「中央区を、子育て日本一の区へ」こども元気クリニック・病児保育室  小児科医 小坂和輝のblog

感染を制御しつつ、子ども達の学び・育ちの環境づくりをして行きましょう!病児保育も鋭意実施中。子ども達に健康への気づきを。

福島原発事故を踏まえた既設の発電用原子炉施設の安全性に関する総合的評価の実施について

2011-07-06 23:28:11 | 防災・減災

 原子力安全委員会が、7月6日第50回委員会の際、既設の原発の安全性に関する総合的評価を実施することを経済産業大臣に求めたので、その内容をこちらでも見ておきます。

 最悪の条件において、多重防護がなされているかをチェックしようとしています。

 大事なことは、経済産業省の原子力保安院による安全確認だけで、既設の原子力発電を継続するのではなく、内閣府の原子力安全委員会という第三者的な別組織が関与するという点です。
 

 なお、ニュースでは、例えば、以下。

*****日経新聞(2011/07/07)****
http://www.nikkei.com/news/latest/article/g=96958A9C93819691E2E4E2E2E48DE2E4E2E5E0E2E3E39C9CEAE2E2E2

安全委、原発ストレステストの計画作成要請 保安院に
2011/7/7 0:58

 原子力安全委員会は6日、原発のストレステスト(耐性調査)に関する実施計画などを1週間以内に作成するよう、経済産業省原子力安全・保安院に求めた。班目春樹委員長は記者会見で「原発事故は想定を上回る事象が起きても多重防護で防ぐのが基本だ。各発電所の頑健性を調べてもらいたい」と述べた。

 細野豪志原発事故担当相はストレステストの実施と原発再稼働は「何らかの関連はある」と指摘し、テスト終了まで再稼働は難しいとの見方を示した。

**************************

  ひきつづいての、政府の動き

*******読売新聞(2011/07/07)******
http://www.yomiuri.co.jp/politics/news/20110707-OYT1T00212.htm?from=tw

原発再開巡り閣内亀裂…首相の経産省不信が背景

菅首相は6日、原子力発電所の再稼働に向けた新たなルールを策定する考えを打ち出した。

 海江田経済産業相の働きかけによってすでに再稼働受け入れを表明した自治体もある中で、唐突に再稼働の判断を先送りする姿勢に転じたものといえる。エネルギー政策の根幹にかかわる重要な決断が一貫性なく示されたことに、政府内のみならず、全国に戸惑いが広がった。

 「大震災が起きた後なのに、経産省の原子力安全・保安院が『安全だ』と言うからって、そのまま再開というのは通らないだろう

 首相は5日、首相官邸に海江田経産相、細野原発相を呼び、九州電力玄海原子力発電所など原発の再稼働問題への対応を協議した。首相はこの中で、全原発を対象に、津波や地震への耐震性の限界を調べる「ストレステスト(耐性検査)」を導入するよう指示した

 首相のこの発言や、唐突にも見える6日の「新ルール作成」指示の背景には、東京電力福島第一原発事故以来の「経産省不信」があると指摘されている。

 首相がこだわったのは、ストレステストに内閣府の原子力安全委員会を関与させることだ。経産省だけの判断で再稼働を決められないようにするためとされる

 実際、首相のブレーンらの間では、海江田氏が原発再稼働を要請したことについて、「時期尚早だ」との声が漏れていた。首相周辺の一人は最近、首相に「海江田さんが『原発が安全だ』と言っても、誰もそう受け止めませんよ」と助言した。

 首相と海江田氏の立場の違いは、閣内不一致として表面化した。

2011年7月7日09時21分  読売新聞)

***********************


****原子力安全委員会ホームページより*****
http://www.nsc.go.jp/anzen/shidai/genan2011/genan050/siryo1.pdf



経済産業大臣 海江田 万里 殿

原子力安全委員会 斑目春樹

東京電力株式会社福島第一原子力発電所における事故を踏まえた既設 の発電用原子炉施設の安全性に関する総合的評価に関する報告について

原子力委員会及び原子力安全委員会設置法第25条の規定に基づき、別添のとおり 報告を求めるので、適切な対応をお取り計らい願いたい。


原子力委員会及び原子力安全委員会設置法第二十五条  原子力委員会又は原子力安全委員会は、その所掌事務を行うため必要があると認めるときは、関係行政機関の長に対し、報告を求めることができるほか、資料の提出、意見の開陳、説明その他必要な協力を求めることができる


