いだてん感想の難しい所。
例えば、織田信長が明智光秀を仕官させたシーンで、それが凄く素敵なシーンに描かれていたとするでしょう。そこで
「その後、彼に本能寺で裏切られちゃうなんて悲しいね。」と書き込んでも、ネタバレだと叱られることはないはず。
だけどラザロが出てきて四三と足袋の話で盛り上がり、それまで異国の選手たちの中で、ひとり外れていたような四三を一気に輪の中心まで持って行った良いシーンで、
「このラザロが、競技中に亡くなってしまうなんて悲しすぎて、彼の笑顔を見ていると、既に涙が出てくる。」と書き込んでしまったら、既成の事実でありながら、なんてネタバレを言うのだと叱られそうに感じる。
大森兵蔵と安仁子の物語もそうだ。彼の論文を本にした永井と可児に、日本に帰ったらお礼を言わなければなと治五郎が言った時に、やはり胸がいっぱいになった。大森が再び日本の土を踏む事はない。その事を知っていたからだ。だけどやっぱり、それを書き込めないような気持ちになってしまう。
そこが今までの「大河」とは違う、不思議であり難しい所だと思う。
四三にしても大森にしても、その功は大きくても、あまり世間的には有名ではない。知らない人だからと、思わず検索して調べて、そのさまざまなエピソードを先に知り、それでドラマを先取りしたり深読みしたりして楽しむタイプと、せっかく知らない人なのだから、先の展開をドラマと同時に並行して知り、そして驚きつつ悲しみつつと心を大きく震わせたいタイプに分かれているようにも感じるのだ。
私は前者。なのでブログに感想を書く時は、ムムムと口を閉じている。
因みに大森兵蔵と安仁子の物語は、朝ドラのなっていいほど、これはこれで面白い。あっ、これ、前にも言ったけな。
今回、心に残ったシーンは、やはり彼の日記とタイムラグのあった手紙。
敗北の翌日の日記には
「大敗後の朝を迎う。終生の遺憾のことで心うずく。余の一生の最も重大なる記念すべき日になりしに。しかれども失敗は成功の基にして、また他日その恥をすすぐの時あるべく、雨降って地固まるの日を待つのみ。人笑わば笑え。これ日本人の体力の不足を示し、技の未熟を示すものなり。この重圧を全うすることあたわざりしは、死してなお足らざれども、死は易く、生は難く、その恥をすすぐために、粉骨砕身してマラソンの技を磨き、もって皇国の威をあげん」 と記されていた。
なんと意識の高い人だろう。
「死は易く、生は難く、」
「負けたら切腹ですか。」と参加を拒否した頃の四三を思い出す。この人は、たくさん走り、たくさん考えてこの地に赴いたのだと、私は思い感動したのだった。
「四三はやります。必ずや、優勝旗を持って・・・・・」の手紙。
ちょっとどころではなく、かなり切なかった。
孝蔵の話も面白かった。結局彼もプレッシャーに負けて、完走できなかったのだ。だけど「頭が痛いから、今日はこの辺で。」と朝太(孝蔵)が言った時、客席から「え~」という声が。途中で終わるなんてと言う驚きよりも、その先も聞きたいのにの「え~」に聞こえた。
着物をプレゼントした清さんの気持ち良かった。
「また化けるかもしれないから。」と返そうとする孝蔵に
「入れたり出したりすればいいじゃないか。嘉納治五郎のように。」と言う清さん。彼は癒しキャラだな~。
ところで !!!
HPは読むべきだなと思った。
四三を介抱するペトレ家の人々は、本当のペトレ家の子孫だそうですよ、あなた。ビックラポンや。
なんかさあ、想像すると、凄いよねえ。感動するなぁ、私。
そして、ぐっと来たシーンは、選手たちがラザロの倒れた所で祈り、
「また四年後に会おう。」と誓って別れて行く所。
だけど四年後のベルリンオリンピックは1916年にあたり、その頃世界は・・・・・。(ノД`)・゜・。
って、そこを書いてもネタバレにはならないのではとは思うよね。
「明智光秀は結局すぐに倒されて、なんだかんだとあった後、秀吉の天下になった。」って言って、ネタバレするなとは言われないレベルの事だものね。
あっ、そう言えば、次回はお休みで次は14日なんだってね。
なんで ?
編集とか撮りなおしとか、いろいろかな~(^_^;)