下地点を空挺堡として維持し、航続する増援や補給として維持せねばなりません、故に準備が整えばそこから広く確保へ展開してゆく。
01式軽対戦車誘導弾は赤外線画像誘導式の対戦車誘導弾でタンデム弾頭により爆発反応装甲を有する戦車を撃破でき、また上部攻撃弾道を選定する事で第3世代戦車を高い確率で撃破可能、射程は1500mある。電池式で警戒態勢を長時間維持する際の難点は、あるが。
空挺降下と共に降下完了した空挺隊員の前進が同時進行で進む、この日は風がほぼありませんでしたのが幸いです。降下不可能寸前の強風で決行しますと、降下したまま着地と共に落下傘毎隊員が引きずられてゆく、というような状況が、実際に過去には在りました。
C-1輸送機には高機動車も1/2tトラックも搭載可能です。ただ、物量投下は気流の影響を受けた場合、狭い習志野訓練場を外れてしまうと、周りが住宅地となり、車輌が市街地へ降着するという、特に家屋などに車両が上から衝突する危険があるため、実施されません。
第一線へ続々と到着する。横一列の文字通りの横隊という状況が、防衛線という線を彷彿とさせる様式となっているのが印象的だ。落下傘の派手な降下は規模を錯誤してしまいますが、C-1輸送機3機でようやく1個中隊を空挺降下させられる規模でしかないという。
降下誘導小隊の降下誘導は続く。この降下訓練始めへ参加した輸送機はC-1輸送機2機とC-130H輸送機にKC-130空中給油輸送機の4機のみ。航空自衛隊はC-1輸送機の飛行隊2個とC-130H輸送機の飛行隊1個、C-1は大型のC-2へ更新中ですが、全体として少ない。
C-130H輸送機による降下が継続します。輸送機は全体で40機程、40機あれば空挺団を輸送出来る、との考えは早計で、航空自衛隊は戦闘機部隊の作戦維持の為に空輸任務があります。有事の際に空挺団は必要だが戦闘機部隊は平和で仕事なし、とは考えられません。
C-1輸送機3機とC-130H輸送機3機、という規模が昔の空挺団降下訓練始めでは一つの定数でした。しかし、ソマリア沖海賊対処任務や邦人輸送任務待機と沖縄防空任務等、C-130H輸送機は航空自衛隊実任務増大に併せ平時の必要数が増大、余り余裕がないもよう。
島嶼部防衛を主眼としたこの空挺団降下訓練はじめでは、離島、つまり海の周辺へ降下する想定にて、降下する隊員の一部は救命胴衣を着用し降下しています。写真でも燈色の両脇に抱える装備品が救命胴衣に当る。そして千葉県では毎年海上降下訓練が行われている。
L-16/81mm迫撃砲の展開が完了、89式小銃を手に迫撃砲の周囲を油断なく警戒する隊員と共に、背嚢に格納されていた迫撃砲弾なのでしょうか、砲弾コンテナが6発並べられているのが確認できます。また、剽悍が立てられており、射撃体勢に入っている事が分ります。
KC-130空中給油輸送機からの空挺降下、海上降下訓練は島嶼部防衛以前に万一の際に海上へ降下する必要が生じた場合も想定するという。落下傘がまだ空に飛びだしていると同時に迫撃砲部隊の展開や第一線への空挺隊員の展開と空挺堡の確保が同時進行で進んでゆく。
先兵小隊が敵残置斥候を捕える、OD作業服にM65鉄帽という如何にも仮設敵らしい仮設敵を捕らえた、残置斥候とは主力の後退に際して残置し、彼我勢力の展開推移などの報告を維持し、火力戦闘等を有利とさせるもの。潜伏斥候が居るという事は、我が行動に対し敵の反撃が近い。
負傷者発生、我が方の第一線部隊が砲迫攻撃により損害を被り負傷者が発生したという想定、敵の攻撃が開始されたという事は先ほど制圧した残置斥候が我が空挺部隊の動向を侵攻軍主力へ報告した事を意味します、いよいよ空挺部隊、精鋭無比の戦いが始まるのか。
空挺情報小隊が88式鉄帽に代え身軽なブッシュハットを装着し軽快に駆けてゆく、戦闘防弾チョッキさえ身に着けず、不安ではありますが、集約チョッキと思われる装具には先頭に必要な弾薬とガスマスク等一式を備えており、機動力を武器として情報収集へひた走る。
敵BRDM-LAV軽装甲車が攻撃を加えてきた、BRDM装甲車は偵察部隊や砲兵観測部隊へ配備される軽装甲車であり、この出現は次の砲兵攻撃か自動車化狙撃連隊主力による攻撃の始まりを意味します、つまり斥候を抑えなければ次の状況は非常に不利になってしまう。
01式軽対戦車誘導弾が連続して火を噴く、射程1500mの携帯対戦車ミサイルもBRDM-LAV程度ならば瞬時に制圧できよう。空包射撃ですが激しい火閃が輝き、一瞬カメラの操作に遅れた当方には白煙が写るのみ。BRDM-LAVばかり撮っていたのが裏目に。
命中!、BRDM-LAVが吹き飛んだ、というようなTNTによる演出が為されます。BRDM-LAVの接近は、我が方も先兵小隊からさらに進出した路上斥候が発見した、BRDM-LAVの白煙と共に路上斥候が伏せている様子が見えるでしょうか、戦闘開始だ。
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