CLASS3103 三十三組

しがない個人ホームページ管理人の日記です。

【読書】ハーバードの人生が変わる東洋哲学 悩めるエリートを熱狂させた超人気講義

2016-07-19 20:28:09 | 読書感想文とか読み物レビウー
ハーバードの人生が変わる東洋哲学 悩めるエリートを熱狂させた超人気講義  
著:マイケル ピュエット

これまた面白い本でありました
うわさにたがわぬといっていいのか、
話題になってるんじゃないかと期待してしまう内容でありました
哲学書は、だいたい何を読んでも面白いなぁと
最近のトレンドであります

ハーバード大学の講義がもとになっているそうで、
東洋哲学の考え方、その哲学が新しいといったらいいか、
西洋人には新鮮と写った、いや、写したというのが正解でありましょう
孔子、孟子、荘子、荀子、老子、墨子と、
それなりに聞いたことのある中国古代の思想を
わかりやすく解説した、今風に解釈した内容でありました
すげぇ面白かった、西洋人じゃないのに感激してしまった
古代思想はえらいなぁ

そんなわけで、主たるところは儒学なのでありますけども、
礼や仁といった概念を教えつつ、そこにあるもの、
その根底にたわる何かを掴むために、
かなり噛み砕いて説明していました
内容にもありましたが、観念的といっていいのか、
その場によって答えが異なる、その姿勢や、思考が
この哲学の肝であるという、
それはもう詭弁というんじゃないかと、西洋人が大憤慨しそうなそれを
なるほど、非常にわかりやすく、理解できたと思わせるように
丁寧な解説で彩っておりました

かなり感心したというか、前になんかの本でも示唆されてたなと
いまさら気付いた事項も多々見られたのでありますが、
礼というのは、形骸化していることは問題ではない、
それをまとうことによって、それを演じて、それになりきることで
気付くこと、築かれるものがあるという
この考え方、その先にあるものが仁であるというのが
なんだろう、凄い納得できたのでありました

いつも失敗してしまうとしょげる人は、
そういうパターンに陥っているだけである
そういう自分を演じようとしている、礼を行っていると
まぁ解釈できるんじゃございませんかというのは
目からうろこでありましたね、素晴らしい
同じことをしがちというのは、礼であるが、
そこに固執するのはいただけないのであるか

もう少し、法家、特に韓非子あたりを扱ってほしかったなと
思わなくもなかったのでありますが、
天の概念や、他人とのあり方についての思想については
改めて、解説されて、やっぱり自分も東洋人なんだなと
しっくりくるような気持ちになって
心地よかったのでありました
解説本じゃなくて、原本を読むべきじゃないかなとも思うんだが
これはこれ、楽しんで読めたのであります