CLASS3103 三十三組

しがない個人ホームページ管理人の日記です。

【読書】人魚の眠る家

2018-10-16 21:04:46 | 読書感想文とか読み物レビウー
人魚の眠る家  作:東野 圭吾

重たい小説だった
相変わらず、すばらしく読みやすくて
なるほどなるほどと、先を急いでしまう読書になるんだが、
今回のは、まぁなかなかどうして、えらい重たい話でありました
倫理に問うというか、死ぬとは何かを考えさせられる
とんでもなく重たいお話でありました

脳死という状態をはたして死と呼ぶのか、
そんな問いかけをする物語でありまして
奇跡的な脳死と呼んでもよい状態の女の子が
延命されている間に、少しずつ体が成長していく
でも、意識は戻らないし、戻るはずもないといわれている
この状態をいつまで、どのようにするべきか
親の情や、様々な想いとしがらみを描きつつ
この問題を考えるためのエピソードが
次々と起こっていくというか、
なかなか、考えさせられまくった一冊でありました

結局、現在の脳死という定義は、
あくまでも、一連の手続きを行った結果でしかない、
死とはそういうものではなかろうという
哲学的な内容に挑んでいまして、
それぞれのタイプというか、代弁する登場人物たちが
また、なかなか考えさせられる行動をとっていたりして
人間ドラマが見ごたえありすぎて、より重たさをもたらしている感じでありました

本当にここで描かれたことがおきるのか、
人間というか、人体の不思議もありまして、
結局、電気信号で体が動くのは確かなのだから、
そういう信号さえ送ることができたら
人間というべきか、死体というべきか、
動かすことはできるのでなかろうかなんて考えたり
なかなか恐ろしいところでありましたとさ

しかし、考えてみると脳の凄まじさというか、
人体というべきか、人間という一個存在を生命たらしめているということの
凄まじさ、それの代替なんてできるはずもないということも含めたりしながら
なんとも、奇跡を改めて思い知るようで面白い読書となりました
いや、でも、本としてはあまり面白いといいがたいな
そういう感想も抱いたのである

【読書】蜂に魅かれた容疑者 警視庁総務部動植物管理係

2018-10-15 21:42:37 | 読書感想文とか読み物レビウー
蜂に魅かれた容疑者 警視庁総務部動植物管理係  作:大倉 崇裕

蜂を使ったテロをトリックにした、
推理サスペンスでありました
ちょっとわかりにくかったというか、
最後のどんでん返しというか、オチのところが
輻輳してる感じだったので、
結局どっちだったんだ?読み飛ばした?とか、
不安になった読書だったのでありますけども、
まずまず、楽しく読み終えた一冊でありました

宗教組織が復讐のためにヒットマンを雇ったと
まぁ、そういうお話でもあったのですが、
そこに、いくつかの怨恨というか
警察を恨むものというのが出てきて、
事件が複雑化するというお話
警察の動きが陽動をともなっていたり、
なかなか凝った感じなのも面白くて、
次々と読みたくなるドラマ展開でありました

動物に詳しい相棒の女性が
やや、うるさすぎると感じたものの、
どっかずれた会話劇を楽しみながら、
重苦しくならない解決をみるので
まずまず、楽しく読書ができた一冊でありました
特に、これがという強いメッセージとかもないし
いい塩梅で読めてステキ

しかし、蜂を使ってテロというのは
なるほどではあるけど、なかなか難しいよねと
思わなくもないところであった
ちょっと無理があるんじゃないかと
トイレのトリックというか、罠については考えさせられたのであります

西郷どん  傷だらけの維新

2018-10-14 21:08:57 | NHK大河ドラマ感想
NHK大河ドラマ「西郷どん」
視聴完了であります
いよいよ維新がなったという感じなんだが、
不思議なといっていいのであろう、
敵が見えない、そんな不気味な
それでも、犠牲が増え続ける戦が続くと
この描き方は結構衝撃的だと思ったのでありました

もう、誰がというレベルではなかったという感じに見えて
実際は、そうでもなかったろうし、会津あたりの激戦は
語り草ともいえたのでないかと思うのだけども、
官軍側からすると、いつまで続くのだろうかなが
ずっとあったのかもしれないと
モチベーションの違いを考えさせられたのでありました
そうなると、長州の暴走ともいうべき
維新での様々な暴行やらは、
そういうのしか、戦う意義というか、力を見せられなかった
その結果なのかもとも思ったりしたのであります
不幸しか呼ばない

