森の中の一本の木

想いを過去に飛ばしながら、今を見つめて明日を探しています。とりあえず今日はスマイル
  

鹿も四足、馬も四足

2007-08-21 07:37:58 | 家族スナップ

 他愛のない話、その二。

 ルート君が二回目のコミケに行って、さらに真っ黒に焼けていた頃。彼が夏コミなら、私は夏ゴミと格闘中だった。家の中を歩いて一万歩は超えたよなあと思う頃、暇を持て余しているラッタ君が、通りすがりの私をつかまえて、珈琲入れてとのたまう。

「君、冗談を言いしたもうな。吾の分まで、君が入れたまいし。」の申し付ければ

「吾は崖を行くものなり。気抜けば落ちぬなり。」

などと拒む。


 ―ああ、ごめんなさい。またも疲れまくっている私ですね。―
その時、ラッタ君はネットゲーム中で、見たら本当に崖っぷちのギリギリを移動中でした。

「こんな所落ちたら、死ぬな。」とか言いながら、何を言うかと思ったら「鹿も四足・・」とか言っています。そんな独り言を聞いてしまっては、何か言いたくなってしまう私です。


「でも、あれは全部okだったわけではないよね。」

平家の陣営の背後。道なき断崖を鹿が下りていくのを見た義経が、馬を二頭落とし、
「見よ、一頭は立ち、一頭は動かず。鹿も四足、馬も四足、各々方それぞれ手綱を引き締め、捌き給え。」

そう言って、大将自ら迷いなくどどどと下りていく。ギョエーと思った家臣もいたに違いないが、落ちていかないわけには行かない。ドドドドドー。

言わずと知れた義経の一の谷での戦いシーンです。
カッコイイー
いつ考えても、そう思ってしまうシーンなのですが、なんたって馬も一頭はダメだったんですから、単純に考えれば巧くいくかはハーフ・アンド・ハーフ。

なのに行ってしまう義経。付いて行かなければならない家来達。どんなに美男伝説があったとしても(実際は怪しい?)、出来るならば出会いたくない上司です。

で、そのシーンは多分に伝説くさいので、失敗した人もいたというようなことは聞いたことがないが、どうも、私の中では脚色済み。こんな感じ。


―その時、迷い怯んだ者は落ちぬ。―

何事も勢いと言うものが大切なのだ。そして、巧くいくに違いないと言う確信が成功に導く。・・・・なるほど、今の私には胸が痛い・・・・


その時ラッタはほざく

「成功したからヤンヤと評価されるけれど、行くゾー!と言って、全部落ちちゃったら、大惨事として歴史に残ったわけで、コレが本当の『落ち武者』なんちゃって。」



「ああ、そうですか。でも、義経って八艘跳びなんかもしちゃってカッコイイよね。」


「ああ、だからそれも、巧くいったからカッコイイと言われるけれど、ポーンポ-ンと跳んで、途中でポシャーン。それでやっぱり『落ち武者』なんちゃって。あれっ、俺上手いこと言うな。面白い事言ったから、珈琲入れてきて・・・」


・・・・、どうも我が家では忙しい相手に珈琲を入れさせるチケットは、新しい話題を提供するかくだらないことを言って、笑わせることらしいです。

そういえば、その頃お出掛けしていたルート君だったら、こんな話題でも付いてこれないのではないかなと気にかかります。

彼にもやってもらいたいクイズの場所を見つけたので、次はその話を書きますね。
(風林火山の感想はいつ書くんだろ、私?)



 ちなみに「八艘跳び」と言うのは、壇ノ浦で平能登守教経の攻撃を逃れる為に身の軽さを生かし、八艘の船を飛び移っていき難を逃れたと言うエピソードです。壇ノ浦にはその八艘跳びの義経の像があって、かなりハンサム。お会いしたいです・・・。




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