「中央区を、子育て日本一の区へ」こども元気クリニック・病児保育室  小児科医 小坂和輝のblog

感染を制御しつつ、子ども達の学び・育ちの環境づくりをして行きましょう!病児保育も鋭意実施中。子ども達に健康への気づきを。

メモ:津波(浸水深約1.5~5.5m)が福島原発に与えた影響に関する東京電力報告書

2011-07-08 21:24:02 | 築地を守る、築地市場現在地再整備

 東京電力による津波が福島原発に与えた影響に関する報告書が、経済産業省原子力安全・保安院へ提出されたため、こちらでも見ておきます。

 なぜ、原発建設の際、土盛りをして津波に備えなかったのかと、悔やまれます。(参考記事 参照)

 あと、水密性や電源1系統2回線などがなんとかなっていれば…

 津波が来るまでの30分で、電源をなんとか復旧出来なかったのだろうか…

******参考記事*******

http://www.47news.jp/CN/201105/CN2011053001000169.html

東北電、90年に大津波の論文 福島原発に生かされず


 東北電力女川原発

 東日本大震災との関連が指摘される平安時代の869年に起きた貞観地震(じょうがんじしん)による津波について、女川原発(宮城県)の2号機増設の調査をしていた東北電力が1990年、津波が残した砂などの分析から、原発近くの仙台平野では海岸線から3キロ程度が浸水する大規模な津波だったとの調査結果をまとめていたことが30日、分かった。

 当時、論文をまとめた阿部壽・東北電元常務は「原発でこうした調査をした例は、当時は聞かなかった」としている。女川2号機の津波想定はこうした調査などから高さ9・1メートルとされた。

 東北電は、今回の地震で高さ14~15メートルの津波(小坂注、浸水深は約1.5~5.5m)が直撃した東京電力福島第1原発の近くの福島県内に浪江・小高原発を建設する計画を68年に発表。ここで津波の調査をすれば、福島第1原発などの危険性も判明した可能性があったが、地元の反対が強いことなどから実施していなかった。

 貞観津波は古文書に「(多賀)城が壊れた」「千人が溺死」「数千百里が海になった」などの記述がある。相当な誇張と考えられていたといい、専門家は「貞観津波に目を向けるきっかけとなる貴重な研究成果だった」としている。

 阿部元常務によると、直径3センチ程度のボーリングでは津波の痕跡を見つけることが難しいことから、面的な広がりのある「坪掘り坑」という手法を採用。地層の砂やその上下にある年代測定試料などの分析で、古文書の貞観津波の年代と矛盾しないかを調べた。

 その結果、仙台平野の浸水域は海岸から約3キロで、津波の高さは河川から離れた平野部で2・5~3メートル、海岸部ではさらに数メートル高くなったと推定。標高の低い平野は壊滅状態で、夜間という悪条件では千人が死亡しても矛盾はないとしている。

 

<script></script> 2011/05/30 09:32   【共同通信】

 ******参考記事、以上******

******東京電力資料の該当箇所 概要版より******

3.浸水による福島第一原子力発電所及び福島第二原子力発電所への影響の分析

(1) 福島第一原子力発電所

【建屋の浸水状況】

O.P.+10m の敷地にある主要建屋の周辺では、ほぼ全域が津波の遡上を受け浸水したと考えられますが、主要建屋の外壁や柱等の構造躯体に有意な損傷は確認されておりません。

浸水によって、主要建屋の地上の開口(建屋の出入口や機器搬入口(ハッチ)、給排気口(ルーバ))や、敷地の地下に埋設されたトレンチやダクトに接続する開口(ケーブルや配管の貫通口)の一部が建屋内への浸水経路になったと考えられ、1~4号機タービン建屋の東側(海側)を中心に、開口に取り付けられた扉やシャッター等の一部が津波により損傷していることを確認しました。建屋内では、通路や階段室等を介して地下の広い範囲が浸水したものと考えられます。主要建屋内への浸水経路になったと考えられる開口の位置を図 5 に示します。

 