(別添)
東京電力株式会社福島第一原子力発電所における事故を踏まえた既設の 発電用原子炉施設の安全性に関する総合的評価の実施について

平成 23 年 7 月 6 日 原子力安全委員会

 本年3月 11 日に発生した東京電力株式会社福島第一原子力発電所における事故を踏まえ、原子力安全委員会は、既設の発電用原子炉施設について、設計上の想定を超える外部事象に対する頑健性に関して、原子力安全・保安院において総合的に評価することが重要であると考える。
 発電用原子炉施設の設計や事故時運転手順、アクシデントマネージメント策 は多重防護(defense in depth)の考え方に基づいており、設計上の想定を超える事象に対しても頑健性(ロバストネス)を有することが期待されている。 しかしながら、設計上の想定を大きく上回る津波のように、ある大きさ以上の負荷が加わったときには、共通的な要因によって安全機能の広範な喪失が一時に生じるような、いわゆるクリフ・エッジ効果を生じることがあり、東京電力 福島第一原子力発電所における事故は、このような効果が原因のひとつとなって進展したものと考えられている。いわゆるクリフ・エッジ効果に代表される潜在的な脆弱性を見いだし、それに対処するためには、設計上の想定を超える事象に対する発電用原子炉施設の頑健性を総合的に評価することが不可欠である。
 これまで原子力安全・保安院においては、今回の事故を踏まえ、各電気事業者に対して、数次にわたり種々の緊急安全対策やシビアアクシデントへの対応措置の実施を指示し、それらの実施状況についても確認を行ってきたとしている。これらの措置は、それぞれ発電用原子炉施設の安全性の向上に資するものと認められるが、今回の事故の教訓を踏まえれば、種々の対策や措置が全体として、どのように発電用原子炉施設の頑健性を高め、脆弱性の克服に寄与して いるかを総合的に評価することが必要である。この評価に当たって対象に含めるべき事項の例としては、

1地震及び津波といった自然現象(これらの重畳を含む。設計段階での想定事象に限らず、最新の知見に照らして最も苛酷と考えられる条件やさらにそれを上回る事象をも考慮すること。)、

2全交流電源喪失及び最終的な熱の逃し場(ヒートシンク)の全喪失といったプラント状態(これらの重畳を含む。これらのものを起因事象として考えるのみではなく、その状態に至るまでのシナリオをも示すこととし、さらに、サイト内の複数号機間の相互作用の可能性についても考慮すること。)

及び

3シビアアクシデント対策 (シビアアクシデントへ至らないようにするための防止策、シビアアクシデントに至った場合の影響緩和策及びそれらの対策のための原子力発電所内の防災施設・設備の整備状況を含む。)を挙げることができる。

以上を踏まえ、原子力安全委員会として、原子力安全・保安院において、既設の発電用原子炉施設について、設計上の想定を超える外部事象に対する頑健性に関して、総合的に評価することを要請するものである。

 さらに、これに関連して、原子力委員会及び原子力安全委員会設置法第 25条 に基づき、原子力安全・保安院に対し、このための総合的な評価手法及び実施計画を作成し、原子力安全委員会に報告することを求める。なお、この際、評価の視点としては、次に掲げるものとすることが適当である。

(1)多重防護の考え方に従い、各防護対策との関係を明示すること

(2)各防護対策が次々に失敗する(機能しない)と仮定して、最終的にシビアアクシデントに至るまでのシナリオを描き、それぞれの多重防護の層での各防護対策の有効性ならびに限界を示すこと(必ずしも定量的でなくと もよいが、各防護対策が機能しなくなるまでの過程・余裕の大きさについ て評価すること)

(3)評価には決定論的な手法を用いること

(4)運転状態としては最も厳しい状態を仮定すること

(5)これまでの内的事象 PSA、地震・津波 PSA 等の知見を活用すること

以上、

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玄海原発再開容認のやらせメールを指示しておきながら、再稼働容認や賛成は、589件中の4通。

2011-07-06 22:55:14 | 地球環境問題
 やらせとは、なんとも、悲しい話である。

 ただ、記事で、ひとつの真実がある。

 子会社4社(社員計2300人)にやらせを指示しておきながら、届いた意見がメール473件、ファックス116件、合計589件の中で、再稼働容認や賛成の意見は、わずか4通の0.68%。
 やらせを指示しながらのこの数字であると言うこと。

 必死で再稼働をしたいと心から思っているひとがほとんどいないということが、ここに現れているのではないだろうか。

 以下、東京新聞第一面掲載の依頼メール要旨。


<九州電力の依頼メール要旨>
【ご依頼】国主催の佐賀県民向け説明会へのネット参加について
 協力会社本店各位
 平素よりお世話になっております。メール投げ込みにて失礼をいたします。
 本件については、われわれのみならず協力会社におかれましても、極めて重大な関心事であることから、万難を排してその対応に当たることが重要と考えております。
 つきましは、各位関係者に対して、説明会開催についてご周知いただくとともに、可能な範囲で、当日ネット参加への協力(*)を依頼いただきますようお願い致します。
(*)説明会の進行に応じて、発電再開容認の一国民の立場から、真摯にかつ県民の共感を得るような意見や質問を発信。
   会社のパソコンでは処理能力が低いこと等から、是非、ご自宅等のパソコンからアクセスを御願いいたします。




*****毎日新聞(2011/07/06)******
九電:「原発賛成」やらせメール 関連会社に依頼

 九州電力玄海原発(佐賀県玄海町)2、3号機運転再開問題を巡り、経済産業省が先月26日に放送した県民向けの説明番組について、九電の眞部利應(まなべとしお)社長は6日夜に緊急会見し、九電側が子会社に原発の再稼働に賛成する内容の電子メールを番組あてに送るよう依頼していたことを認めた。「やらせメール」の送付が同日あった衆院予算委員会で取り上げられ、国が調査を同社に指示した。眞部社長は「説明会の信頼を損なう結果になり、心からおわび申し上げたい」と謝罪した。

