CLASS3103 三十三組

しがない個人ホームページ管理人の日記です。

【読書】ギケイキ ~千年の流転~

2016-07-28 20:35:14 | 読書感想文とか読み物レビウー
ギケイキ ~千年の流転~  作:町田 康

エンタメ小説と銘打ってあったとおり、と言っていいのか、
歴史を下地にして、現代アレンジで描いた、
コメディのような物語でありました
しかも、これ一冊で終わらないらしい
読む前に教えてくれよと感じてしまったんだが
まぁ、なかなか楽しめたのであります

義経記をカタカナで読んだ題名だと、
どっかで見かけて初めてわかったことだったのですが、
義経を主役にして、源平の頃を描いていく歴史小説であります
物語はおそらく、正しい歴史に沿っているのであろうけども、
登場人物が、まさにキャラクタという感じでデフォルメされていて、
しかも、地の文、台詞かまわず、
現代語というか、どっちかというと破綻している言語で構成されていて、
そのあたりが、笑いどころであります
完全に、ヤンキーの会話になっている部分が多々見られる
いいな、源平ヤンキー伝って

とりあえずこの一冊では、
義経の生い立ちから、平泉にいって、頼朝挙兵にはせ参じるところまで、
だーっといって、ぎゃーっとなって、どばーっと
みたいな感じで話が進むので、
確かに物語は過ぎていくんだけども、
違うヤンキーが出てきて、また、しょーもないことをやりあっていると
そんなイメージのまま進んでしまって、
なんだろうかな、面白いんだけども、なんも残らないというか、
残せない、区別がつかないといった具合でありました

台詞がまた、素晴らしいもので、
京都のヤンキーってこんな喋りかたするなぁと、
惚れ惚れするほど、発音までも理解できるように
見事な話言葉で描かれておりまして、
ある種、臨場感たっぷりなのでありました
ヤンキーっぽいと書いてみたけども、
どっちかというと、ネット住民ぽいのかもしれない、
なんだろうか、慇懃無礼と、なめた感じというか
どうとも、なんとも、とかく、
読みにくいんだけども楽しげであると
そんな会話劇でありました

この会話が、肝なので仕方ないのですけども、
もうちょっとはしょったら、もっと話がちゃんと進むんじゃねぇかと
感じなくもないところが多々みられましたが、
しょーもないやりとりを何度も見る小説なので、
これが正解なんだろうと思うのであります