勝との約束を思うシーンも
いい塩梅だと、彰義隊のところで思い知らされたけども、
結局上のほうがなにか決めましたなんてことが
下まで徹底されることが、ほとんどないといったらいいか
人間集団は、そんな簡単じゃないし
何かしら、そういうものが必要なのかもなぁと
死にたがりによって、死が量産されているとも見える姿は
なかなか考えさせられるのであります
こういうのはなくならんわな

そんな感じのなかで、肉親を亡くすというイベントに出会う西郷さんが
なんといったらいいか、身をひこうという気持ちになる
その説得力として十分な出来事だったと思えて
なんとも考えさせられてしまったのでありました
何もかもがむなしいと思うようなお話でありますな

大久保との別れがあんな感じなのかと、
前回の予告で、仲たがいするのは大久保の生き様にあるかと
早合点してしいたので驚いてしまったのだけども、
そんな安穏としたともいえぬ
そういう時代はさほど長く続くはずもあるまいと
予告を見て思ったのでありました

しかし、元西郷さんが出てたが
なんの役なんだろうか、凄い気になるな

【読書】ラブコメの法則

2018-10-13 20:50:04 | 読書感想文とか読み物レビウー
ラブコメの法則  作:東山 彰良

独特のテンションで繰り広げられるコメディ小説でありました
大笑いとか、爆笑とかと異なる、なんというかな、
笑いのツボと押し方が随分独特で、くどそうな笑いなのに、
さらっと流れてしまうといえばいいか、
ともかく不思議なテンションで、にやけながら読める小説だと思うのである

やたら滅法、映画の話が出てきて、
大半がその薀蓄にあったといっても過言でないような、
映画だべり小説でもありまして、
あーだこーだと映画の寸評があるかと思えば、
唐突な女とは何か、いや、何を求めるものかという話が出てきたりと
そうか、男子高校生っぽいんだな
そういう感じが、もう、凄いにじみ出てくるようなお話でありまして
何かあったかというと、特段の中身というか
これがどうしたということはなかったようにも思うのであります

なんとも冴えない主人公が、子持ちの女と恋なのか、そうでもないのか、
どうともならぬ関係をずるずる続けていくようであり、
親友がまた、絶妙に力が抜けているというか、頭がよいのに悪いという感じで
なんともはや、男友達との生活が、いや、もう
物語全体が、どうやっても、男子高校生の思い描く世界のようであって、
なかなか清清しいというか、暑苦しいというか
しっくりと楽しめてしまったのでありました

これと書きたい感想もわいてこないけど、
考えてみて、この男子高校生っぽいという感想が
何よりも当たっていると思えたので
だらだら、何をとメモらず
読んだ事実を書いておこうと思うのでありました

感想文の体をなしていない

夏の台湾北海岸を行く 09 石門金剛宮 第1フロア 主神四面佛

2018-10-12 21:28:54 | 夏の台湾北海岸を行く(2018)
ダンジョンである
女神転生的なダンジョンである、ここわ
金剛宮とは、確かそういうダンジョンがあった、
そしてまさにそういう場所であったと思うような写真が
山ほど撮れてしまったので、興味ないかもだが
じっくりとっくり、掲載していこうと思うのであります


とりあえず入り口の千手観音をやり過ごした後、
宮へと続く大きな回廊がありまして、そこをすたすた
左右に、故事を倣った銅像がありまして、
意味はわからんものの興味深く観て過ごす


なんか諭されている図、ゾウ小さいな

これは有名な老婆に乳を飲ませる孝行の図

親の仇の虎と戦う少女の図

こういう故事はどこで倣うべきなんだろうかと考えさせられるのだが、
孔子だか、孟子だか、仁を尊ぶ儒学が必要なんだろうかと思ったりする
さて、この回廊を抜けるといよいよ本堂というか、
よくよく見てみると、普通の現代建築なんだけども
本体の建屋に入ることとなります

ここで日本語を喋れる係員のような人がやってきまして、
あれこれと説明を受ける、半分台湾語なのであんまりよくわからんのだが、
ともかく、最初にこれをお参りしなさいといった感じで説明されるのが
ご本尊でもある四面佛、それぞれの方角で、平和、金銭、子宝、寿命と
それぞれにありがたく祈りをささげます