 眞部社長によると、番組放送4日前の6月22日、九電原子力発電本部の課長級社員から子会社4社にメールで「説明会の進行を見ながら自宅から、再開容認の立場で意見を発信してほしい」と依頼した。理由は「原子力の安全性、必要性に理解を広めてもらいたかった」と述べた。子会社側から何通のメールが番組に届き、紹介されたかなどは把握していないという。子会社の社員は計2300人

 眞部社長は玄海原発再稼働に「当然影響はある」と認めた。責任問題については「誰がやったとしても最終責任は社長にある」としながら、自身の進退は「控えさせてください」と明言を避けた。

 衆院予算委員会では笠井亮議員(共産)が入手した内部文書を基に、九電からの具体的な指示内容を指摘した。海江田万里経産相は「人選も公平にやるように言った」としたうえで「九電が(やらせの指示を)やっているならけしからん」と答弁。事実の場合は、断固とした処置をとる考えを明らかにした。

 番組には経産省の依頼を受けた広告代理店が選んだ佐賀県民7人が出演。原子力安全・保安院職員らによる説明と質疑があった。県内のケーブルテレビとインターネットを通じて生放送され、ネットでは延べ5000人近くが視聴した。番組中にメールが473件、ファクスが116件寄せられ、このうち11通が読み上げられた。再稼働容認や賛成の意見は4通含まれていた

 やらせメールについては4日、鹿児島県議会原子力安全対策等特別委員会で共産党県議が追及したのに対し、九電の中村明・上席執行役員(原子力発電本部副本部長)は「番組があると社内や関係会社に連絡はしたが、どうこうしろと言った事実はございません」と否定していた。【斎藤良太】

毎日新聞 2011年7月6日 20時59分(最終更新 7月6日 21時35分)
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放射線被ばくに対する中央区教育委員会の考え方(7/6教育委員会定例会にて)

2011-07-06 16:39:05 | 防災・減災
 *積極的に大気や土壌の放射線量の測定

 *区として独自の食材、牛乳の放射線量測定

 *学校保健会の場なども用いながら、保護者や子ども達に、放射線被ばくに関する情報や知識の提供

 *給食や牛乳に対して不安をもつ場合の弁当持参、水筒持参について

 *柏学園、館山臨海学校に対して不安をもち不参加の場合の対応について

 など、早急に議論を深めていく必要があると私は、考えます。


 7/6教育委員会定例会を傍聴。
 (7月定例会の議事録は、8/10に中央区のホームページで掲載されますのでご確認をください。)

 ちょうど、放射線被ばくに関する事も、話し合いのテーマとしてあげられていましたので、その部分をお伝えいたします。
 区の説明は、下で示す区のホームページで書かれている内容とほぼ同じ。

  
*****放射線被ばく関連 7/6の教育委員会定例会*****

 現在、中央区は、6月の第二回定例会で補正予算を組み、測定器3台購入計画(まだ入手できていない)と1台都から借りている。
 土壌も測定する予定。


Ⅰ中央区内プールの事業は実施する
  根拠1 清掃を行い、水を入れ替えている
    2 水道水から放射性物質の汚染が不検出
    3 降下物の放射線も不検出

Ⅱ給食 食材を安全と認識し、給食を行う
  根拠1出荷停止の食材は使わない
    2毎日、食材の出荷先を確認
    3産地を確認
    4出荷停止を受けた食材は、過去にさかのぼって停止前のものも用いない
    5産地をホームページで載せいている

Ⅲ柏のセカンドスクール 継続、秋には芋ほりや、夏の部活の合宿もある
  根拠1近くにある柏市立第5小学校 6/3の柏市による測定値
       50cm 0.32μSv/時 1m  0.27μSv/時
     3日の活動で12μSv被ばく この量が許容できる量
    2区が柏を独自に測定 0.14μSv

Ⅳ館山 臨海学校も実施
   根拠1 海水から不検出
     2 砂浜も測定し確認する


委員からの質問。
 
*柏を、どれだけの頻度で放射線量を計測するか?
区回答:3台購入のものが入ったら、予定が立つ

*柏では、どのレベルを危険と判断するか
区回答:平常時1mSv国際放射線防御委員会の基準を適応
    柏の現地の小学校、中学校が行われているなら、安全と考える


******関連する中央区ホームページ*****
http://www.city.chuo.lg.jp/kurasi/gakkokyouiku/kyusyoku_gakkougyouji/index.html

放射能に対する給食・学校行事等の考え方について

教育委員会では、今までホームページや保護者へのお知らせなどにより、学校給食やプールでの水泳授業等についてお知らせしてきましたが、この度、改めてホームページに掲載することといたしました。
(平成23年6月17日掲載)



1 学校給食について
 この度の東北地方太平洋沖地震による福島第一原子力発電所の事故の影響で、一部の食材について出荷制限等の措置が行われているところです。これを受け、給食では出荷制限等の対象となっている食材は一切使用しないとともに、食材の確保が困難な場合は、栄養価に配慮しながら献立を変更し対応しています。
 また、次のとおり対応することにより、安全な給食の提供に努めています。

