東京に行く事に、いつの間にか高いハードルが出来上がっていた私ですが、この時代を模索しながら自分らしい生活をしようと、やっと心が動きだし、この上野の西洋美術館でのイベントには行く事にしました。
もちろんマスクに消毒スプレー持参で、9月16日に行きました。
この「ロンドン・ナショナル・ギャラリー展」の解説によると
>しかし同館はまとまった数の作品を貸し出すことに慎重で、これまでイギリス国外で所蔵作品展が開催されたことは一度もありませんでした。今回、選りすぐりの傑作約60点を一挙に公開する本展は、史上初めての機会で、歴史的な展覧会といえます。
なのだそうで、これを読むとありがたみが増すと言うものです^^
だけどその60点の展示は、まさに私的には程よい展示数であり、展示の流れもすっきりとして分かりやすく、印象的な絵などが心に残りやすかったです。
「史上初めての機会」の展示会なので、もっと詳しい解説などをお読みしたい方は、下にHPをリンクさせておきますので、ご覧ください。リンクと言えば、こんな時代だからでしょうか。HPが太っ腹です。全作品を見る事が出来ます。
ツイッターやラインにもリンクをさせる事が出来るので、いつもならやらないようにしているのですが、絵画の画像をブログにもお借りしてきました。
いくつもの気にいった絵画がありましたが、惚れ惚れと見とれてしまったのが
テーマはともかくですが、いったいこの絵画は何処から描き始めたのだろうかとしみじみとなめるように見てしまいました。
壁から床まで、もはや完璧。
後から知ったのですが図録の表紙にもなっていましたし、売店には複製画も売られていて、人気の絵画だったのですね。人気があると言うのは誰もが想う事がありと言う理由があるのだなと思いました。ルネサンスの時代の人なんかまったく知らず、この作者はカルロ・クリヴェッリ。
3分経ったら、もう覚えていられるかどうか・・・・・(^_^;)
この人も知らないのだけれど、なんか好きだなと感じたのは
ヴェネツィアの画家でジョヴァンニ・アントニオ・ペッレグリーニ 《井戸端のリベカ》。
絶対に1分で忘れるどころか覚えられそうにありません。だけどこの一枚だけ見て、他の同じ作者の絵をこの先に見る機会があって、「ああ、ジョヴァンニじゃん。」となるかどうかは疑問ですが、絵の個性と言うのは人の顔と同じくらいあるなと感じています。
前に「エル・グレコ展」に行ったことがあるので、下の絵はパッと見て「ああ、エル・グレコだな。」と思いました。
以前友人が、「私、エル・グレコが一番好きなの。この色彩が何とも言えなくて。」と言ったのですが、世の中にはもっと親しみやすい画家がたくさん居ると思うのに、なぜ彼なんだろうかと、そう言った彼女の個性に感心したものです。
ところがかなり高齢の婦人と娘さんなのかも知れませんが、そんな二人組が私の前を歩いていたのです。そしてこのエル・グレコの絵の前を立ち去る時に、高齢な方の婦人が言いました。
「こんな所で思いがけずエル・グレコに会えるなんて、凄く嬉しい。」
思わず、「凄いな、エル・グレコ !」と思ってしまいました。
それに人の「嬉しい」と言う言葉が耳に入ってくる事は、意外とまた嬉しいものなのだなと思いました。
オランダの部屋、スペインの部屋では少々の画家さん、フランスのお部屋ではさすがに全員の名前は知っていました。だけど私の知識ってそんなものなんだなと思いました。
油絵のターナー
緑色の睡蓮のモネの池・・・・・・
なんか凄く素敵だな・・・・♪
そして
本当に見応えのある展覧会でした。
またもある作品の前で、あの二人組と同じになり、ゆっくり解説を読むご婦人の声に耳を澄ませてしまいました。
その解説を読む前に、彼女は「凄いわねぇ」と言いました。
解説を読み終わると、もうひとりの方が
「で、どこが凄いって ?」と聞きました。それには答える事はしませんでしたが、その「凄いね」と言う言葉に共鳴していました。
・ジョン・コンスタブル 《コルオートン・ホールのレノルズ記念碑》
静止した森の中、遠くに雲は流れ鹿は、物言わぬ過去の中を通り過ぎていくのです。
絵画って、やっぱりロマンチックでありドラマチック。
やっぱり絵を見る時間は、私にとってはとっても大事な時間なのだなと再認識することが出来たのでした。
なんとなく、ロンドン・ナショナル・ギャラリーってどこにあるのかしらと、遠い国に想いを馳せてしまいました。
だけど今は便利です。
Googleでなんちゃっての旅が出来るのですものね。
HPは→ここ
その中の作品紹介のお部屋は→ここです。