【浸水による耐震安全上重要な設備への影響】 

耐震安全上重要な設備のうち、非常用電源盤、非常用ディーゼル発電設備(D/G)及び直流主母線盤について、調査可能な範囲で浸水の範囲及び影響を調査しました。概要を以下に示します(詳細は表 1 参照)。

非常用電源盤:6号機の電源盤を除き、1~5 号機の全ての盤で浸水。

非常用ディーゼル発電設備D/G :D/G(6B)を除き、D/G本体または関連機器の浸水により使用不可。 

直流主母線盤:1,2,4 号機の直流主母線盤が浸水。3,5,6 号機の電源盤には浸水なし。

 

 また、屋外ヤードエリア設置の非常用海水冷却系設備については、点検中で取り外していたポンプを除き、いずれも津波を受けた後も据付場所に自立しており、ポンプ本体が流 出したものはありませんでした。図 6 に、6 号機非常用海水冷却系設備の状況を示します。

 しかし、設備点検用クレーンの倒壊、漂流物の衝突等によるポンプならびに付属機器の損傷、および電動機軸受潤滑油への海水の混入も確認しました。

なお、D/G(6A)冷却系海水ポンプでは、津波により被水したものの、3月18日に冷却海水ポンプ電動機の健全性を確認し、翌3月19日に D/G(6A)の確認運転を行いました。

 

 

******東京電力ホームページより*****

http://www.tepco.co.jp/cc/press/11070802-j.html

 

当社福島第一原子力発電所、福島第二原子力発電所における津波の調査結果に係る報告書の経済産業省原子力安全・保安院への提出について

 

                             平成23年7月8日
                             東京電力株式会社

 平成23年3月11日午後2時46分頃に発生した東北地方太平洋沖地震により、当社
福島第一原子力発電所、福島第二原子力発電所に到達した津波の調査結果として、
それぞれの浸水高や浸水域等についてお示しするとともに、福島第一原子力発電所
への津波の影響は、福島第二原子力発電所のものに比べ、大きかったことについて
経済産業省原子力安全・保安院にご報告しております。
                     (平成23年4月9日お知らせ済み)

 また本報告に対し、同院より、福島第一原子力発電所および福島第二原子力発電
所における津波の詳細な分析および評価を求める旨の指示文書を受領しておりま
した。
                     (平成23年4月13日お知らせ済み)

 その後、当社は、この指示文書に基づき、福島第一原子力発電所および福島第二
原子力発電所に到達した津波について、敷地内外における津波調査、津波の特徴お
よび発電所への浸水による影響の分析等を実施いたしました。

 両発電所の検潮所設置位置における津波の高さは、津波の調査結果および数値シ
ミュレーション結果から、福島第一原子力発電所が約13m、福島第二原子力発電所
が約9mと推定いたしました。
 この差異の要因については、宮城県沖および福島県沖に想定されるすべり量の大
きい領域からの津波のピークの重なり度合いが異なることによる影響と考えており
ます。
 また、この津波による両発電所の原子炉建屋、タービン建屋等の主要建屋および
耐震安全上重要な設備への影響についてとりまとめました。

 これらの内容について、本日、同院へ報告いたしましたのでお知らせいたします。

                                  以 上

添付資料:
 福島第一原子力発電所及び福島第二原子力発電所における平成23年東北地方太平
 洋沖地震により発生した津波の調査結果に係る報告(その2)【概要版】
                              (PDF 1.60MB)

*指示文書
 「福島第一原子力発電所及び福島第二原子力発電所における平成23年東北地方
 太平洋沖地震により発生した津波の調査結果を踏まえた対応について(指示)」
                         平成23・04・11原院第1号
                             平成23年4月13日

