森の中の一本の木

想いを過去に飛ばしながら、今を見つめて明日を探しています。とりあえず今日はスマイル
  

「たどり着いたらいつも雨降り」

2007-03-16 01:53:52 | ’08/12/7までの未整理日記
 私が高校時代にフォークソング部なんかに入っていたことは、先日「自殺の詩」の記事の中で書いたが、歌を歌う事が苦手で、しかも手も小さくてF コードで挫折しかかっていた私の、グループでの担当は主に司会と選曲だった。


「たどり着いたらいつも雨降り」・・・この歌はその頃の私のお気に入りで、校内コンサートで歌っていた曲だ。その他には「高円寺」や「リンゴ」。ほらほら、やっぱりねって感じでしょ。高音が出せて、舌が回れば多少下手でも、それも個性かも知れないと勘違いしてくれそうな曲ばかりかもしれない。

 私は童顔で、中学生の頃には小学生、高校の頃には中学生にしか見えなかったから、そんな幼顔の15歳が
疲れ~果てて~     と歌っても、なんだかナァと、今、思い返してみるとちょっと笑ってしまう。



 だけど、童顔少女の内側は、風に吹かれて立っている少年だったかも。
私は時々思う、人は常に平等ではあるけれど、男と女では、人生の生き方が違うかも知れないと。男の人でその人生に少女時代を持っている人は、あまりいないと思うが、女の人の中には、自分の人生の歴史の中に、明らかに少年時代を持っている人がいると思う。私の思春期はそんな時代だった。だけど、「ある時は」と付け加えておこう。


ある時中味は少年でも、女子高だったので語りはソフト。

 「みなさん、こんにちは。『如月』です。『たどり着いたらいつも雨降り』って、吉田拓郎の曲なんですけれど、モップスってグループも歌っていたんですよ。もちろん拓郎も好きなんですけど、モップスも、みんなおじさーんって感じがして、かすれた感じが、又良かったですよね、ってみんな知っていましたか。

ホーンと、毎日毎日いろいろな事があって、ハァってなもんですが、やっとここまで来たよとたどり着いても、いつだってたどり着いた先でも土砂降りの雨が降っていて、いつだって心はずぶ濡れ。心の中で傘がさせるならまだましってなもんでしょ。傘もさせないで、髪なんかから滴り落ちてくる雨が涙と混ざって土の上に落ちていく、そんなことの繰り返しですよね。

えっ、何?  凄い雨女だなって言っているの誰ですか。

でもね、あなたのすぐ傍で、雨に打たれて傘もさせていない人がいたら、あなたの心の傘をさしかけてあげてくださいね。

じゃあ、次の曲は『たどり着いたらいつも雨降り』・・・」


♪ 疲れ果てていることは
 誰にもかくせはしないだろう
 ところがおいらは何のために
 こんなに疲れてしまったのか
 今日という日が そんなにも大きな
 いちにちとは思わないが
 それでもやっぱり 考えてしまう
 ああ このけだるさは何だ


 いつかはどこかへ 落ち着こうと
 心の置き場をさがすだけ
 たどり着いたら いつも雨降り
 そんなことのくり返し
 やっとこれでおいらの旅も
 終わったのかと思ったら
 いつものことではあるけれど
 ああ ここもやっぱり どしゃ降りさ


 ・・・・・
 ・・・・・    ♪





昨日は、晴天のような私の心だったが今朝一本の電話で、私の心は土砂降りになってしまった。なぜ、どうして、何がいけなかったのだろう。重く気持ちはのしかかる。ストレスが、私の胃に刃をつきたてる。だめだ、気持ちを切り替えなくては。私は仕事には殺されたくない。

 私の中の少年は、切り離された空間の住人だ。だから、彼は年を取らないが、ほとんど思い出すこともない。だけど、こんな時、少年は過去から走ってきてドンと肩を叩いて「おい」と言う。

 私は唇かみ締めて、昨日とは違う涙を滲ませる。そして、ポケットから他者の目を取り出して自分を見てみる。なるほど、大したことないや。

―たどり着いたら  いつも雨降り
そんなことの繰り返し―         
 
なんとなく口ずさんでみた。



―鈴木ヒロミツさん、安らかにお眠りください。―

コメント (2)
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