■第五次中東戦争の懸念
現状のまま危機が推移するとイスラエル国内の自治区騒擾から危機の舞台がエジプトシナイ半島と地中海に及び第五次中東戦争に直結する懸念があるのではないか。

イスラエルのガザ作戦は、そろそろ政治の季節を迎えているのではないか。これはガザ北部に所在するシファ病院という、イスラエル側が武装勢力ハマスの重要指揮所が地下にあるとして多数の患者や医療関係者が医療に従事し、また避難民収容先でもあった病院への地上部隊突入が一つの分水嶺で、国際政治が出口戦略を示す時機といえるゆえ。

インドネシア海軍はガザ地区住民支援へ医療支援艦の派遣を決定していて、これはいわゆるところの病院船ではなく、満載排水量114000tのマカッサル級ドック型揚陸艦を原型とした医療目的を念頭とした戦力投射艦です。この派遣はかならずしも第三国介入を示すものではありませんが、イスラエルは安易にこれを攻撃することは出来ません。

インドネシアは世界最大の回教国として、ガザ地区住民への人道支援に乗り出す構図ですが、同様の任務にあたることが可能な艦船がイスラエルの隣国エジプトにもあり、ミストラル級強襲揚陸艦のガマールアブドゥルナーセルとアンワルアッサーダート、全通飛行甲板を有し戦闘ヘリコプターも塔愛、中東アフリカ地域では最大級の艦艇です。

政治の季節、こう表現するのはイスラエルにとり現在はガザ地域からのイスラエル本土への越境攻撃に対する策源地攻撃という意味合いを有している一方、イスラエル政府からの内部文書として情報漏洩したものに、ガザ地区全住民200万を、いまは1万名減っている、この全住民をエジプトのシナイ半島へ強制移住させる政府案がありました。

イスラエル政府はこのシナイ半島強制移住案を否定せず、しかし数ある案の一つでしかないとして肯定しました。これはエジプト領内に短期間で約200万名の難民流入可能性を示すものであり、看過できるものではありません。この為、現在のまま状況が推移した場合、インドネシア海軍に呼応しエジプト海軍が人道支援を開始する可能性がある。

ガマールアブドゥルナーセルとアンワルアッサーダート、奇しくもこの2隻の強襲揚陸艦は第三次中東戦争と第四次中東戦争の際にエジプト大統領を務めた政治家の名であり、サダト大統領は1981年にイスラエルと和平合意を実現させたイスラエルとエジプトの友好関係と和解の象徴といえるような政治家の名前を冠した強襲揚陸艦という。

人道目的での地中海遊弋を両国海軍が行った場合、イスラエル海軍は、2006年レバノン侵攻に際し観光客救出にフランス海軍がミストラル級強襲揚陸艦とイギリス海軍が45型ミサイル駆逐艦を派遣した際のように、実質的に動きを封じられる可能性がある。イスラエルは空軍と陸軍偏重で海軍は小規模、仮に空軍が攻撃すると全面戦争の導火線だ。

シナイ半島強制移住という選択肢を示唆した以上、イスラエル国内のパレスチナ自治区ガザ地区での鎮定作戦という、国内問題であるとの主張よりもエジプト領シナイ半島が加わったことで国際紛争、多分に武力紛争の要素を含んだものとなり得ます。イスラエルにとり最悪の選択肢は、エジプト軍が動員令を出し牽制と示威行動を始めること。

約200万の難民流入という懸念が示されては、もともとイスラエルのパレスチナ政策に同じ回教徒ということで反発しているエジプト世論を抑えることは難しくなります。場合によっては、ガザ地区への平和維持軍派遣を主張し、第五次中東戦争の火種を醸成する事ともなりかねません、エジプト陸軍はM-1A2エイブラムス戦車を多数装備している。

シファ病院、イスラエルが主張した大規模地下施設の可能性について、実のところシファ病院はジュネーヴ文民保護条約に基づく無防備宣言を行う選択肢はありました、病院はジュネーヴ条約で保護されていますが、軍事施設として用いられる病院は保護対象としての地位消失も条約に明記されており、報道だけではこの点が不明確であったのです。

政治の季節、これを逃すと第五次中東戦争の開戦危機が始まるため、時間は有限です。具体的にはイスラエルはガザ地区北部での軍事作戦を行うにあたってガザ地区南部へ住民避難を呼びかけてきましたが、18日に入りガザ地区南部での軍事作戦を予告、大規模地上侵攻がガザ地区全域に広がる懸念が出ています、それはシナイ半島と隣接している。

第五次中東戦争危機は世界が回避したい危機であるとともに、イスラエル自身も現状の動員体制を長期間維持する負担が顕在化しかねない。そして現状はシファ病院での思ったような戦果が得られなかった責任回避の流れとして南部侵攻が示唆されている概況で、世界は今、政治の季節が来ているとして停戦の呼びかけを本格化する時機を迎えています。
北大路機関:はるな くらま ひゅうが いせ
(本ブログに掲載された本文及び写真は北大路機関の著作物であり、無断転載は厳に禁じる)
(本ブログ引用時は記事は出典明示・写真は北大路機関ロゴタイプ維持を求め、その他は無断転載と見做す)
(第二北大路機関: http://harunakurama.blog10.fc2.com/記事補完-投稿応答-時事備忘録をあわせてお読みください)
現状のまま危機が推移するとイスラエル国内の自治区騒擾から危機の舞台がエジプトシナイ半島と地中海に及び第五次中東戦争に直結する懸念があるのではないか。

