■令和元年観艦式
令和元年の奉祝する祝典は数多ありますが自衛隊記念日行事として令和元年は観艦式が挙行されます。
自衛隊観艦式、10月14日に挙行されます。海上自衛隊は9月24日、その観艦式参加艦艇の概要を公表しました。参加艦艇46隻、航空機40機、とのことで外国艦艇11隻が参加しています。過去の規模と比較しますと海上自衛隊初の昭和32年観艦式が艦艇32隻と航空機49機。海上自衛隊創設50周年記念国際観艦式は11か国艦艇17隻を含む65隻です。
かが、いずも。海上自衛隊観艦式と云えば昭和後半から平成にわたってヘリコプター搭載護衛艦しらね型の護衛艦しらね、くらま、が観閲艦を担い自衛隊を中心に大規模に執り行われてきました。しかし、2016年に護衛艦くらま除籍と共にヘリコプター搭載護衛艦は巡洋艦型から全通飛行甲板型護衛艦へ転換しており、文字通り令和時代の観艦式といえる。
観閲部隊は先導艦たかなみ、安倍総理大臣を観閲官として乗艦するヘリコプター搭載護衛艦いずも、ミサイル護衛艦こんごう、ミサイル護衛艦ちょうかい、護衛艦あけぼの、という編成です。前回の2015年観艦式は、観閲艦くらま以下の随伴艦に掃海母艦等大型ですが護衛艦以外の艦艇が続き、今回の随伴艦はイージス艦中心に強力な護衛艦で固めています。
観閲付属部隊は、輸送艦しもきた、護衛艦むらさめ、護衛艦いかづち、練習艦せとゆき、以上4隻を以て編成されています。興味深い事に、護衛隊群の編成と観閲部隊及び観閲付属部隊の編成は共通しています。練習艦が元護衛艦ですので、ヘリコプター搭載護衛艦1隻、ミサイル護衛艦2隻、汎用護衛艦及び練習艦で5隻、ここに輸送艦が加わる編成だ。
受閲艦艇部隊は総理大臣の観閲を受ける部隊であり、旗艦以下、第1群の護衛艦部隊、受閲艦艇部隊第2群が護衛艦部隊、受閲艦艇部隊第3群に護衛艦部隊、受閲艦艇部隊第4群が補給艦、受閲艦艇部隊第5群で掃海艇部隊及び両用戦部隊、受閲艦艇部隊第6群の潜水艦部隊、受閲艦艇部隊第7群の哨戒部隊となっていまして、続いて外国艦艇が参加します。
受閲艦艇部隊旗艦は最新鋭護衛艦あさひ型一番艦あさひ、受閲艦艇部隊第1群はヘリコプター搭載護衛艦かが、護衛艦はるさめ、護衛艦はるさめ、護衛艦ありあけ、以上四隻です。護衛隊群を構成する二つの護衛隊の内、ヘリコプター搭載護衛艦を中心とする編成そのものであり、満載排水量27000tの全通飛行甲板型護衛艦かが、が今回観艦式の象徴でしょう。
受閲艦艇部隊第2群は、ミサイル護衛艦あたご、護衛艦ふゆづき、護衛艦ちくま、護衛艦やまゆき。イージス艦を中心に新鋭汎用護衛艦と古参小型護衛艦に最古参元護衛艦という。受閲艦艇部隊第3群は、ミサイル護衛艦はたかぜ、ミサイル護衛艦しまかぜ。イージスシステムに圧されるターターシステム艦の全てです。次の観艦式には練習艦隊転属でしょう。
受閲艦艇部隊第4群は、補給艦ましゅう。単艦で群形成でありもう一隻欲しかった。受閲艦艇部隊第5群は、輸送艦くにさき掃海母艦うらが、掃海艦ひらど、掃海艇はつしま、掃海艇あいしま、掃海艇ゆげしま。掃海隊群主力による編成ですね。観閲付属部隊と併せ今回は輸送艦おおすみ型が2隻参加しています。LCACは輸送艇扱いですが記載ありません。
受閲艦艇部隊第6群は、潜水艦しょうりゅう、潜水艦こくりゅう、潜水艦せとしお。潜水艦部隊です、護衛艦参加規模の変遷に対して潜水艦の参加規模は例年通りだ。受閲艦艇部隊第7群は、ミサイル艇はやぶさ、ミサイル艇おおたか、ミサイル艇くまたか、哨戒部隊です。自衛艦艇参加部隊は以上の通りとなっていますが今回は外国艦艇の参加規模が凄い。
祝賀航行部隊として外国艦艇は、護衛艦てるづき先導のもと、海上保安庁巡視船いず、カナダ海軍艦1隻、中国海軍艦1隻、シンガポール海軍艦1隻、イギリス海軍艦1隻、アメリカ海軍艦1隻、インド海軍艦2隻、オーストラリア海軍艦4隻、です。オーストラリア軍はホバート級イージス駆逐艦やキャンベラ級強襲揚陸艦でも参加するのでしょうか、ね。
