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東電旧経営陣に13兆3210億円賠償要求-福島第一原発事故東京電力株主訴訟地裁判決,想定と想定外の狭間に

2022-07-14 07:00:18 | 国際・政治
■臨時情報-東電株主訴訟
 福島第一原発事故東京電力株主訴訟について東京地裁は驚きの判決を下しました。

 東京電力の判決は、勝俣恒久元会長と清水正孝元社長及び武黒一郎元副社長と武藤栄元副社長の4名に合わせて13兆3210億円の賠償を要求するという厳しいものでした、これは国の地震調査研究推進本部が2002年に公表した“長期評価”に記された、過去の歴史地震再来による津波の危険性を無視し、巨額保証金を東京電力が支払う事になったというもの。

 東京電力株主は、福島第一原発事故により生じた巨額の被災者補償金や原発施設の廃炉費用の支払いなど、旧経営陣は想定された津波対策を怠った事で東京電力が本来払わずに済む巨費を支払う事になった為、株主に損害を与えたというものです。しかし、個人に13兆円規模の賠償金支払いは、これまで聞いた事が有りません、桁がいくつも違うといえます。

 想定される津波に対応する対策を講じていれば、今回の賠償請求は無かったのか、つまり想定外と出来て免責の余地はあったのか、今回考えさせられる点はここです。具体的には、日本の電力不足と気候変動対策の両立を考えれば、安定電源としての日本の選択肢は原子力発電の大規模開発か、大規模ダム開発を再開し水力発電を行うしか選択肢がありません。

 原発擁護派の人は自宅前に原発を建てればよいという揶揄のような反論に対して、原発反対派は水力発電用のダム建設で自宅が沈む事に賛成するのか、という無意味な議論を行っても意味はありません、しかし、今回の13兆円の個人への巨額賠償という判決は、今後日本国内において水力発電を大規模に進めるか、製造業を脱却するかを迫られる結果という。

 しかし、この想定できたかできなかったのか、という命題は、今回の長期評価は1000年前の歴史地震“貞観地震”の再来を想定したものですが、全国の原発には島嶼部以外の九州全域と山口県の半分が火砕流堆積物に埋め尽くされるASO4規模の阿蘇山カルデラ噴火や、国の研究ではないが隕石原子炉衝突等が、指摘されています。そして軍事攻撃についても。

 津波は想定外か想定内か、この問題はもう一つ、ロシア軍のウクライナ侵攻を受け、ザポリージャ原発への攻撃やチェルノブイリ原発占拠など、原子力施設は軍事目標となる現実を突き付けられました、するとロシア軍日本攻撃という将来想定し得る事態に際して、原子炉へのミサイル攻撃も起こり得る訳です、その場合の責任所在は、と考える基点でした。

北大路機関:はるな くらま ひゅうが いせ
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