作家刑事毒島 作:中山七里
シリーズの続編を先に読んでいたので、
ようやく一作目を読むことができました
最初はちゃんとといっていいのか、作家刑事らしく、出版関係のあれこれを扱った事件が多く
非常に面白くというか、これは、ある種の内輪ネタというやつなのかと思いつつ
世にもひどい文壇の世界をのぞき見する内容でありました
まぁ、実際はそうでもあり、違ってもありだろうけど
魑魅魍魎が跋扈する界隈であるのは間違いなかろう
毒島の毒のある感じはにやにや読めるところなんだが、
容疑者たちのひどさが際立っていて、
話しは、はじめからパターン化されているようなミステリ小説だけど
その容疑者たちの悪の強さが見所と思われ、
まぁ実際にこういう人たちがいっぱいいて、
かつ、出版社に押し寄せてるんだろうなと思うほど
世をはかなみたくなる感じで仕方ないのが、二週くらい回って面白かった
どれもこれも、本当にモデルとなっている人がいて、
それの合体悪魔みたいなものだったんだろうと思うわけである
作家を目指すことと、それを批評すること
このどちらもが、現在とてもやりやすくなっているというのが
根幹の問題なのか、少しばかり、そのあたりにも踏み込んだ会話があって
ともかく憂さを晴らすとか、承認欲求を満たすとか
その手段として、小説を書く界隈を利用する人間がなんと多いか、
そして、その人たちの思考の自分勝手さが見事なまでに犯罪者のそれと
根底では一緒というのが白眉というか、暗たんたるというか
ともかく、そういう人ばっかりなので、ミステリとしては
誰が犯人でもよくない?と、身もふたもない私怨怨恨を生む内容なのも面白いわけだけど
ミステリ小説としてどうなんだと思わなくもなかったのである
小説としてはずいぶん前のものだけども、
実際にここで扱われているのと似た事件が最近起こっていたのが興味深いところで
当の事件において、被害者が毒島のようでさえあればそうではなかったのか、
また、この小説ではそこで味方となる編集のひとがいたりするのも物語的であるわけで
現実との乖離というか、より悲惨であるということが、
関係する業界の澱のようなものを見たように思うのであった
トリックはそれなりであるものの、やっぱり動機の方が面白くて
案外被害者の方にも問題があったりという、犯罪の酷い部分がいっぱい出ていて
そこを文壇を利用して、面白い話に見かけ上変えているのが
よかったのだろうと思いつつ読んだのであります
シリーズの続編を先に読んでいたので、
ようやく一作目を読むことができました
最初はちゃんとといっていいのか、作家刑事らしく、出版関係のあれこれを扱った事件が多く
非常に面白くというか、これは、ある種の内輪ネタというやつなのかと思いつつ
世にもひどい文壇の世界をのぞき見する内容でありました
まぁ、実際はそうでもあり、違ってもありだろうけど
魑魅魍魎が跋扈する界隈であるのは間違いなかろう
毒島の毒のある感じはにやにや読めるところなんだが、
容疑者たちのひどさが際立っていて、
話しは、はじめからパターン化されているようなミステリ小説だけど
その容疑者たちの悪の強さが見所と思われ、
まぁ実際にこういう人たちがいっぱいいて、
かつ、出版社に押し寄せてるんだろうなと思うほど
世をはかなみたくなる感じで仕方ないのが、二週くらい回って面白かった
どれもこれも、本当にモデルとなっている人がいて、
それの合体悪魔みたいなものだったんだろうと思うわけである
作家を目指すことと、それを批評すること
このどちらもが、現在とてもやりやすくなっているというのが
根幹の問題なのか、少しばかり、そのあたりにも踏み込んだ会話があって
ともかく憂さを晴らすとか、承認欲求を満たすとか
その手段として、小説を書く界隈を利用する人間がなんと多いか、
そして、その人たちの思考の自分勝手さが見事なまでに犯罪者のそれと
根底では一緒というのが白眉というか、暗たんたるというか
ともかく、そういう人ばっかりなので、ミステリとしては
誰が犯人でもよくない?と、身もふたもない私怨怨恨を生む内容なのも面白いわけだけど
ミステリ小説としてどうなんだと思わなくもなかったのである
小説としてはずいぶん前のものだけども、
実際にここで扱われているのと似た事件が最近起こっていたのが興味深いところで
当の事件において、被害者が毒島のようでさえあればそうではなかったのか、
また、この小説ではそこで味方となる編集のひとがいたりするのも物語的であるわけで
現実との乖離というか、より悲惨であるということが、
関係する業界の澱のようなものを見たように思うのであった
トリックはそれなりであるものの、やっぱり動機の方が面白くて
案外被害者の方にも問題があったりという、犯罪の酷い部分がいっぱい出ていて
そこを文壇を利用して、面白い話に見かけ上変えているのが
よかったのだろうと思いつつ読んだのであります