CLASS3103 三十三組

しがない個人ホームページ管理人の日記です。

【読書】幹事のアッコちゃん

2024-03-18 20:54:44 | 読書感想文とか読み物レビウー
幹事のアッコちゃん  作:柚木麻子

スカッとするお仕事系短編小説
シリーズ3作目だそうだが、それを逆手に取るでもない、
アッコちゃんのキャラクタというのが、知らず内に肥大している
そこを調整でもないが、実際は、そう見えているだけで普通のというか
割とだらしない方向の人というのがわかるエピソードもありつつ
でもやっぱり、アッコちゃんはすごいなと思わせて、
なんか気持ちよく、次の仕事へ向かおうと
そんな気分にさせてくれる短編ばかりでありました

基本的に、ちょっとやさぐれた感じになっている人物が、
アッコちゃんと5日間過ごすと、その間にあれこれ振り回されて、
気づくとその力を手に入れているようなといっていいのか、
よいことの伝染が見られる物語で、大変気持ちがよい

アッコちゃんという人物の凄さというのの
敢えて裏側が、それぞれの人物に見せられることで
必ずしも完璧ではない、というか、そういうイメージが先行してしまい
それに乗っかって苦労したり、利用したりのアッコちゃんを見て
色々と考え直すきかっけを得るというのが
ありそうだなという塩梅が実に絶妙で、大変よかった

思いつきで行動しているように見せかけているようで、
やっぱり思いつきで行動しているんだが、全部適当ではない、
その匙加減こそが、肝なのだなということが
アッコちゃんはさておき、すべての仕事に通ずる勘所だろうと思わされて
なかなか楽しいのでありました

実際は、そう思い切りよくできるものでもないんだが
案外、そういう気持ちや、気分で仕事すると
なんか悩んでたことが解消するというのは
物語じゃなくても、往々にしてありそうなので、これを読んだ勢いのまま
ちょっとだけ変化をつけるとかできそうな
いい塩梅の勇気にあふれていると思ったのであった

まぁ、真似して痛い目見るリスクも当然にあって
そういう人物も出てきているのが、なかなか趣深いわけだが
それはそれとして、自分は生きていくしかないのである