1 出荷停止措置がとられた地域の出荷停止食材は使用していません。
2 毎日、出荷停止措置等がとられた食材・地域を確認しています。
3 食材については、発注時、納入時に産地を確認しています。
4 出荷停止措置がとられる前に出荷され、納品された食材についても使用を中止します。また、出荷停止措置がとられていない食材についても、基準値を超えた旨報道された場合には使用を中止します。その場合、献立の変更、除去食となりますので、ご理解をお願いします。

 今後とも、厚生労働省などから、いち早い情報の取得に努め、新たに出荷制限、摂取制限の対象となった食材についても迅速に対応し、安全な食材の使用に努めてまいります。



食材の産地情報の提供について
 教育委員会では、給食で使用している食材の産地を、学校給食の物資配送所や各学校に食材が納入される際に確認しております。
 小学校の給食で使用している食材の産地情報については、下記のPDFファイルのとおりです。毎週金曜日の夕方に更新します。
(平成23年7月1日更新)


食材の産地情報(4月分) PDF・103KB

食材の産地情報(5月分) PDF・86KB

食材の産地情報(6月分) PDF・115KB

食材の産地情報(7月分) PDF・93KB


(中学校の食材の産地情報については、各学校のホームページをご覧ください。)



 各都道府県では、野菜類・原乳などのモニタリング調査を実施し、各都道府県のホームページで公開してしています。
 現在、各産地の自治体が実施している放射性物質の検査状況では、3月、4月と比べ大きな改善が見られ、5月にはほとんど検出されなくなった産地もあります。各都道府県のホームページをご覧ください。

主な都道府県ホームページ
 茨城県  栃木県  群馬県


 埼玉県  千葉県  福島県



2 学校プールでの水泳授業について
 毎年、6月から水泳授業や夏季水泳教室などを実施しておりますが、この度の東北地方太平洋沖地震に伴う福島第一原子力発電所事故の影響を懸念される方もおられるものと存じます。
 教育委員会といたしましては、次の理由から、現在のところ学校プールでの水泳授業を例年どおり実施しても問題はないものと考えております。

1 実施に先立ち、各校6月2日以降順次、清掃業者への委託によりプール清掃を実施のうえ、新たなプール水を注水していること。
2 東京都水道局が公表している放射能測定結果では、4月5日以降各浄水場とも不検出であることから、水道水を用いているプール水についても安全であること。
3 東京都健康安全研究センターが公表している都内の降下物(塵や雨)の放射能の調査結果では、5月15日以降不検出の状態が続いていること。

 なお、今後とも、公的機関のデータを常に把握し、都内の降下物の放射能が増加するなど、新たな事態が生じた場合には、中止も含め適切に対応してまいりますので、ご理解のほどお願い申し上げます。

(参考)ホームページアドレス
 東京都水道局:http://www.waterworks.metro.tokyo.jp/
 東京都健康安全研究センター:http://www.tokyo-eiken.go.jp/




3 中央区立柏学園におけるセカンドスクール等について
 毎年、中央区立柏学園でセカンドスクールや遠足を実施しております。
 その柏学園の所在地である千葉県柏市内の放射線量につきましては、東京大学柏キャンパスのほか、千葉県や柏市が測定し、数値を公表しているところです。
 これらの測定地点の内、中央区立柏学園に最も近い地点は約600m程離れた柏市立柏第五小学校ですが、測定値は地上50cmで0.32マイクロシーベルト/時、地上1mで0.27マイクロシーベルト/時(測定日6月6日)です。
 この空間放射線量は、東京都健康安全研究センター(新宿区)の計測数値約0.06マイクロシーベルト/時と比べ高い数値が出ていますが、柏市では児童・生徒は通常の授業を行なっています。
 また、セカンドスクール(3日間)に参加することによって増える積算放射線量を試算すると約12マイクロシーベルト程度です。(別添)
 一方、東京都健康安全研究センターでは、都内(新宿)の空間放射線量(H23.6.16現在)を積算して、国際放射線防護委員会の勧告にある一般の人が受ける放射線量の値と比較した試算をしています。それによると、都内では年間推定積算線量が年間151マイクロシーベルトとなりますが、年間に約0.2ミリシーベルトであり全く心配ないとしています。年間151マイクロシーベルトに、セカンドスクールの12マイクロシーベルトを加えても、0.2ミリシーベルト/年以内です。
 これらのことから、セカンドスクールを中止する状況にはないと考えていますが、ご心配される保護者の方もいらっしゃると思いますので、その場合は各学校にご相談いただきますようお願いいたします。

(参考)
 東京都健康安全研究センター:http://www.tokyo-eiken.go.jp/
 柏市ホームページ:http://www.city.kashiwa.lg.jp/
 東京大学環境放射線情報:http://www2.u-tokyo.ac.jp/erc/index.html



(別添) 放射線量の積算
 1日に8時間屋外活動を行うという条件で、東京都健康安全研究センターの試算を参考にしました。
 1 空間放射線量の測定結果
   柏第五小学校  0.32μSv/時(柏市)
   東京都  0.06μSv/時(東京都健康安全研究センター)
 2 セカンドスクール3日間の積算放射線量
   0.32μSv/時×(8/24+16/24×0.4)×24時間×3日間=13.82μSv
  ここから中央区に居た時の積算放射線量を引いたものが、セカンドスクールに参加した場合に増える積算放射線量です。
 3 中央区での3日間の積算放射線量
   0.06μSv/時×(8/24+16/24×0.4)×24時間×3日間=2.59μSv
 4 セカンドスクールに参加して増える積算放射線量
   13.82μSv-2.59μSv=11.23μSv