四面佛、当然のように金銭を特に強く祈ることにしました

金ぴかなのがいかにも台湾ぽくてステキと思うところ

お金にまつわる神様がなんせあっちこっちにいるのが大変ありがたいところ
よく知らなかったし、見たところただの酔っ払いのおっさんにしか見えないんだが


劉海祖師財神
こんなおっさんおるよなぁと、なんとも親近感みたいなのを覚えたのでありました

中華系ではおなじみの財神といえばの蛙様
昔近所に住んでた台湾系の人の家に山ほどおいてあったそれと一緒だと
感慨深く眺めて、またありがたやと頭をたれたのでありました

とりあえずこれだけ祈れば少しはお金持ちになれるだろうなどと思ったりしつつ、
次のというか、この宮で最も有名な神様にあいに場所を移動するのである
それは二階にあるというので楽しみに移動移動


続く階段を守るガネーシャ様
このあたりも本当に女神転生くさいなぁ
凄いマッカがたまってる感じがする

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連続テレビ小説  半分、青い

2018-10-11 21:20:41 | ドラマ映画テレビ感想
NHKの朝ドラ、今期もちゃんと見終えました
現代もので、しかも、年齢設定が結構近いなと
若干年上なのはわかっていたんだが
なかなかどうして、現代に近づくにつれての世相というか、
雰囲気は、どことなく知ってるようなと

思いたかったけど、都会に縁がなかったので
もうひとつよくわからなかったのであります
舞台も岐阜だし、結構近場だから
あれこれ期待したんだけども、なんか違ったな
岐阜弁と五平餅推しはステキだったので
思わず載せられて、五平餅を食べに実家帰ったりもしましたが
まずまず楽しんだのでありました
ただ、滝藤さん演じるお父さんの言葉は、完全に尾張訛りというか
愛知なまりだったのが気になったんだが、
まぁ、細かいことはいいのか、親戚のおじさんとかが
ああいう喋り方だなぁと、これまたにやにやしたのであるけども

どうでもいいところはさておき、
内容は、女一人、どのように生きてきて今にいたるかと
それをつらつらやっていたという感じなので
物凄い大きな出来事だとか、
凄い何かがあるということはなかったので
あまり、考えることなく見られたのはよかったように思うのであります

方々で言われているとおり
秋風先生が実に素晴らしく、秋風先生+五平餅のくだりが
個人的には一番好きだったシーンというか、
一連の流れだったのでありますけども、
あーだこーだと、あっちいったりこっちいったり、
よくわからん出会いと別れがあってと
破天荒にもほどがあろうと思ったりしたんだが
ともかく、鈴愛が楽しそうに生きていたので
よいとしたらいいかと思うのでありました

最終回に震災をぶつけてきたのは
正直、どうなんだと思わなくもなかったんだが
全体的にはどたばたとコメディを観ていたと思えば
こんなもんかしらと納得して
また、次の朝ドラに身を投じていくのでありました
ともかく、半年、スタッフのみなさんお疲れ様でした

【読書】人工知能と経済の未来

2018-10-10 21:08:38 | 読書感想文とか読み物レビウー
人工知能と経済の未来  著:井上 智洋

まとめてしまうと、AIでBIというお話でありました
いや、うがった読み方になってしまったのだけども
以前に同著者の別本を読んだなと途中で気付いて、
今回の本が、AIから導き出したのではなくて、
BI(ベーシックインカム)を使った経済活性に、AIが役立つのではと
逆説的にアプローチした本ではないかと
感じたのでありました
本の体裁はあくまでAIからスタートしているけども、
どうにも、BIにもっていきたくて
そういう理論を作ったように読めてしまったのだが
はて、どうでありましょうや

と、気持ちの悪い感想はさておきまして、
AIが人の仕事を奪っていくという、よくある恐ろしい話について、
どういうものがなくなるのか、シンギュラリティはやってくるのかと
AI通り一遍のお話が入ったあとに、
AIというものが本当にうまく機能しだしたら、
超高機能な社会主義国家を形成できるんじゃないかというお話になり、
やがては、そこで人間を原則的に支える制度としての
ベーシックインカムが非常に重要であろうと
そんな結論にもっていかれるわけであります

