高校2年生のとき「羊をめぐる冒険」を読んで以来
村上春樹さんの大ファンである
彼の作り出す 独特のハルキ・ワールドに
魅せられ続け 20年
ほとんどの本は読破した。
10代~20代に読んだものを
今もう一度 読むと
あのとき見えなかったものが見え
気づかなかったものに 気づく
20歳の頃、「ノルウエイの森」が大ベストセラーになり
そのときにとても悲しかったことを覚えている。
それまでそんなにメジャーじゃなかった春樹さんを
みんなが知ってしまったことに対する一抹の淋しさ
そんな村上春樹さんは 私の尊敬する作家です。
異色の作家でもありますね
こんなに素晴らしく 人気作家なのに
芥川賞も直木賞もとったことがない
とるタイミングがなかった・・?
大作家になってしまい、今更、芥川賞なんて・
という感じだものね
昨年は惜しくも ノーベル文学賞は逃したけれど
「世界のハルキ」、頑張ってほしいです
1年に1度くらい 長編小説を出版し
そのどれもが ベストセラーになるのだから
素晴らしい~
彼の作品は どこの国のお話かよくわからない
独特の雰囲気が漂っているので
外国の言葉に翻訳されたとき
すんなりと受け入れられる文学なのだと思う。
村上春樹が敬愛してやまない作家が
スコット・フィッツジェラルド
そして 人生で多大な影響を受けた小説が
フィッツジェラルドの傑作「グレート・ギャツビー」
村上春樹のエッセイに何度となくこの小説の
素晴らしさが登場してきたが
私は 読んだことがなかった。
春樹さんは フィッツジェラルドの他の小説は
何冊か翻訳しているが
今回、20年の構想をもって
自分が目標としてきた「グレートギャツビー」を
緻密に完璧に翻訳された。
ものすごい思い入れをもって挑まれた名訳。
美しい文章と哀しいストーリー
丁寧に訳されたのだろうな~と
それだけで 感動ものなんだけど
でも、やはり村上春樹が原書を読んで受ける感銘と
私が春樹訳の同じ作品を読んで受ける感銘とは
違うと思う。
英語の文化・英語の言葉のもつ美しさを
完璧に読者に伝えることは
不可能に近いものね・・
英語圏のバックグラウンドを持ち合わせていないから
(反対もまた然り。日本語文化を完璧に
外国人に伝えるのは難しい)
ああ~英語ができたら原書で 読むのに!
ところで 今週のananにて 作家の小川洋子さんが
オススメの本ベスト3冊を挙げておられたが
ナンバーワンは この春樹訳「グレートギャツビー」でした。
「完璧で華麗な名翻訳」と絶賛されていた。
私も何回も読んでみようと思う
今回見えなかったことが 見えるかもしれない