4 夏季臨海学校について
 夏季臨海学校については教育課程外の行事として、各小学校が5年生及び特別支援学級4年~6年生の参加希望者を対象に千葉県館山市内の民間施設を利用し、毎年実施しています。
 本年度については、この度の東北地方太平洋沖地震に伴う福島第一原子力発電所事故の影響により海水の汚染、地震・津波発生時の対応や夏季の計画停電について懸念されている方もいらっしゃると思います。教育委員会では海水の汚染、地震・津波発生時の緊急避難場所、各宿舎における停電時対応等について、学校とともに4月26日に館山市で実地踏査を行い、慎重に検討した結果、夏季臨海学校を実施できるものと判断いたしました。
 各小学校において今後、保護者説明会を実施し、これらの事項等について説明を行って参ります。保護者の皆様方におかれましては、保護者説明会にご参加いただき、ご理解の上でご参加くださるよう、お願い申し上げます。
 なお、夏季臨海学校実施までに新たな事態が生じた場合には、再度、実施について検討して参ります。


【問合せ先】
学務課保健給食係
電話 03-3546-5516


以上
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教育委員会の傍聴について

2011-07-06 13:20:15 | 築地を守る、築地市場現在地再整備
 本日、教育委員会が開催されます。

****以下、中央区ホームページより(2011/07/06)****

http://www.city.chuo.lg.jp/kyouikuiinkai/iinkaiyori/iinkainosikumi/seidotososiki/index.html

教育委員会の傍聴について

 傍聴を希望される方は、委員会の開始20分前までに教育委員会事務局庶務課窓口までおいでください。傍聴券をお渡しします。
 ただし、会場の都合や、酒気をおびているなど傍聴するのに不適当と認められる場合には、傍聴をお断りする場合があります。
 また、議案等の内容が個人情報に関するなど、会議を公開することが不適当と委員会が判断した場合には、非公開とすることがありますのでご了承ください。

【問合せ先】
教育委員会事務局庶務課庶務係
電話 03-3546-5503
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原発事故直後 「文科省 浪江町の高線量把握」 しかし、住民避難に生かされなかった??

2011-07-06 10:54:38 | 防災・減災
 緊急時迅速放射能影響予測ネットワークシステム(SPEEDI)という予測が生かされなかったというのは、それはそれで大きな問題であると思っていました。

 今回は、予測ではなく、「高線量である」という事実。
 3/17の段階で、150μSv/時以上(158~170)の高線量被ばくの事実を知りながら、それが住民避難に生かされなかったというのは、信じられないことです。

 原子力安全委員会等に報告し、即座に避難区域設定に反映されなかったのであろうか?なぜ?


*****東京新聞(2011/07/06)*****
http://www.tokyo-np.co.jp/s/article/2011070690065906.html

原発事故直後 文科省 浪江町の高線量把握
2011年7月6日 06時59分

 文部科学省が福島第一原発事故直後の三月十七日以降、現在は計画的避難区域に指定されている福島県浪江町山間部の赤宇木(あこうぎ)地区で放射線モニタリング調査を実施し、当初は毎時一五〇マイクロシーベルト以上の高線量であることを把握しながら、一カ月間も具体的な地名を公表していなかったことが分かった。政府の隠ぺい体質が多くの被ばく者を生んだ可能性がある。

 同省は、所管する緊急時迅速放射能影響予測ネットワークシステム(SPEEDI)で、原発から北西の赤宇木や飯舘村方面に放射性物質が流れている事実を察知。これらの情報に基づき、赤宇木地区の調査を開始した。

 三月十七日の放射線量は毎時一五八~一七〇マイクロシーベルト。だが、文科省ホームページで公表された資料では、赤宇木の地名は明らかにされず、「【32】(約三十キロ北西)」とだけ記された。

 文科省が、地名を明らかにしたのは、約一カ月後の四月十一日分から測定データは、経済産業省原子力安全・保安院などに送られたが、一帯が計画的避難区域に設定されるまでは、ほとんど住民の避難に活用されなかった。

 赤宇木の今月四日午前の測定値は毎時一七~三六マイクロシーベルト。二十キロ圏外の測定ポイントの中で最も高い値を示している。

 文科省の担当者は「現地の住所表示が粗いので、測定ポイントを記した地図を公表した。地名を明らかにしたのは住民の問い合わせが多くなったからだ」と話している。

(東京新聞)

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第49回原子力安全委記者会見 貞観地震の教訓生かせず、水密性なし、電源1系統2回線