個人的にベーシックインカムはステキだなと思わなくもないのだけど、
色々な経済の本とか、人間社会の本なんかを読んでいると
ベーシックインカムがあれば、結局、
その分だけ底上げされた値付けがなされて意味がなさないんじゃないかと
思わなくもないのでありまして、
ややこの論調には懐疑的に読めたという具合であります

とはいえ、計画経済めいた社会制度を実施するには
AIの演算能力が何かしら役に立つかもしれないと
思わなくもないところであります
ただ、闇雲に今一度ソビエトの夢をという話ではなくて、
そういう歴史のゴミ箱行きしたものを
今更ありがたがるのではなく、もっと未来志向というか
新しい経済や仕組みを考えようという感じで話は広がっていき
なかなか、楽しい推論を伺うことが出来た本でありました

いくつかの引用の中に、2ちゃんねるのぼやきめいたのが引用されているところが
ちょっと、なんとももやっとさせられたというか、
もう今更2ちゃんねるでもなかろうと、ホイチョイみたいな難癖もつけたくなるのだけども、
ともあれ、ばらまきとベーシックインカムと、ともかく
貨幣的な価値を流動させるために、何か考えて、
その役目をAIが担ってくれるといいなぁと
そんなことを考えたりしたのでありまして、

ただ、この本では2035年頃には、AIがシンギュラリティを迎えそうな雰囲気でありましたけど、
そのあたりもやっぱり懐疑的なので、なんというかな、
経済とAIというアプローチは面白いので
また別の本も読んでみたいと、その一冊になったという読み方で
閉じたのでありましたとさ、メモメモ

【読書】日本一わかりやすい投資信託ミシュラン

2018-10-09 21:33:59 | 読書感想文とか読み物レビウー
日本一わかりやすい投資信託ミシュラン  著:清丸 恵三郎

2007年の本なので、ここで紹介されたファンドがどうだったか
答え合わせでもしてやろうと、いやらしい気持ちで読んだのですが、
読み進めてみたら、架空のファンド名になっていたので
まったくそういうことができなかったと
大変残念な有様でありました
まぁ、時期からして、サブプライムローンからの一連のあれこれを経験しとるし、
さらには震災もあったりして、まったくもって役に立たなかったんじゃなかろうかと
思ったりするのだけども、それはおいときつつ
投資信託の基本部分を教えてくれるという意味では
大変わかりやすいいい本だったように思います
目論見書の、どこが大切かとか、
知っているけども、今一度確かめる意味もこめて
自分にとって価値がありました

同じような話でも、何度も、違う形で聞くことによって
ようやっと、私のようなポンコツでも理解というか記憶できるようになるので
また、こういう感じの初心者向け経済本を、ひそひそ
探して読んでいこうかと考えたりするのでありました
とりあえず、手数料と報酬料をもう一度ちゃんと見直すこと、
そして、長期投資を心がけようと改めて思いなおしたりしながら
こつこつ、老後に備えていこうと思うのでありました

まったくの余談ながら
アマゾンのレビューで、嫌に高得点がついていて
なぜだろうかしらと、これまたいやらしくも調べるというか
ちょいちょい辿っていたら、レビュー者が同じ出版社の本ばっかりレビューしていて、
なんというか、そういうことかしらとうがったことを感じたりしたのだけども、
こういう仕事も大変だなと改めて思い知らされたりしながら
レビューというのも、そういうものが混じるものだわなと
今更ながらに、まざまざ思い知らされたのでありましたとさ

【読書】お金の悪魔

2018-10-08 21:21:39 | 読書感想文とか読み物レビウー
お金の悪魔  作:H.M.エンツェンスベルガー

いまいちよくわからない話でありました
謎の富豪である大おばさんが、孫のような子どもたちに
経済レクチャをするという話のはずなんだが、
いかにもな内容ではなく、
国は勝手にお金を持っていくので気をつけようとか、
自分が生きているだけで、何百万人の世話を受けているだろうかとか、
影響が大きいところは悪いことをしても潰されないとか、
確かに処世訓というか、経済にまつわるトピックスを紹介していくのだけど、
実際にどうやって運用しましょうとか、どうしましょうねといったことは
一切でてこないという清清しさで驚くのであります
よくある、経済指南書が童話の姿を借りたものとは
一線をかくするといえるのでなかろうか

そんなわけで、お金の話をしているというよりは
経済、しいては、世の中がどうなっているか、
どんな風だから、損をしたり、得をしたりがあるのかというのが
なんとなくだけど教えられるような内容でありまして
格差が広がっている現状であるとか、
経済の流れについてがなるほどと教えられるようでありました

