「たどり着いたらいつも雨降り」の歌詞を検索していたら、いろいろな音楽に巡り会えた。
「夜がくる」―これってウイスキーのCMの曲。でも、短い音楽を繰り返し聴いていたら、いろいろな意味のない言葉を呟いてみたくなってくる。
例えば、
―「ねぇ、あなた。あたしの事愛していた?」
それから、こんな言葉とか
―「もう、忘れちまいなよ、そんな事。」
または、こんな場面
―掴んだコートの指を男は少し力をこめて引き離した。男は、その指を握ったまま言った。
「もう、俺を引き止めるな。俺は行くんだよ。」
「あたしを捨てて?」
「野良猫の頭を撫ぜたからって、拾ったことにはならないだろう。」
「酷い男。」
「サンキュ、旅立ちには充分なはなむけの言葉さ。」
そう言って、男は私の指を離して去って行った。心がきしりと鳴った。でも、涙なんか出ない。だって慣れてるもの。乾いた喉を潤したら、野良猫はねぐらに帰って丸まって寝るわ。
なんか、ハードボイルドっぽくない?
えっ、あなた笑ってる? でも、調子に乗ってきた。上のやつの別バージョン。
―掴んだコートの指を男は少し力をこめて引き離した。男は、その指を握ったまま言った。
「もう、俺を引き止めるな。俺は行くんだよ。」
「あたしを捨てて?」
「そうさ、お前を捨てて、それから俺の心も捨てていく。」
「あんた、バッカじゃない?」そう言って、あたしは男の手から自分の指を引き離した。
「お前、俺の事覚えていろよな。」
「明日になったら忘れちゃってるよ。」
男が薄笑いを浮かべた。ああ、嫌だ。あたしはこの顔が好きなのさ。
「あんた、自分の心は拾っていきなよ。」
あたしは踝を返して、後ろを見ないでバイバイと手を振った。
忘れてやる。あんな自分勝手なやつ。その角曲がったら、もう終わり。ああ、でも涙って片方の目からだけ出ることって、本当にあるんだな。―
どちらかと言うと後者が私好み。
音の響きって不思議で素敵。音が響けばイマジネーションも広がる。
―来週は一週間かけてドラマ感想ブログです。―
だけど予定は未定・・