外国艦艇にこの規模の艦艇が参加するのは海上自衛隊創設50周年国際観艦式、羽田沖で行われました停泊式観艦式以来の規模です。また自衛隊観艦式へは中国海軍艦艇が初めての参加となります。一方で今年四月の時点でP-1哨戒機への射撃動作等による日韓関係冷却化に伴い、韓国海軍について今回の観艦式は当初から招待を行っていないのは報道の通り。
警戒部隊は発表されていませんが、観艦式では世界有数の海上交通路と水道を用いる為、その安全確保にも充分な部隊を展開させねばなりません。ここで、近年の観艦式常連となっていました潜水艦救難艦や試験艦あすか等の艦名がありません。訓練支援艦や特務艇等と共に観艦式へは警戒部隊として周辺航路の安全確保などに参加するのかもしれませんね。
受閲航空部隊は、指揮官機P-1哨戒機1機、第1群SH-60J/K哨戒ヘリコプターー3機、第2群陸上自衛隊CH-47J/JA輸送ヘリコプター3機、第3群TC-90練習機3機、第4群C-130R輸送機1機、第5群US-2救難飛行艇2機、第6群P-3C哨戒機3機、第7群F-2戦闘機3機、第8群F-15戦闘機3機、第9群米軍P-8A哨戒機1機、第10群P-1哨戒機3機です。
P-1哨戒機は指揮官機と併せ4機が参加しており、今回の観艦式では海上自衛隊機として最大勢力を構成します。しかし、哨戒ヘリコプター部隊は地方隊展示訓練並の規模まで縮小しており、そして今回は掃海輸送ヘリコプターの参加が一機もありません。一方、次の観艦式にはF-35A戦闘機の受閲飛行参加や艦上でのF-35B艦載参加を期待したいものですね。
フリートウィークとしまして海上自衛隊は観艦式本番前の一週間を横須賀基地と横浜での艦艇一般公開や各種催事を実施するとのこと。自衛隊観艦式は東京五輪準備等、諸般の事情から昨年実施の予定が中止となり自衛隊観閲式を繰り上げ実施しました。実に4年ぶりという観艦式、フリートウィークも含め、横須賀や横須賀を散策してみては、と思います。
北大路機関:はるな くらま ひゅうが いせ
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令和元年の奉祝する祝典は数多ありますが自衛隊記念日行事として令和元年は観艦式が挙行されます。
自衛隊観艦式、10月14日に挙行されます。海上自衛隊は9月24日、その観艦式参加艦艇の概要を公表しました。参加艦艇46隻、航空機40機、とのことで外国艦艇11隻が参加しています。過去の規模と比較しますと海上自衛隊初の昭和32年観艦式が艦艇32隻と航空機49機。海上自衛隊創設50周年記念国際観艦式は11か国艦艇17隻を含む65隻です。
かが、いずも。海上自衛隊観艦式と云えば昭和後半から平成にわたってヘリコプター搭載護衛艦しらね型の護衛艦しらね、くらま、が観閲艦を担い自衛隊を中心に大規模に執り行われてきました。しかし、2016年に護衛艦くらま除籍と共にヘリコプター搭載護衛艦は巡洋艦型から全通飛行甲板型護衛艦へ転換しており、文字通り令和時代の観艦式といえる。
観閲部隊は先導艦たかなみ、安倍総理大臣を観閲官として乗艦するヘリコプター搭載護衛艦いずも、ミサイル護衛艦こんごう、ミサイル護衛艦ちょうかい、護衛艦あけぼの、という編成です。前回の2015年観艦式は、観閲艦くらま以下の随伴艦に掃海母艦等大型ですが護衛艦以外の艦艇が続き、今回の随伴艦はイージス艦中心に強力な護衛艦で固めています。
観閲付属部隊は、輸送艦しもきた、護衛艦むらさめ、護衛艦いかづち、練習艦せとゆき、以上4隻を以て編成されています。興味深い事に、護衛隊群の編成と観閲部隊及び観閲付属部隊の編成は共通しています。練習艦が元護衛艦ですので、ヘリコプター搭載護衛艦1隻、ミサイル護衛艦2隻、汎用護衛艦及び練習艦で5隻、ここに輸送艦が加わる編成だ。
受閲艦艇部隊は総理大臣の観閲を受ける部隊であり、旗艦以下、第1群の護衛艦部隊、受閲艦艇部隊第2群が護衛艦部隊、受閲艦艇部隊第3群に護衛艦部隊、受閲艦艇部隊第4群が補給艦、受閲艦艇部隊第5群で掃海艇部隊及び両用戦部隊、受閲艦艇部隊第6群の潜水艦部隊、受閲艦艇部隊第7群の哨戒部隊となっていまして、続いて外国艦艇が参加します。
