天下一の軽口男 作:木下 昌輝
上方落語の始祖「米沢彦八」を描いた小説でした
まさか実在の人物だったとはつゆとも知らず、
お笑いを時代歴史ものとして読ませる
酔狂な小説だと思っていたので驚きであります
初期のお笑いの成り立ちを面白おかしく描いていて、
落語がだんだんと形作られていくさまが
非常に楽しく読めたのであります
「笑わせる」ということを仕事に仕上げて、
その方法を練っていくというのが斬新というか
面白い読み物たる部分であります
これって、いわゆる落語だよなぁなんて
読みながら思わされていったのでありますが、
順序立ててというか、彦八があれこれ工夫しつつ
仕上げていくさまを見ていると、
落語がなんであんな形になったのかが
いやにしっくりきたというか
なるほどなぁなんて、すっかり騙されたのであります
実際、小説中に、これが落語であるなんて
一言も出てこないというか
まだ、落語という言葉が生まれる前であるからか
お笑い噺をする芸という位置づけで、あれこれ、
このあたりが、今でいう落語の様々なジャンルにつながっていくというのが
ちょっと面白くて、もう少し落語に対して、
自分が知っていると、さらに面白かったのではないかと
惜しく思ったりしたのであります
軽いロマンスも彩られつつ、
真摯にお笑いで身を立てるため、あれこれ工夫していく様が楽しくて、
最後のオチというか、仕舞の部分については、
なんというか悲しさが、じんわりとやってくる、
この口惜しさみたいなのが、彦八本人にはなかろうに
読んでいるこちらには、ずいぶん残るというのが
新しい感動体験だなと思わされたのでありました
もうちょっとなのに、とか、そういうことを言いたくなる最後なのでありました
読む落語といっていはなんだけども、
そういう語り口で描かれていて
楽しく読み終えたのであります
上方落語の始祖「米沢彦八」を描いた小説でした
まさか実在の人物だったとはつゆとも知らず、
お笑いを時代歴史ものとして読ませる
酔狂な小説だと思っていたので驚きであります
初期のお笑いの成り立ちを面白おかしく描いていて、
落語がだんだんと形作られていくさまが
非常に楽しく読めたのであります
「笑わせる」ということを仕事に仕上げて、
その方法を練っていくというのが斬新というか
面白い読み物たる部分であります
これって、いわゆる落語だよなぁなんて
読みながら思わされていったのでありますが、
順序立ててというか、彦八があれこれ工夫しつつ
仕上げていくさまを見ていると、
落語がなんであんな形になったのかが
いやにしっくりきたというか
なるほどなぁなんて、すっかり騙されたのであります
実際、小説中に、これが落語であるなんて
一言も出てこないというか
まだ、落語という言葉が生まれる前であるからか
お笑い噺をする芸という位置づけで、あれこれ、
このあたりが、今でいう落語の様々なジャンルにつながっていくというのが
ちょっと面白くて、もう少し落語に対して、
自分が知っていると、さらに面白かったのではないかと
惜しく思ったりしたのであります
軽いロマンスも彩られつつ、
真摯にお笑いで身を立てるため、あれこれ工夫していく様が楽しくて、
最後のオチというか、仕舞の部分については、
なんというか悲しさが、じんわりとやってくる、
この口惜しさみたいなのが、彦八本人にはなかろうに
読んでいるこちらには、ずいぶん残るというのが
新しい感動体験だなと思わされたのでありました
もうちょっとなのに、とか、そういうことを言いたくなる最後なのでありました
読む落語といっていはなんだけども、
そういう語り口で描かれていて
楽しく読み終えたのであります