映画の原作小説で、これも映画の監督であり シナリオを書いた内田英治氏の作品です。
この映画の感想は→「ミッドナイトスワン」を見てきました。
その映画感想の中で、
>この映画は「テネット」張りに想像力が、実はいるなと思いました。あっちはさっぱり分からないだけで実は正解があり、こちらは難解には思えないが正解はないのです。
と書き込んだのですが、大きな過ちでした。
正解はありました。この本の中に。
この感想はネタバレなしで書いているので、おそらくあなた様の知りたい事は何も書かれていません。基本的には「お勧めできます。」と言う事が書かれています。
そしてその感想ですが、ちょっと本音を言ってしまえば、「これはないよな」と思ってしまいました。
この本のコピーは
「映画の前でも、後でも、ぜひ読んでください」で、読むと、この物語の映画では想像力を有して分かり辛かった部分の正解が良く分り、そして感動度もあがります。
だけど映画を見る人のほとんどは、本は読まない事が多いのです。見たいのは映画だから。
だから二回見た友人の一回目の感想が
>「なんとなく雑な描き方だと思った。でも決められた時間内で収めようとしたら、それは仕方がない事だと思う。でもところどころついていけなくて置いてけぼりを食ったような気がしたわ。」
と言うようなものになってしまったのだと思いました。
だけどそこは感想の記事にも書いたように、
>この映画は、あちらこちらに作者(監督)のツボに嵌る罠が仕掛けられていたなと思いました。そこに至る経過は微細に過ぎず、拘らないのかと思いました。
だから微細の部分で、見ている者が理解できずに置いてけぼりと言う感情を抱いても、「気にしなくても良いよ。」、別の言葉で言えば、「切り捨てても良いです。」となっていたのかも知れません。
いや、そうではないよと言うのなら、それはやっぱり理解できないものは置いてけぼり、またはそうさせてしまった者の・・・・ムニャムニャなんだと思います。
だけど原作と映画ではラストシーンが違います。
それを思うと、やはり微細には拘らなくて良いと言われているような気がするのです。
また映像の力と言うのでしょうか。友人のりんの飛び降りシーンは、格段に映画の方が良いです。
映画と小説では、違う表現技法を使ったのだと理解すればいいのかも知れません。
映画に凄く感動して、だけどイマイチ分からないシーンがいろいろあったなと思われていて、いまさら人には聞きづらいなと思われる方には、是非この本をお勧めでします。
映画と小説、どちらが良いと言うのではなく、草薙君の演技力の高さを思うと、これは映画と小説でひとつの作品になっているのだと思いました。
やっぱり、「それはないよな。ズルい!!」と思ってしまうのですが、本を読んで、いろいろと分かってみると、希望と絶望、愛と孤独がさらに伝わり感動が増したのでした。
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