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ウクライナ情勢-FSBスペツナズ部隊苦戦とロシア軍ドネツク州ザポリージャ州境界線付近で兵力集中

2024-10-04 07:00:52 | 防衛・安全保障
■防衛情報-ウクライナ戦争
 スペツナズというと物凄い特殊部隊という印象があるようですが機銃や装甲車を備えた正規軍相手ではひとたまりもないもよう。

 クルスク州にロシア軍はスペツナズ部隊を派遣しているが、正規戦闘に不向きなスペツナズ部隊は苦戦を強いられているもよう、ISWアメリカ戦争研究所の9月26日付ウクライナ戦況報告によれば、この地域に浸透している浮くら8異な群偵察部隊と特殊部隊がロシア軍にとり悩みの種となっていて、スペツナズ投入の背景とされている。

 ISWはノバヤガゼータヨーロッパ誌の報道を引用して、2024年8月にロシアのスペツナズ隊員が戦死したという報道を紹介しています。戦死したのはFSBロシア連邦保安局のスペツナズ隊員で、クルスク州に浸透しているとされるウクライナ軍特殊部隊への対応に派遣され、重装備のウクライナ軍部隊の攻撃を受けた際に戦死したと伝えています。

 スペツナズは精鋭部隊ではあるものの対テロ任務に当たる部隊であるため、砲撃や機銃の攻撃に対しては防御力が無く不向きであるとともに、ロシア軍部隊とFSBスペツナズとのあいだで情報共有などもおこなわれていないという。FSBは精鋭部隊のアルファチームとヴィンペルチームをクルスク州に派遣しているとISWは解説しています。
■防衛情報-ウクライナ戦争
 新しい焦点となる懸念が。

 ロシア軍はドネツク州とザポリージャ州の境界線付近で兵力を集中させている、ISWアメリカ戦争研究所9月26日付ウクライナ戦況報告によれば、ウクライナ軍タヴリスク群報道官ヴォロシン大佐の発言として、二つの州の境界線にあたるプリュトネ付近に部隊を集結させているとのこと。これは攻撃準備の兆候と受け止めているようです。

 戦況全般では東部戦線が戦闘激化のまま推移していて、チャシブヤール近郊やポクロフソク西方とポクロフスク南東地域においてロシア軍が前進しているとのこと。ポクロフスク周辺での焦点は、ヒルニクとミコライフカという二つの集落となっていて、ロシア軍はこの地域の前進により東部戦線での前進軸を形成しようとしているもよう。

 この地域の防衛はロシアが2014年に武力占領したクリミア半島との連絡線を形成しているという背景があります。ロシア軍は2023年ウクライナ軍夏期攻勢を撃退し、この連絡線をウクライナ軍のGMLRS精密ロケットの射程内に収めることを阻止しましたが、ウクライナ供与の装備車艇延伸を受け、緩衝地帯を拡大させる必要性を認識しているのでしょう。

北大路機関:はるな くらま ひゅうが いせ まや
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