9月24日、「新海はちょっといいや。」と息子たちに拒否られて、おばちゃん一人で行きました。
ひとりで行ったのに・・・・、これはヤバイ…とハラハラ泣きました。
ハラハラと泣きながら、映画が終わった時の事を想像して「どうしたもんじゃろ~。」と世間では全く誰も言わない朝ドラのセリフを心の中で呟いていました。だって目が真っ赤なおばちゃんひとり。絵にならないって。
だけど長いエンディングでは誰も席を立たずに、流れる音楽を耳を澄まして聴いている感じが伝わってきました。
号泣と言うわけではなかったので、オメメも回復。めでたしめでたし。
あっ、いやいや、これでも真面目に書いているつもりなのです。
息子たちに「新海は・・・」と言われた時に、そう言えばこの人の作品は見た事がないなと思いました。以前ツイッターで「言の葉の庭」のプロモーションがやたら流れて来ていた時があったような気もしますが、綺麗な絵だなとチラリと思った程度。そんな点からも私には初めての方の作品だったのです。
先日テレビで、この映画のヒットの理由の解明みたいなのをやっていましたが、観客の主流年代が10代から20代で80%とか言っていたかなあ。
凄いなあと思いました。思わず自分の事を「おばちゃん」って言っちゃいますよ、ワタクシ。
9月22日の段階で興行収入100億円を突破し、動員数774万人で、その数字をアニメで出しているのはジブリだけだそうです。
でもジブリ映画はですね、中高年の高の方の方々が連れ立って劇場に赴きそのヒットに貢献しているのです。
申し訳ないのですが、この映画でそれは無いなと思います。せいぜい私のようなミーハーおばちゃん世代+10歳が良い所だと思うのですね。つまり中高年の、中の人たち止まり。それだってターゲットにされてなかったみたいだし、実際に20%の中の数パーセントってわけでしょ。
今、日本はほんとーに(力を入れて)老齢化社会で、中高年を取り込まないと大ヒットは難しいのが現状だと思うのですよ。(アナ雪みたいにね。)でもそれをそれらの人を数パーセントで押さえながらのこのヒットは、素晴らしいに尽きると思うのです。
この映画のネタバレなしの感想で
「こうきたか~。」と言う言葉をよく目にしました。
いったいどう来るんだよと楽しみにしてましたが、なるほど納得です。
この映画の中でセリフにも映像的にも重要なアイテムである組紐ですが、この映画自体が、その組紐のようなものに感じました。
カランカランと織り込んでいる時には、その文様ははっきりとは見えてきません。でもそれが一気に分かりだしそして完成されていきました。
評判通り美しい映像でした。
でも私は物語に引き込まれてしまったかも。
この映画の感想も、忘れないためにもネタバレで書こうと思ったのだけれど、なんかやめておこうかなと思いました。
時が過ぎて、「なんだっけ」と忘れてしまっても、昨日見た美しい夢のようなものだと思えばいいのかなって、そんな事を思えるようなお話でした。
あっ、そうそう。
私はアニメの声は声優さんがやった方が良いと、いつもは思っています。
でも神木君は良かったな。あっ、きりちゃんも良かった。きりちゃんじゃなくて、長澤さんでしたね ^^
一番下に後ちょっとだけあります。
<映画のネタバレじゃないのですが、それでもネタバレになってしまうので。>
「夢」を描くというのは私にとっては重要な課題なんです。だからこのお話は私のツボにはまったように思います。運命を背負った不思議な夢だったから、あのような喪失が起きていくというのではないと思いました。〈あっ、やっぱり映画のネタバレだ。〉
夢と言うものは、さっきまで夢の中で愛してその名前を呼んでいた人の名前を目が覚めた瞬間には覚えていたものを、数秒で脳から消去されてしまったという経験はありませんか。
夢のストーリーを思い返して忘れないようにしようと思ったとたんに、すべてを忘れてしまったという経験はありませんか。
そんな時、本当に空しくて悲しいのです。
「そんな事が昔あった。だけど忘れてしまった。夢なんかそんなものなので問題ない。」と言うような事をおばあちゃんが言うでしょう。
同じような経験を新海監督はしていて、そしてこの物語は生まれたのかなと、ちょっと思ってみたりもしたのでした。
〈ちょっと言葉が足りなかったから、追記します。入れ替わりは夢と言うわけではなかったのですが、人の人生を生きている事を巫女であるおばあちゃんが「夢を見ているね。」と表現していたから、そう書きました。〉