 本年4月9日、貴社から、福島第一原子力発電所及び福島第二原子力発電所にお
いて平成23年東北地方太平洋沖地震(以下「今回の地震」という。)により発生し
た津波の調査結果に係る報告が提出されました。
 当該報告によると、両発電所内における津波痕跡調査から、福島第一原子力発電
所においては、原子炉建屋、タービン建屋等の主要建屋が設置されている区域のほ
ぼ全域が浸水高14メートルから15メートル程度、福島第二原子力発電所においては、
敷地の東側では浸水高6.5メートルから7メートル程度、同南側では浸水高14メー
トルから15メートル程度であったと推定されています。
 原子力安全・保安院(以下「当院」という。)としては、今回の津波に係る貴社
の上記調査結果を踏まえ、両発電所における津波の再現計算等により津波の詳細な
分析及び評価を行うことが必要と判断しました。
 このため、当院は、貴社に対して下記の事項について分析及び評価を行い、平成
23年7月8日までに報告することを求めます。
 なお、下記の事項を実施するために必要な調査・検討に際しては、放射線による
作業員への影響等について十分留意して実施される必要があります。

                 記

1.敷地内外の詳細な津波痕跡データ等の整理
  今回の地震による津波の特徴及び両発電所への影響の分析を行うため、津波痕
 跡データ等を可能な限り正確に記録及び整理すること。具体的な内容としては、
 以下のとおりとする。
 ・津波高さ及び浸水域の推定精度の向上
 ・敷地前面の海底変動
 ・敷地の地盤変動(地盤沈下)
 ・漂流物の状況(大きさ、重量、移動量等)
 ・建屋、土木構造物等の被害状況(水の侵入を含む。)

2.津波の特徴及び両発電所への影響の分析
  津波の再現計算を実施するとともに、その結果を踏まえ、今回の地震による津
 波の特徴及び両発電所への影響を分析すること。具体的な内容としては、以下の
 とおりとする。
 ・津波の到来方向並びに敷地内における浸水経路及び浸水過程に関する分析
 ・敷地を遡上した津波が施設に与えた影響(押し波及び引き波による影響並びに
  漂流物による影響等)の分析
 ・原子炉建屋、タービン建屋等の主要建屋へ水が侵入した場合の経路及び耐震安
  全上重要な設備への影響の分析

 

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原子力安全委員会の第13回放射線防護専門部会傍聴:原発事故を全体的に把握し助言

2011-07-08 17:31:29 | 防災・減災

 原子力安全委員会の第13回放射線防護専門部会が7月8日開催され(前回第12回は平成23年2月8日)を傍聴した。
http://www.nsc.go.jp/kaisai/senmon/senmon/110708-housha.htm

 

議 題 :
 
(1)

放射線防護にかかる国際会議報告について

  (2)

第58回原子放射線の影響に関する国連科学委員会(UNSCEAR)による福島事故報告書への対応について

  (3)

平成22年度原子力安全研究推進事業の報告について

  (4)

その他


 委員会でも意見が出ていたが、原発事故対応を全体的に把握する、その視点をもった機関が必要であり、その役割を「原子力安全委員会」は担っていると考える。

 どうあるべきかの考え方を原子力安全委員会から提示し、各省庁がそれにそって具体的な対応を行うことが理想である。

 例えば、
 ストレステストという考え方が、「原子力安全委員会」から出され、「経済産業省(原子力保安院)」が対応しようとしている。

 もうひとつ、
 食品の放射線量暫定基準が緊急時の高いままなのを見直すように「厚労省(食品安全委員会)」に助言(2度)をしているが、こちらはなかなか動きがないということで、苦言が出ていた。
 どうか、厚労省におかれては、食品の安全基準を、いつまでも暫定基準を使うのではなく、早急に安全な基準にもどしていただくようにお願いしたい

 専門部会で大きなテーマのひとつが、「原子力放射線の影響に関する国連科学委員会(UNSCEAR)」が、この度の原発事故に関する報告書を2013年にまとめるといい、その準備を進める必要があるということ。
 財団法人放射線影響研究所主席研究員児玉和紀氏を長とした「国内対応検討WG」を設置し検討を行っていくということであった。
 整理されるべき情報は、
 *放射性物質の放出元情報
 *放射性物質の環境中の拡散と沈着に関する情報
 *公衆の被ばくに関する情報
 *作業者の被ばく情報
 *環境への放射線影響
 など

 「経済協力開発機構/原子力機関放射線防護・公衆衛生委員会(OECD/NEA CRPPH)」が、日本へ直接的なサポート、すなわち「CRPPH」が持つ情報からアドバイスを行うなり、専門家を日本に送ることを申し出ているということであった。
 それに対し、原子力安全委員会での部会主担当であられる久住静代委員は、除染に対してアドバイスがいただければという主旨のご発言をされていた。