答えを教えてくれる本ではないというのが味噌なのかと思いつつ、
そういう世の中で、そんな仕組みですよ、
じゃぁどうするかは自分で考えなさいというのが趣旨であろうと
思ったりするわけでありまして、
指南本というのは、こういうアプローチで書く方法もあるのかと
今まで、あれこれ日本の指南書を読んできて
わかった気になって終わっていたという課題が
解決する方法といえばいいか、
こういうのを良著と呼ぶべきかと思わされたりしたのでありますけども
自分で考えるという部分を放棄して読んでしまうと
やっぱり意味がないというか
本そのものの価値すらもなくなってしまうので
なんというかな、知識をつけるのではなく
知恵を育むための本であったと
結論づけておいて、わかたふりをしておこうと思う

西郷どん  江戸無血開城

2018-10-07 21:26:19 | NHK大河ドラマ感想
NHK大河ドラマ「西郷どん」
視聴完了であります
つきものが落ちたように、あさりと西郷さんが
暗黒面から立ち直った
そんな感じでありました
というか、今日、勝に指摘されたことは、
今更ながらというか、視聴者的にずっと抱えていた違和感のそれだったと
思うのだけども、とりあえず、できたからよしとしよう

篤姫の説得は顧みないのに勝の説得で
あっさり民のことを思い出したというのがちょっと
不思議だったのでありますけども
優しい西郷さんを取り戻して
江戸城で寝ているというのは
象徴的でいいシーンだと感心しつつも、
荒ぶる彰義隊の話なんかが
ステキに聞こえてよかったのでありました
まだまだ、これからが戦だよなという感じで
わくわくするんだけど、
まさかの村田蔵六出現で、大変楽しくなってきたのでありました

ここの描写が素敵だと感じたところでありまして
結局、幕府方も新政府方も含めて、本当に近代的な戦を知ってるのは
長州だけだということが暗に示されたようでありまして、
だからこその今後であり、ひいては
今に連なる日本の基礎なんだろうかとまで
思わされたのでありました
強いものが、結局は権力を握ったということなんであろうと
そういう風に見えたのであります
実際そうであったかは、今後の物語で見ていきたいところなれども
東北に進んでいくあたりをどの程度やるのか、
そして、なによりも、大久保との乖離がここから始まるかと思うと

まだまだ、つづきが楽しみでしかたないと思うのでありました

【読書】EPITAPH東京

2018-10-06 21:03:43 | 読書感想文とか読み物レビウー
EPITAPH東京  作:恩田 陸

いまいちよくわからん小説だった
戯曲的というのかわからんが、どことなく古臭いというか、
主人公の独白と、台詞、思索で進み、
何か暗示しているようでもあるが、どうということもなく
淡々と日々が過ぎていくみたいな感じで
つかみどころがなかったように思うのでありました

SFめいた内容でもあり、現代に吸血鬼だと名乗る男が出てきて、
その男と話をする主人公は作家でありまして、
エピタフ東京という演劇台本を作ろうとあれこれ考えている、
その考えている様と、吸血鬼とのやりとりなんかが、
ごたまぜになりながら、途中で実際の脚本も見せつつ、
それらが、大きな統一した何かになるのではなく、
なんだろうか、何を読んだんだろう、何を見たんだろうかと
考えながら終わったのでありました

主題などは度外視して、その進み方というか
小説の形が、夏目漱石の草枕を髣髴とさせると
今ようやっと気付いたのだけども
残念ながらヒロインが出てこないので、もうひとつ
ぐっと吸い込まれるようなことはなかったのでありました

吸血鬼が永遠の命をつなぐという方法が、
誰かに転生しつづけていくということだそうで、
そういう永続性は果たして、どういうものを見てきて
どう思うのであろうかというのも
なかなか考えさせられるというか、面白い想像の糧だと思えて
東京に墓標を立てる、あるいはたてられたものを辿るというのが
どういう大きな意味があったか、
そこはよくわからんかったけど、まずまず、
するり読めて面白かったように思うのでありました

ちょっと前に読んだ、オープンシティもつまりは
こういう物語だったんだろうか、
ともかく、不思議というか、読んで何がといえない小説は
どうも苦手だと自分自身を認識した読書でもありました