イスラエルのガザ作戦は、そろそろ政治の季節を迎えているのではないか。これはガザ北部に所在するシファ病院という、イスラエル側が武装勢力ハマスの重要指揮所が地下にあるとして多数の患者や医療関係者が医療に従事し、また避難民収容先でもあった病院への地上部隊突入が一つの分水嶺で、国際政治が出口戦略を示す時機といえるゆえ。

インドネシア海軍はガザ地区住民支援へ医療支援艦の派遣を決定していて、これはいわゆるところの病院船ではなく、満載排水量114000tのマカッサル級ドック型揚陸艦を原型とした医療目的を念頭とした戦力投射艦です。この派遣はかならずしも第三国介入を示すものではありませんが、イスラエルは安易にこれを攻撃することは出来ません。

インドネシアは世界最大の回教国として、ガザ地区住民への人道支援に乗り出す構図ですが、同様の任務にあたることが可能な艦船がイスラエルの隣国エジプトにもあり、ミストラル級強襲揚陸艦のガマールアブドゥルナーセルとアンワルアッサーダート、全通飛行甲板を有し戦闘ヘリコプターも塔愛、中東アフリカ地域では最大級の艦艇です。

政治の季節、こう表現するのはイスラエルにとり現在はガザ地域からのイスラエル本土への越境攻撃に対する策源地攻撃という意味合いを有している一方、イスラエル政府からの内部文書として情報漏洩したものに、ガザ地区全住民200万を、いまは1万名減っている、この全住民をエジプトのシナイ半島へ強制移住させる政府案がありました。

イスラエル政府はこのシナイ半島強制移住案を否定せず、しかし数ある案の一つでしかないとして肯定しました。これはエジプト領内に短期間で約200万名の難民流入可能性を示すものであり、看過できるものではありません。この為、現在のまま状況が推移した場合、インドネシア海軍に呼応しエジプト海軍が人道支援を開始する可能性がある。

ガマールアブドゥルナーセルとアンワルアッサーダート、奇しくもこの2隻の強襲揚陸艦は第三次中東戦争と第四次中東戦争の際にエジプト大統領を務めた政治家の名であり、サダト大統領は1981年にイスラエルと和平合意を実現させたイスラエルとエジプトの友好関係と和解の象徴といえるような政治家の名前を冠した強襲揚陸艦という。

人道目的での地中海遊弋を両国海軍が行った場合、イスラエル海軍は、2006年レバノン侵攻に際し観光客救出にフランス海軍がミストラル級強襲揚陸艦とイギリス海軍が45型ミサイル駆逐艦を派遣した際のように、実質的に動きを封じられる可能性がある。イスラエルは空軍と陸軍偏重で海軍は小規模、仮に空軍が攻撃すると全面戦争の導火線だ。

シナイ半島強制移住という選択肢を示唆した以上、イスラエル国内のパレスチナ自治区ガザ地区での鎮定作戦という、国内問題であるとの主張よりもエジプト領シナイ半島が加わったことで国際紛争、多分に武力紛争の要素を含んだものとなり得ます。イスラエルにとり最悪の選択肢は、エジプト軍が動員令を出し牽制と示威行動を始めること。

約200万の難民流入という懸念が示されては、もともとイスラエルのパレスチナ政策に同じ回教徒ということで反発しているエジプト世論を抑えることは難しくなります。場合によっては、ガザ地区への平和維持軍派遣を主張し、第五次中東戦争の火種を醸成する事ともなりかねません、エジプト陸軍はM-1A2エイブラムス戦車を多数装備している。

シファ病院、イスラエルが主張した大規模地下施設の可能性について、実のところシファ病院はジュネーヴ文民保護条約に基づく無防備宣言を行う選択肢はありました、病院はジュネーヴ条約で保護されていますが、軍事施設として用いられる病院は保護対象としての地位消失も条約に明記されており、報道だけではこの点が不明確であったのです。

政治の季節、これを逃すと第五次中東戦争の開戦危機が始まるため、時間は有限です。具体的にはイスラエルはガザ地区北部での軍事作戦を行うにあたってガザ地区南部へ住民避難を呼びかけてきましたが、18日に入りガザ地区南部での軍事作戦を予告、大規模地上侵攻がガザ地区全域に広がる懸念が出ています、それはシナイ半島と隣接している。

第五次中東戦争危機は世界が回避したい危機であるとともに、イスラエル自身も現状の動員体制を長期間維持する負担が顕在化しかねない。そして現状はシファ病院での思ったような戦果が得られなかった責任回避の流れとして南部侵攻が示唆されている概況で、世界は今、政治の季節が来ているとして停戦の呼びかけを本格化する時機を迎えています。
北大路機関:はるな くらま ひゅうが いせ
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