受閲艦艇部隊旗艦は最新鋭護衛艦あさひ型一番艦あさひ、受閲艦艇部隊第1群はヘリコプター搭載護衛艦かが、護衛艦はるさめ、護衛艦はるさめ、護衛艦ありあけ、以上四隻です。護衛隊群を構成する二つの護衛隊の内、ヘリコプター搭載護衛艦を中心とする編成そのものであり、満載排水量27000tの全通飛行甲板型護衛艦かが、が今回観艦式の象徴でしょう。
受閲艦艇部隊第2群は、ミサイル護衛艦あたご、護衛艦ふゆづき、護衛艦ちくま、護衛艦やまゆき。イージス艦を中心に新鋭汎用護衛艦と古参小型護衛艦に最古参元護衛艦という。受閲艦艇部隊第3群は、ミサイル護衛艦はたかぜ、ミサイル護衛艦しまかぜ。イージスシステムに圧されるターターシステム艦の全てです。次の観艦式には練習艦隊転属でしょう。
受閲艦艇部隊第4群は、補給艦ましゅう。単艦で群形成でありもう一隻欲しかった。受閲艦艇部隊第5群は、輸送艦くにさき掃海母艦うらが、掃海艦ひらど、掃海艇はつしま、掃海艇あいしま、掃海艇ゆげしま。掃海隊群主力による編成ですね。観閲付属部隊と併せ今回は輸送艦おおすみ型が2隻参加しています。LCACは輸送艇扱いですが記載ありません。
受閲艦艇部隊第6群は、潜水艦しょうりゅう、潜水艦こくりゅう、潜水艦せとしお。潜水艦部隊です、護衛艦参加規模の変遷に対して潜水艦の参加規模は例年通りだ。受閲艦艇部隊第7群は、ミサイル艇はやぶさ、ミサイル艇おおたか、ミサイル艇くまたか、哨戒部隊です。自衛艦艇参加部隊は以上の通りとなっていますが今回は外国艦艇の参加規模が凄い。
祝賀航行部隊として外国艦艇は、護衛艦てるづき先導のもと、海上保安庁巡視船いず、カナダ海軍艦1隻、中国海軍艦1隻、シンガポール海軍艦1隻、イギリス海軍艦1隻、アメリカ海軍艦1隻、インド海軍艦2隻、オーストラリア海軍艦4隻、です。オーストラリア軍はホバート級イージス駆逐艦やキャンベラ級強襲揚陸艦でも参加するのでしょうか、ね。
外国艦艇にこの規模の艦艇が参加するのは海上自衛隊創設50周年国際観艦式、羽田沖で行われました停泊式観艦式以来の規模です。また自衛隊観艦式へは中国海軍艦艇が初めての参加となります。一方で今年四月の時点でP-1哨戒機への射撃動作等による日韓関係冷却化に伴い、韓国海軍について今回の観艦式は当初から招待を行っていないのは報道の通り。
警戒部隊は発表されていませんが、観艦式では世界有数の海上交通路と水道を用いる為、その安全確保にも充分な部隊を展開させねばなりません。ここで、近年の観艦式常連となっていました潜水艦救難艦や試験艦あすか等の艦名がありません。訓練支援艦や特務艇等と共に観艦式へは警戒部隊として周辺航路の安全確保などに参加するのかもしれませんね。
受閲航空部隊は、指揮官機P-1哨戒機1機、第1群SH-60J/K哨戒ヘリコプターー3機、第2群陸上自衛隊CH-47J/JA輸送ヘリコプター3機、第3群TC-90練習機3機、第4群C-130R輸送機1機、第5群US-2救難飛行艇2機、第6群P-3C哨戒機3機、第7群F-2戦闘機3機、第8群F-15戦闘機3機、第9群米軍P-8A哨戒機1機、第10群P-1哨戒機3機です。
P-1哨戒機は指揮官機と併せ4機が参加しており、今回の観艦式では海上自衛隊機として最大勢力を構成します。しかし、哨戒ヘリコプター部隊は地方隊展示訓練並の規模まで縮小しており、そして今回は掃海輸送ヘリコプターの参加が一機もありません。一方、次の観艦式にはF-35A戦闘機の受閲飛行参加や艦上でのF-35B艦載参加を期待したいものですね。
フリートウィークとしまして海上自衛隊は観艦式本番前の一週間を横須賀基地と横浜での艦艇一般公開や各種催事を実施するとのこと。自衛隊観艦式は東京五輪準備等、諸般の事情から昨年実施の予定が中止となり自衛隊観閲式を繰り上げ実施しました。実に4年ぶりという観艦式、フリートウィークも含め、横須賀や横須賀を散策してみては、と思います。
北大路機関:はるな くらま ひゅうが いせ
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