森の中の一本の木

想いを過去に飛ばしながら、今を見つめて明日を探しています。とりあえず今日はスマイル
  

ウィキッド

2008-08-12 16:22:48 | 観劇・コンサート日記

8月10日、劇団四季の「ウィキッド」を観て参りました。

「ウィキッド」公演が決まった時から、「誰も知らない、もうひとつのオズの物語」と言う言葉に魅かれて、いつかは行きたいと思っていました。

 

 誰もが知っている「オズの魔法使い」は大好きな物語です。
そこに出てくる悪い東の魔女と西の魔女、そしてドロシーを助ける良い魔女とオズの魔法使いの真実が描かれています。ドロシーを助けるライオン、ブリキのロボット、案山子もどう絡んでくるのかと言う所も見所です。ドロシーが履いていた魔法の靴もどんな風に生まれたのかも納得です。

だけど主役はドロシーではありません。ドロシーは気配のみで登場してきません。主役は良い魔女グリンダと生まれつき全身がグリーンの、悪い魔女エルファバなのです。

なぜ彼女達は良い魔女と悪い魔女になってしまったのか。

   

  

 

世界を敵にしてたった一人に愛されるか。たった一人を失って世界に愛されるか。それぞれの選択に、彼女達は人生を賭けた。

 

唸るほど良くできたお話です。そして、予想以上の感動です。

友情の始まりはちょっとした誤解だったかもしれません。グリンダがからかう気持ちであげた黒いとんがり帽子を、人に優しくされた事のないエルファバは感激して、それを被ってパーティの席に現れます。踊ったこともないので体操のようなダンスを一人で踊リ、みんなの嘲笑をうけているエルファバの姿を見て、グリンダの気持ちが動きます。友だちが止めるのも聞かず、エルファバと共に同じダンスをするグリンダ。でも誤解から始まった友情でも、その友情はずっとずっと続き、キラキラ光る魔法の粉のように 観ている私達を幸せにし、また涙を誘います。

 

友情と愛と、そして正義。

 

素晴らしいミュージカルの舞台から、真っ直ぐに伝わってくるメッセージは、物語の面白さで素直に体の中に溶け込んでいくのです。

 

そして、何より本当に素晴らしかったのは、その歌声です。痺れました。

夏休みもあって、子供たちも多く来ていました。私も子供たちが小さい時にこんなミュージカルを一緒に見たかったなと羨ましくなりました。
アンコールは6回、または7回ありました。本当に素晴らしい舞台でした。

お勧めします。

お土産好きなのでこんなものを買ってしまいました。

    ノートとマグネットです。

 キャスト:グリンダー沼尾みゆき エルファバー濱田めぐみ
      ネッサローズー山本貴永  マダム・モリブル―武木綿子
      フィエロ―Li Tao

 

 元の原作は知らなくても問題ないけれど、知っていた方がなお楽しい。↓

オズの魔法使い (岩波少年文庫)
ライマン・フランク・ボーム,幾島 幸子,Lyman Frank Baum
岩波書店

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オズの魔法使い (とびだししかけえほん)
フランク バウム,ロバート サブダ
大日本絵画

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ウィキッド(上) 誰も知らない、もう一つのオズの物語
グレゴリー・マグワイア
ソフトバンククリエイティブ

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ウィキッド(下) 誰も知らない、もう一つのオズの物語
グレゴリー・マグワイア
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篤姫「桜田門外の変」

2008-08-12 11:32:43 | ドラマ (大河)
 「相棒」ファン様にしか分からないことだと思うのですが、この「桜田門外の変」と聞くと、「桜田門内の変」を連想してしまう・・・困ったものです。


 幾島は去って行きました。去るものがいれば、必ず空いたところが埋まっていくと言うのが世の常でございます。重野が今後は天璋院の世話をすることになりました。
―私は手が掛かる。と言う篤姫の言葉に、一番最初に幾島から伝えられていて知っていると言う重野。頼もしい感じがしました。

 別れがあれば、新しい出会いもあり再会もありました。蒸気船咸臨丸の乗組員勝麟太郎。これからが彼の出番だと思いますが、爽やかでした。またそこで、懐かしいジョン・万次郎と再会します。彼はミシンを天璋院に献上するために来たのですが、プレゼントはそれだけではありませんでしたね。

かつて尚五郎が篤姫を好きだったという、秘密を打ち明けていきます。


お守りを出し、
「そうですか、すいちょりましたか。」と微笑む篤姫でした。
ああ、青春は麗し♪


その後のミシンを使っている天璋院には、笑えました。でも彼女が日本で最初にミシンを使った女性なんですよね。凄いですね。

でもそこに滝山が「安政の大獄」で処罰されたもののリストを持ってきます。あまりの悲惨さに天璋院は井伊と二人だけで会うことにしました。

井伊は茶の道でも、それを究めた人でした。その茶の見事さを素直に褒めた天璋院の人となりを、井伊も認めざるを得ませんでした。二人は歩み寄り分かり合える予感を感じさせました。本来茶の湯、お茶の席は敵、味方なくひざを突き合わせることが出来る場所。そこを会見の場所にもって来たのは成功ですね。

井伊は「己の役割を果たしただけ。」と語りますが、あまりにも過酷な役割だったと言えるかも知れません。幕府を守りたいがためであっても、人材と言うものが日本の財産だったとしたら、どれだけの財を日本は失ってしまったのか分かりません。過酷な役割であってもそれを断行していった井伊は、己の運命も見えていたのかもしれません。

一期一会のお茶の席。
その心の触れ合いは、まさにその言葉通りになってしまいました。雪の降る3月3日、桜田門の外で井伊は落命してしまいます。

あの出会いがあったから、またも日本にとって大切な人が亡くなってしまったという感じがしました。作家様の計算どおり・・・。

でも私には、カラカラと逃れられない運命の糸車が回っているような感じがしてしまいました。良い人も悪人もなく、ただ歴史の運命に翻弄されているだけ。それだけの血を見なければ、そこにたどり着けない道だった、と。井伊直弼という男もその歴史の糸車で織り成す一本の糸だったと思うと、善人に描かれようが悪人として描かれようが、「桜田門の変」のシーンは降る雪の白さとも相まって、いつも恐ろしくそして悲しく感じます。

今回のアイテムは天璋院がミシンで縫った袱紗でしたね。


今回はこの記事の中では、薩摩のお話のことがざっくり抜けてしまいました。だって、何処にねじ込もう・・・?
まあ、いいか。江戸も動くが、薩摩も動く・・・ということで。


NHK「篤姫」ホームページのトピックス中村梅雀さんのインタビューが面白いです。
http://www.nhk.or.jp/taiga/topics/inter15/index.html
コメント (6)
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