2011-07-06 09:49:45 | 防災・減災
 7/4の第49回原子力安全委員会記者会見を見ておきます。

*緊急時避難準備区域の解除を行う基準を原子力安全委員会としても助言したいが、その依頼が来ていない。

*緊急時避難準備区域の解除の要件は、炉の安定とモニタリング

*玄海発電所再開の総合的な安全基準の報告を原子力安全委員会は受けていない。

*玄海発電所再開の総合的な安全基準は、多重の安全を守る仕組みを説明されることを求める。

 質問の中で、今回の福島原発の脆弱なところが明らかにされています。

*貞観地震による痕跡があったにも関わらず、津波への備えをしていなかった。

*津波が来た場合の水密性を確保できていなかった。

*電源が、1系統2回線であった。

 上記、3つに関連した備えは、普通されていてしかるべきであったと思います。されていれば、このような事故は防げたかもしれません。
 すなわち、盛り土をあと10m高くしておけば、波がはいってこないように水密性を確保しておけば、電源が2系統4回線にしておけば、事故は防げたのではと思ってしまいます。
 


****原子力安全委員会ホームページより*****
http://www.nsc.go.jp/info/20110704.pdf

第49回原子力安全委員会記者ブリーフィング
日時:平成23年7月4日(月)14:29~15:00
場所:合同庁舎4号館6階643号室
参加者:班目委員長、久木田委員長代理、代谷委員、加藤審議官、水間課長

○NHK山崎記者 NHKの山崎です。ちょっと3つ教えてください。
 ひとつは、先日来、細野大臣が緊急時の避難のエリアの見直しというか、そこに戻ってもらえるように、ということでの、例えば、水素爆発を防止できる体制が整ったりとか、幾つかプラントがこういう状況になれば、あそこのエリアの見直し、より緩やかにしていいんじゃないか、というご発言がちょっと幾つか出ていて、最終的には、ある程度こういう状況にならないといけないというものが、ちゃんと、示されないといけない、という時期が来ると思うんですが、現時点で、安全委員会と大臣側とその辺の、こういったような要件であれば、基準を、もう一度、緩やかにしてもいいじゃないかという議論が始まっているのかというところと、班目先生としては、どういうような基準を、要件として示せば、そこを緩和してもいいんだろうか、というふうに思っていらっしゃるのか、ちょっと、現状と安全委員会のお考えというのを、ひとつお聞かせいただきたい。
 2つ目は、先ほど、これも、先来から玄海原発の方が、運転再開の問題でいろいろやりとりが行われて、今日、地元としては容認という形で、既にニュースになっておるようなんですけれども、安全委員会として、こういった地元からは、心配の声が依然根強くある。情報公開も含めてですけれども,そこに関してのご見解、もしくは、今後、何か、追加的に地元にしてあげないといけないということが、もしあるのであれば、そういったところも、少し具体的にお考えをいただきたい。
 最後に、今日、最後に出されていました、これまで行われた安全委員会の規制調査、これについては、もう少し、見直しをしていかないといけないというお考え、全くそのとおりだと思うんですけれども、もう少し、具体的に、これまでの過去のものはこういうところが少し手が届いていなくて、福島の事故を受けて、もう少し、こういうところを改善していかないといけないというところで、先生の中に具体的なイメージがあれば、もう少し、教えてもらえれば。以上、3点教えてください。

○班目原子力安全委員長 それでは、まず1点目の、緊急時避難準備区域の解除の問題からいきますと、これについて、今現在、正式な形で細野大臣とか、あるいは、原災本部等との話合いをしているわけではないというか、正式な、例えば、助言要請等を受けているわけではないというのが、第1点ですね。
 ただ、原子力安全委員会としては、当然、これは解除をするに当たっては、法的な位置づけからいっても、助言を求められることに確実になるだろうというふうに考えていて、原子力安全委員会は原子力安全委員会として、いろいろと、中では検討をしているところです。
 これは、確実に、緊急時の避難の準備のため、準備しておいてくださいよというところを解除するわけですから、炉の方の安定というのが、第一条件になるのは明らかですが、ある意味では、もうひとつ、普通に生活してくださいと言う以上は、いろいろな意味で、例えば、土壌の汚染状況が本当にどうなっているのかとか、そういうようなことについても、それなりの一定の配慮はしていただきたい、と思っているというところです。助言要請があったときには、そういうことを含めて返すことになるだろうと思っています。
 それから、第2点目が玄海発電所の再開問題ですけれども、これについては、法的には、原子力安全委員会というところは、こういう運転管理段階に入った発電所の規制ということに関しては、直接的な関わり合いはない、というのが公式的な立場ということになります。したがって、今現在、特に、何か意見を求められているわけではないんですが、いろいろな形で原子力安全・保安院に対しては、それなりに意見は申し述べているつもりです。
 第1に、原子力安全・保安院の方で、緊急安全対策というのを求めて、これは、短期的なものは、既に実施済みであり、中長期的なものは、1年後ないし数年後に実施されるということなんですが、これらの安全対策というのは、基本的に、いい方向に向かうものであり、それなりの評価というか、高く評価するものです。特に、高く評価するというのは、今までややもすると、例えば、安全設計指針さえ満足していればいいとか、安全基準を満足していればいいとか、というところをより高くするという努力を掲げて、いい方向に、どんどん改善しようしていること自体は非常にいいことなので、評価したいと思っております。
 ただ、ちょっと、気になるのは、説明性で十分なのかどうかというのは、結局、福島第一発電所の事故を受けて、実は、今までの安全規制に大きな穴があいていたことが明らかになったので、それをこういうふうにふさぎました、というところまでは、分かるような形の説明がなされているんですけれども、それだけで、十分、納得のいく説明になっているのか、もうちょっと、説明の仕方については、工夫の仕方もあるのではないかな、というふうに思っているというのが、2番目の質問に対する答えということになります。
 それから、3番目の規制調査なんですけれども、この辺りになりますと、実は、IAEAの閣僚会議への報告書にも、そもそも法体系とか、あるいは、指針類とか、あるいは、安全基準類とか、こういうのも、全部含めて抜本的な見直しが必要と書かれている。それが教訓のひとつであるとされているところから、当然、大きな見直しをしなければいけないと思っております。
 今までの原子力安全委員会の規制への役割というのは、ある意味では、基本的な考え方の提示なんですけれども、実際の規制活動としては、実は、設置許可申請書といいますか、基本設計に対してのみ、直接的な関わりが強くて、いわゆる後続規制、設工認段階であるとか、あるいは、運転管理段階に入ったらば、原則的には、この規制調査みたいな形でしか、関わっていなかった。本当にそれでいいのだろうか。基本的な考え方というのは、必ずしも基本設計段階だけではなくて、運転管理段階に入ってからの、基本的な考え方というのもあるだろうし、直接、安全委員会みたいなところが、規制行政そのものをやるわけにはいかないんですけれども、関わり方というのは、もうちょっと、いろいろな検討がなされてもいいのではないかと思っていまして、それが、現在の法制度の下で、どこまでできるかどうか、ちょっとよく分からないんですけれども、そういうのも全部含めて、いろいろな見直しを内部で議論をやっていきたいな、と考えているところでございます
 以上でよろしゅうございましょうか。