夏の台湾北海岸を行く 08 石門金剛宮に入る

2018-10-05 21:30:34 | 夏の台湾北海岸を行く(2018)
野柳から863番のバスに乗って40分ほど冨基漁港の停留所で降ります


漁港のモニュメント
バス停から、実際の漁港や市場へは遠いので
ここで何がということもないのだけども
結婚写真を撮るためのカップルが何組か撮影をしていました
そういうステキな場所である

が、こちとら年老いた父親との二人旅
結婚なんざ、この適齢期を過ぎた息子(私)には関係がない
というわけで目指すのは珍奇な場所に決まっているのである


早速に案内看板を見つけてそちらへと向かう
バス停から歩いて10分かからないところにあるんだが、
この看板が手前の道を指してるのか、奥の道をさしているのか
いまいちわかりづらいのが難点なんだが、ともかく手前のほうを移動し


たどり着いたのがここ、石門金剛宮であります
道教系のお寺さんであります、日本でもマイナーメジャーな扱いになってるんだそうで、
ガイドさんに日本語ができる人もいたりで、なかなか楽しかった
ともあれ、写真としてはまだ進入前なのでとりあえず入り口までのことを


大きなおしし、これに限らず、ともかく大きな神像が山ほど出てくる


駐車場には斉天大聖がいる、
西遊記を先日読み終えていたので、なかなか感慨深いものがありました
道教の寺院にこれがいるというのがステキだと思うのである
あれは、道教的でもあるが仏教のお話でありますからな
と、そんな偉そうなことを思いながらも、悟浄と悟能は見かけないのが
ちょっと残念ではあります


そしてこれが入り口、急にバリというか東南アジア感が強まる
ヴィシュヌか、ハヌマーンかわからんが
女神転生っぽい感じが好きすぎると思うところ
このお寺さんは、道教、仏教、そしてバラモン教の寺院をかねているんだそうで
ごったまぜにあれこれ神様や仏様がいるのでありました


内部には、中華的な比較的新しい壁画があると思うと


門番と見まがうように、まずは千手観音とどこでも見かける
関羽っぽい神将にお出迎えされるのであります


この千手観音が凄い精巧というか、銅像だったか
材質を触ってこなかったのが残念なんだが、素晴らしいできばえというか
動きだしそうな印象を受けるほど見事だったのでありました
これも、見た感じ新しそうだったので寄進があったのか
日本人がいっぱいくるから儲かってるのか
そのあたりはわからんが興奮して見守ったのであります

そして、長い回廊をわたって入り口に向かっていくのである
そう、まだお寺に入っていないんだこれで

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【ドラマ】透明なゆりかご

2018-10-04 21:11:17 | ドラマ映画テレビ感想
物凄い面白いドラマだった

とやかく感想を書くのがはばかれるくらい、
なんというか、ずっしりと重たく響いたけども
凄い感動した、ドラマをまったく、とんでもなく満喫できた
そんな印象をもって終わったのでありました

中絶を伴う産科医のお話と、ADHDを抱える生き方のお話、
この二つが折り重なった物語なんだけども、
この混ざり加減というか、まぁ、一話完結で
物凄い完成度で堪能できたので面白くて仕方なかった

正直、全話が名作だったといえるような感動すら覚えたのでありますが
テーマが衝撃的なせいか、その描写が繊細なのに、
それゆえに凄い伝わってきて、危険さというか、
なんだろう脆さみたいなのが見えて面白すぎたのでありました
ベストをあえてあげてしまうと、というか、特に語りたいと思ったのは
イッセー尾形が闇医者やってた話で、
貧困というでもないが、少女がどうだかわからない子どもを孕み
それを未来のためにおろしに来る
そんな現実を淡々とこなしていくというか、
そのケアのあり方みたいなのを見事に描いてて
それでいて、主人公のナース見習いが、いいポジションで仕事してて
これがまた、後々、ADHDだからあれこれ困っているというのも含めて
秀逸すぎる内容だったと思うのでありました

どうしても堕胎の部分に貧困や、悲惨な現実が見え隠れするのだけど
それだけではなく、そこにある命のきらめきというか
とても大切なものが丁寧に丁寧に描かれていて
まぁ、本当、凄い感動したのでありました
闇医者以外も、酷な話ばっかりだったし、好きな田畑智子も出てたしと
まぁ、ありとあらゆる意味で楽しくて仕方ない
素晴らしいドラマを見たと書いておくのでありました

