内村刑事部長が、相変わらず顔は憎らしいのに、微妙に可愛かったラストが、なにげに印象的でした。
「虹が見えるな。」
「ハァ、見えませんが~。」
中園参事官が不思議そうな顔をしているが、
「明日は晴れる。」
そう言った内村刑事部長の顔は、晴れ晴れとしていましたね。彼にとっても、星由里子演じる島加代子のファンのみならず、きっとその映画も大事なものだったのではないでしょうか。
そのストーリー
右京とたまきが珍しく、連れ立って名画座に映画を観に行った。そこで、名映画監督織原が、自分の映画を観ている途中で殺されると言う事件が起きてしまった。織原は、今では映画界から忘れ去られた存在だった。怪しいのは、DVD制作を頼み込むも激しく断られていたビデオ会社の海老名。その日、目撃された大女優、島加代子。また、かって監督の叱責によって女優を辞めたという絹ちゃんという名前も浮上する。
右京には、最初から犯人の目星は着いていた。ただ、知りたいのはその動機だった。
名画座で働いていた掃除係の信子が、絹ちゃんだった。監督は以前から、自分の映画を観ながら死にたいと、常日頃言っていたと言う。
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でも、私はこの「自分の映画を観ながら死にたいものだ。」というのは、こういうことではないような気がしてしまったのですが・・
拡大解釈というのではないかと。でも、監督は信子の気持ちが分かっていて嬉しそうでしたね。だから、ここではいい事にしてしまいましょう。傍目からみれば、その最後は悲劇のように見えても、真実の気持ちは本人にしか分からないことなのですよね。
その監督の最後の日、その日を最良の日にしたのは、右京さんとたまきさんかもしれませんよね。
たまきさんが言いました。
「励まされ続けた先生のような作品。」
又、右京さんも言いました。
「人生は生きていくのに値するものだ、そんなことを感じる作品。」
その二人の会話を偶然耳にして、涙した監督の姿に、思わずぐっと来るものがありました。
しっかり物証が出ているのに、それを言わないで、あくまで自首になるように気づかった右京さんの優しさ、最後にその映画を見たいと言って、もう一度信子に見せた薫の優しさ。殺人の動機もそうでしたが、「相棒」の良さの欠片で出来た内容でした。
「相棒」は、ドラマの中で、そのこだわりを見つけるのも楽しみの一つですが、今回は最後の名前のテロップでしたね。右京、薫、たまきまででしたかしら。映画の中の名前になっていましたね。
ところで、そんな風に、「私の先生」なんて言える映画を、皆さんの心の中にはありますか? 私は少しは映画好きだと思うのですが、ちょっと思い当たるものがないです。だから、その映画って本当に凄い映画だと思いますよ。
横道に逸れてしまいますが、元気が出た映画はあります。
古いですが、「ロッキー」なんかはめちゃくちゃ元気が出ましたね。「8マイル」なんかも、いい感じでした。皆さんはいかがですか?
そんなこんなで、来週は最終回
でも、スペシャル
ハケンさんのドラマとも重ならないで良かったです。
―シナリオ 岩下悠子―