森の中の一本の木

想いを過去に飛ばしながら、今を見つめて明日を探しています。とりあえず今日はスマイル
  

「天は赤い河のほとり」

2022-04-27 08:14:49 | 漫画・マンガ・まんが

※ 画像は、2019年6月12日撮影。「ボアズキョイ」でヒッタイト王国の首都であったハットゥサḪattušaの遺跡名。(「ハトゥシャシュ遺跡」)

                  ☆

この前、自分の記事を探してしまいました。時々そういう時があります。なんでも書いているなと自分では思っているのですが、それでもなにか時間に追われて抜けちゃうんですよね。

何の記事を探していたかと言うと、宝塚の「天は赤い河のほとり」を見た感想です。どうも書いていなかったみたいです。本当に「観たよ。」で良いから書いておこうよ自分、となりました。

トルコ旅行記「赤い川のほとりで」

の中で書いたことですが、ガイドさんの「クズルウルマク川」の説明で「あれは赤い川です。」でピーンと来た私。

あれはヒッタイト、もしくはトルコが舞台なのね。観たいなと思ったのです。

 

たぶん世界は私中心に回っているのだと思います( ̄▽ ̄)

 

観たいなと思って帰国したら、意外とすぐにwowowさんで、その宝塚の「天は赤い河のほとり」を放送してくれたんですよ。

もちろん観るでしょう。だけど2019年の事なので、すでに詳しくは書けないないんです、記憶喪失にて・・・(^_^;)

だけど宝塚は、本当に長い原作をまとめるのが本当に上手なんですよね。

悪役の皇妃の悲しみなども含めて良く描かれていたし、ヒロインを愛してしまった男たちの切なさも伝わって来て、その退場時には涙が出たりして、かなり面白いお話になっていました。

 

しかし原作の漫画は28巻もある長編なんですよね。如何に宝塚がそういう長編を上手くまとめるのが上手いと言っても、やっぱり原作も読んでみたいと思うじゃないですか。でも28巻もあるので、その機会はいつ来るかは分からないなと思っていました。

ところが最近私が、何気なく読んでいる漫画サイトでこの作品が数巻分無料で読めたのです。

じゃあその続きをとなるじゃないですか。

なぜなら漫画はお芝居よりもさらに面白いんですよ、これが。

 

少女漫画のあるあるですが、平凡な少女が何でか分からないけれど、やたらみんなにモテまくり・・・・

確かに最初はそんな感じ。

でもこの中学生だった普通の平凡な少女は、実は非凡なる軍神でもあったのです。

痩せたちっぽけな少女。だけど知恵もあります。勇気もあります。何よりも優しさが、その原動力。皆に好かれる理由に説得力がありました。

 

長いけれどあっと言う間に読めます。

いけにえにしようと、力を持っている皇妃に現代から過去のヒッタイトに引きづり込まれてしまうヒロイン。

これ、何かどうしても設定が、かの有名な作者が生きているうちに完結しないのではと言われている伝説の「王家の・・・・」に被るものがあるような気がしてしまうんです。そして、あっちの男こっちの男が、皆、彼女を欲しがるなんてところも。

見えない誰かを(ファンの方々など)を傷つける事になってしまうかもしれませんので、比較してはいけないなと思います。

ただこちらは完結していて嬉しいとは思います。

 

少女漫画なので恐ろしいシーンはありませんが、それは映画などでも映してないだけと言うシーンで、つまり描いてないだけで、恐ろしい内容のシーンが少々あります。かなり残酷だなと思うシーンも。

処刑の方法とか・・・・。

殺害された方法とか・・・。

証拠になる矢を体に突き刺したまま、砂漠を走りぬくヒロインも凄いなと感心します。

また出てくる男たちがカッコイイですよね。

ヒロインは、ユーリ。本名は鈴木夕梨。その夫になるカイルは後のムルシリ2世で実在の人物なんですよね。

だから弟のザナンザも実在の人で、彼の最後などは史実を組み入れた内容になっているのだと分かります。

エジプトのラムセス一世も魅力的で、カイルと闘う必要もないのに、わざわざどうしてもと命がけで戦ってしまう二人は、絵は綺麗だけれど、少年漫画の趣。

やはり実在のネフェルティティは悪女として描かれていますが、なぜそうなってしまったのかと言う背景が描かれていて憎み切れません。

ヒッタイトが最盛期を迎えていくまでの歴史大河フィクションでもありますが、基本的には、如何に平凡な中学生だったユーリと言う少女が一途な愛を貫いて、資格がない彼女がムルシリの正妃を勝ち取り、そして彼の唯一の妻となっていくというロマンスも含めての冒険活劇(言い方が古いw)です。

読み応えあります。

 

外伝のその後の話、子孫たちの話も面白いです。特にユーリの孫、ラムセスの孫がすべてのしがらみを捨てて東へ向かうシーンには、何かしみじみとするものがありました。いつか彼らの子供たちが、日本に辿り着くかもしれないからです。

ネタバレと言えばそうですが、彼女が帰ってしまっては28巻も続くわけはないので、そこは配慮無しでいかせてください。

親や姉妹、友人、ちょっといい感じになって来たボーイフレンドとも一気に引き離されて、古代ヒッタイトに一人ぽっち。

意外と切ない物語なんですよね。

 

最盛期を迎えたヒッタイトですが、ヒロインたちが去ったその後、大火によって滅び、そして今は風の都です。

私のトルコ旅行記はこちらです。→風の都「ハトゥシャシュ遺跡」

 

 

 

 

 

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