 傍聴をして得た情報より。

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2011-07-08 13:37:51

2011-07-08 13:37:51 | 築地を守る、築地市場現在地再整備
放射線防護専門部会へ傍聴に
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7/9お子様連れ大歓迎の小勉強会『放射線被ばくから子ども達を守るために、今、なすべきこと』5回目開催

2011-07-08 12:33:42 | 防災・減災

 何度か開催をして参りましたが、7/9土曜日午後1時から第5回目小勉強会を企画いたしましたので、お知らせいたします。

 「参加者からの情報提供」の時間も持っております。
 参加者皆様のお子様が通われている学校保育園の状況や、ご自身やグループで測定されているかたがいらっしゃればそのご報告、会社企業などでの取り組みの紹介など、ぜひとも有益な情報を共有させていただければと思います。インターネットの有益なサイトのご紹介もありがたいです。
 情報提供してくださるかたがいらっしゃれば、合わせてご連絡をお待ちいたしております。(あて先:kazuki.kosaka@e-kosaka.jp

*****以下、第5回目のお知らせ*****

 放射線被ばくに関連して、このブログでも多くのコメントをいただいています。
 様々な情報、ご意見に深く感謝申し上げます。

 情報発信の必要性、それら情報をもとに、では、どうすべきか考える場の必要性を小児科医師として強く感じています。

 このたび、「放射線被ばくから子ども達を守るために、今、なすべきこと」をテーマに、勉強会を開催いたします。

 会では、まずは、私のほうから、放射線医学に関する基本的なところの情報提供をさせていただきます。

 その後、ご参加されている皆様と、では、何をするべきかを、一緒に考えたいと思います。

 毎回、基本的知識の部分では重複もありますが、以前開催した中で皆様が関心を寄せられた部分の充実や新しい動きの追加を行い内容を新しく更新をさせていきます。
 新しいかたのご参加で、その後の会場トークの内容もいろいろな視点が出されることと思います。
 前回参加された方でも、ぜひ、ご参加ください。

 皆様のご参加をお待ちいたしております。
 貴重な声をお届けください。

 なお、皆様が今後企画されるこのような勉強会へ出前もいたしますので、お気軽にお声掛けください。


                記

  いっしょに学びましょう! いっしょに考えましょう!

      お子様連れ大歓迎の小勉強会(第五回目) 

 『放射線被ばくから子ども達を守るために、今、なすべきこと』

日時:平成23年7月9日(土) 午後1時~3時   

場所:みんなの子育て広場 あすなろの木
   (こども元気クリニック隣り)
   中央区月島3-30-4 飯島ビル1F
   電話:03-5547-1191
   大江戸線勝どき駅A1出口徒歩2分
   有楽町線月島駅   徒歩6分

参加費:無料、(ただし、資料コピー代は実費100円)

内容:
一、放射線医学のイロハ 講師:小坂和輝(小児科医師、医学博士) 60分

  放射線被ばくに関する情報を、そのイロハから、わかりやすくお伝えします。

一、ご質問の時間  15分

一、参加者からの情報提供

一、会場トーク   30分~白熱すれば60分程度
 
  皆様が日ごろ不安に思っていらしゃることや、ご意見ご提案などいろいろ出し合って、
  意見交換しましょう。

参加申し込み:
資料の準備の都合上、メール(あて先:kazuki.kosaka@e-kosaka.jp)でご一報いただけますと助かります。

会場は、子どもの遊び場と一体型になっています。お子様連れ大歓迎!

主催:みんなの子育て広場 あすなろの木

以上、

**************

*上記、小勉強会は、何度でもやりますので、無理に日程をあわされなくとも大丈夫です。(土曜日や、夜の開催も考えています。)

*万が一、メール申し込みなさっていなくとも、また、時間に間に合わなくて途中からでも、参加可能です。

*疑問にお思いの点やご提案は、前もって紙に書いて持参し、当日ご提出いただけますと幸いです。

***************

コメント (1)
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