○NHK山崎記者 追加でいいですか。よく分かりました。大きく3つ、それぞれ少し補足で質問させてください。
 細野大臣のおっしゃっている解除みたいなものの考え方で、今、安全委員会としても内々には、どういうような緩和の基準があるか、また、あと土壌の汚染についてはとか、あとは炉の安定、もう少し、例えば、こういうところも、ちゃんと見ていかないといけないというのがあれば、もう少しご披露していただければなというところを、まず、お聞きしていいですか。

○班目原子力安全委員長 炉の安定ということでは、私より久木田委員の方が、詳しいかもしれませんけれども、例えば、3号機の窒素封入ができたら、炉が安定とか言っているのが本当に正しいのかどうか、もうちょっと、炉心の状態がどうなっているのか、という把握ができれば、必ずしも窒素封入なんか要らないのではないかとか、安全委員の中でも、意見の違いがあるところで、場合によっては、久木田委員から少し補足してもらおうと思います。
 それから、もうひとつ、こういう緊急時の避難準備を解除するに当たっては、当然、小学校とか中学校とか、学校なんかも開くことになるということは、当然、そういうところについて、しっかりとしたモニタリングをやるのは当然です。
 それから、あと、場合によっては、緊急時避難準備区域と逆に、計画的避難区域と結構隣接していて、土壌等に、沈着している放射性物質が急勾配になっていたりとかということがあろうかと思うので、そういうことに対する配慮というのも、ある程度してから、解除したのはいいんだけれども、また急にだめです、とかということにならないような配慮というのは必要なんではないか、と思っています。
 ちょっと久木田委員から、炉の安定については補足いただけますか。

○久木田委員長代理 炉については、いわゆる循環冷却というのが達成されつつあるわけですけれども、普通の原子炉等に比べれば、いわゆる多重性とか、独立性とか、そういったものを満たしているわけではない。いわば、かなり、そういう信頼性という点では、いろいろな外乱の影響を受けやすい状態でそういうことをやっているわけです。
 先日の、ここの場でもお話が出たと思いますけれども、例えば、地震とか津波とか、あるいは、循環冷却系の中の故障等によって、注水が長時間、途絶えたような場合に、どういったことが起こるかということについても、ある程度、予測して、その影響がどのぐらいの範囲まで及ぶか、ということを考えておく必要があるだろうというふうに思っています。
 今回、対象になっている緊急時避難準備区域というのは、原子炉から20㎞の距離がある地点ですので、よほどの大きな事象がなければ、影響は及ばないだろうというふうには考えますけれども、そういう点について、きちんとした工学的な評価をしておく必要があるだろうというふうに考えています。

○時事通信増田記者 時事通信、増田です。
 まさしく、炉の状態なんですが、結局、2号機と3号機は、新しい水位計と水圧計がスケールがうまくいってなくて、炉心の状態がいまだに確定できてないということなんですけれども、これが基本だと思うんですけれども、それが分かって、今、久木田先生がおっしゃったような評価がされるまで、終わるまでは、解除というのは難しいというようなお考えなんでしょうか。