本当、笑う部分は少しだけあるし、もうやっぱり
凄い重くて仕方ないテーマと内容なんだけど
面白くてたまらなかった
特に、他人の気持ちがわからないという部分での不安と鬱屈が
物凄くよくわかってステキでありました
そういうきらいが自分にあると、そう思ってしまったんだが
実際はそう思いたいだけだったとも考えられるのだけど
ともかく、好きなドラマだなと思える内容であったとさ

【読書】モップの精と二匹のアルマジロ

2018-10-03 21:52:34 | 読書感想文とか読み物レビウー
モップの精と二匹のアルマジロ  作:近藤 史恵

犯人がどうしたというよりも、
どうなってしまうんだというミステリでありました
面白く読めたし、見事に騙されたようでもあり
なんというか、とても楽しかったのである

何が見事って、最初に想定していたことが
想像しない方向に悪化して、問題が複雑化していくというのが
まぁ、なかなかどうして、世の中ままならんものだよなと
思わされるかのようで面白い
物語の中とはいえ、関係ない人をつい疑ってしまったりして、
なんとも推理を楽しめてしまったのでありますが、
オチといえばいいか、愛とは何か、
そこに様々な障害というものがあるのだなと
改めて思い知るようでもあり不思議だと感じるのであります
そういう病気というか、障害もあるのかと
考えさせられたというか、
ちょっと考えてみたら、ありそうだなとも思ったのである

手近な事件というか、そんな条件が揃ったら
そういう愛憎が育まれてしまうなというのもよくわかり、
動機の部分が、近藤史恵さんの場合はいつも思わされるが
かなりの怨恨というか、愛情のもつれが色濃くて、
もうそうなってしまったら、どうしようもないというか
理屈や、理解など遠いものだと思わされたりするのであります

主人公でもあるキリコちゃんのキャラクタがはつらつとしているので、
事件の悲しさというのが若干緩和されるのだけど、
それでもまた、あるいは、それだからなお、
なんとも悲しい事件というのが印象的にも思えるのでありました
まぁ、今回のは、そこまで悲しいお話じゃないのでいいんだが
なかなかどうして、楽しいなかに、ぴりっと悲しみがあって
よい小説だと、いつもながら、感嘆して読み終えたのでありました

【読書】経済のことよくわからないまま社会人になってしまった人へ

2018-10-02 21:31:42 | 読書感想文とか読み物レビウー
経済のことよくわからないまま社会人になってしまった人へ  著:池上 彰

池上先生によるわかりやすい経済入門
そういうお話でありました
わかりやすいというのは、当然、さらっと読めてしまって
実際にわかったかというのとは別問題と
もう何度も読んできてわかっていたはずなんだが
この本も多分にもれず、なるほどとわかりやすく解説してくれて
わかった気分になれたけど
実際どうだったかというと、なかなかどうしたと
口ごもってしまう感じなのでありました

感想というほどのこともなく、
本当に、とても丁寧な解説によって
経済がどういうものか、どんな仕組みなのかを解説していまして
独特でもないが、基本にあるのは
自分の行動が経済と密接にリンクしている
自分が生きるということがそもそも経済活動であると
そういう精神のもとに解説されているようで、
嫌なものは買わないというのが、一種の投票行動であり
それが社会に少なからず還元されて、自分がよいと思ったものが残り、
悪いものは淘汰されていくんだとされているところが
さもあり、また、さもなしという印象

銀行の役割が、お金を預かることではなく、
それを企業に貸し出してその企業を助けることにあるだとか、
株やファンドをどう考えるかといったことの
本当に基本の部分が書かれていて、丁寧に今一度なぞった
そういう読書になったのでありました
知っているとはいえないが、
どっかで読んだことあるなと、そういう話が書かれているのである

やるならETF、FXは素人には危険すぎると、
これもまた基本的なことに終始していて
安心して読めるが、新しい知識を得るそれではなかったなと
これを読んで思ったあたりから
自分も、ようやっと入門は脱したくらいになったんだろうか
ただ濫読するだけの身分でどうか
考えたりしながら、読み終えたのでありましたとさ

もともと古い本だったようで
今と随分状況が変わっているのだけども、
アベノミクスで回復する前に、円高も悪いことばかりじゃないと
苦しいながらも解説している姿が興味深いところでありました