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ウクライナ情勢-エストニア国境ロシア無人機パトロール民間ボランティアとウクライナ狙うInfamous Chiselマルウェアウィルス

2023-09-14 07:00:31 | 防衛・安全保障
■防衛情報-ウクライナ戦争
 ロシアが無人機対策に早期警戒機を投入しない理由が謎でレーダーの性能という問題なのか航空機の稼働率という問題なのか。

 イギリス国防省ウクライナ戦況報告9月10日付分析において、ロシア軍はNATOとの境界地域でのウクライナ軍無人機攻撃を警戒し、ロシア軍へ協力するべく地元州政府が民間人志願者による無人航空機パトロールを開始する方針という。これは無人航空機によるパトロールではなく、民間有志により空を監視する防空監視組織の発足という。

 NATOとの境界線とはエストニア国境に近い地域であり、8月28日にプスコフ州のクレスティ基地に対してウクライナからの長距離無人機攻撃が行われ、大型輸送機であるイリューシンIl-76輸送機などが破壊される被害に見舞われているためです。通常、防空監視にはレーダーが用いられますが、ロシアは有志の監視に一部依存します。
■マルウェアウィルス
 民生情報端末の宿命といえばそれまでなのでしょうが対策を施す事で現代戦でも民生用端末が高度な電子戦環境で使えるという。

 NCSCイギリス国家サイバーセキュリティーセンターは8月31日、ウクライナ軍が使用するAndroid端末を標的としたInfamous Chiselマルウェアウィルスに関する報告書を発表しました。これはイギリス国防省ウクライナ戦況報告9月4日版に示されていたもので、ロシアのサイバー攻撃集団Sandwormによるウクライナへの攻撃の一環という。

 Infamous ChiselマルウェアウィルスはAndroid端末への持続的なアクセス、データの照合と参照を可能にするもので、これいより端末を持つ兵士の位置情報や作戦情報はもとより指揮官の行動などを盗み取る用途に用いられるとのこと。ウクライナ軍はAndroid端末により目標情報共有も行っており、これらの情報が漏洩することはリスクがたかい。
■バフムト近郊での戦闘
 周辺地域の高台を観測点として使うべく手榴弾の届く距離での戦闘が続いています。

 ウクライナ軍はバフムト近郊での戦闘により過去一週間で3平方キロメートルを奪還した、ISWアメリカ戦争研究所の9月4日付報告に示されていました。これはハンナマリャール国防副大臣の発言を紹介したもので、バフムト南西7㎞にあるリシチフカでの反撃成功を示すものとなっています。他方、東部戦線全般ではロシア軍の動きもはげしい。

 東部戦線北部ではノヴォイェホリフカ付近においてロシア軍が陣地強化の兆候を見せているとのウクライナ東部軍イリヤイェヴラシュ報道官の発表を紹介し、当該地域ではウクライナ軍との間でロシア軍が接触を断っているとしています。一方南部戦線ではウクライナ軍はオリヒフの南東18kmヴェルボベのロシア軍対戦車壕まで前進を果たしました。

北大路機関:はるな くらま ひゅうが いせ
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