○久木田委員長代理 解除といっても、いろいろな段階があるだろうというふうに考えています。今、問題になっているのは、20㎞から30㎞の範囲内、それから、更に、原子力に近い領域まで解除する際には、当然ながら、より厳しい見方をしなければならないだろうなというふうに考えております。
 もちろん、圧力容器の中の水位がちゃんと測れるとか、その他もろもろ計測がきちんとできて、そして、念のためということであれば、窒素注入をするとか、そういうことができたに越したことはないのですけれども、そういうことが、たとえ完全にできなくても、原子炉の中の状態を解析することによって、万一の場合に、どれぐらいのことが起こり得るかということは、評価することが可能であろうと思います。
 特に、事故が発生してから100日以上経過している、ということが非常に影響が大きくて、炉心で発生している熱量というのが、当初に比べれば、2桁ぐらい小さくなっているということが有利な条件になっているということでありますので、余り細部に立ち入らない手堅い評価でも相当なことが言える段階に来ているというふうに思います。

○毎日新聞青野記者 毎日新聞の青野と申します。
 先ほども、質問に出ました玄海の再稼働の話なんですけれども、以前に、班目委員長が保安院に対して、これまで3・11で分かった原発の脆弱性がどれほど軽減されているのか、総合的に判断できる材料が示されていないと、それなので、保安院にはそれを示してくださいという要求をされていたと思うんですけれども、先ほど、安全性に穴があると、その穴をふさぐという点では、今、表現は忘れましたけれども、穴をふさぐことはされているというようなことをおっしゃったんですけれども、総合的な判断を示してくださいということについては、前回からと状況が変わっていないという理解でいいのか、更には、保安院側からはどういう、今、対応がなされようとしているのかという点について、もう一回、確認させていただけますでしょうか。

○班目原子力安全委員長 保安院側がどういう対応をしようとしているかは、承知しておりません。
 前回のときから、実は、保安院側からの詳しい報告みたいなものがあったわけではないので、先ほどの言い方として、一応、福島第一発電所で起こった穴は、こういう緊急安全対策で埋まったというのはよく分かるんだけれども、それをやった結果として、全体的に安全性はどうなったのかという総合評価を、是非、お願いしたいということを、前、原子力安全・保安院の方に伝えてあって、それに対する回答は、まだ、いただいてないという状態のままであるということです。

○朝日新聞西川記者 朝日新聞の西川と申します。
 今の質問の関連で、最後に、もう少し、説明の仕方に工夫はあるんじゃないかというふうに、班目委員長さんは、おっしゃったと思うんですけれども、それは、具体的にどんなことを想定されているでしょうか。

○班目原子力安全委員長 いろいろあろうかと思いますけれども、こういうものについて、基本は穴があったというのは、たとえ、津波が想定を超えたからといって、原子力発電所なんてものは手だてがないというか、想定を超えたとたんに崖っぷちで、あとは、奈落の底に落ちる、そういう状態であってはいけないわけですよね。そうでないということをいかに示すかという、そういう説明が必要なんではないか。
 一応、今回、例えば、玄海については、津波といったって、想定の、例えば、5倍ぐらい来たって大丈夫だよとかという話だから、そこだけでも相当なものかもしれませんけれども、それを超えたときに、更に、それがだめだったらこうとか、そういう説明っぷりみたいなものもあってもいいんじゃないかと、例えば、という例として申し上げました

○朝日新聞西川記者 今の、ちょっと関連で、更に伺いたいんですけれども、安全委員会としては、助言要請がないと玄海等の再稼働については、助言要請がなければ、それについてどうだということはおっしゃらないのが、法的な根拠はないという言い方でしたっけ、そういう助言要請があって、初めて正式にはコメントするというようなおっしゃり方だったと思うんですけれども、内容そのものでは、もちろんだとは思うんですけれども、こういう手続で安全だと、最初の緊急安全対策と、あとの5項目のシビアアクシデント対策、これをこのように確かに言ったとおっしゃいましたね、というとこをチェックするというやり方で、保安院なり、経産省なりが、これは、安全だから再稼働してくださいという、そういうやり方自身については、原子力安全委員会としては、これでいいとか悪いとかということは、特に言う立場にないんでしょうか。

○班目原子力安全委員長 恐らく、やり方自体については、物を申し上げる立場では多分ないんだと思っています。
 要するに、こういう運転管理段階に入ったからといって、安全に反するようなことを規制行政庁の方でやられている場合には、原子力安全委員会には意見聴取をする権限も持っているし、場合によっては、勧告権も持っているというふうに理解していますけれども、現状は、少なくても安全性を向上させる対策をとられて進められているわけなので、それに対して、何かやり方とか手続とか、そういうことについては、多分、申し上げる立場じゃないんだと理解しています。

○朝日新聞西川記者 例えばの話ですけれども、水素爆発を防ぐためにBWRであれば、天井に穴をあけるみたいなことがあって、それを、実際にできるかどうかやってみたという訓練みたいなこともなされているんだろう、と思いますが、例えば、それを、実際に非常に過酷な条件でそういうことが本当にできるのかとか、そういう訓練がなされているのかみたいなところも気になるところなんですけれども、そういうことについても、特段、安全委員会としてのコメントというのはないんでしょうか。

○班目原子力安全委員長 安全委員会としては、例えば、福島第一発電所で起こったようなことを防止するのが、あれが本当に唯一の手段だというのだったら、はっきり言って、何か申し上げざるを得ないと思います。しかし、実際には、その前に、幾らでもそれを防ぐ手だてがあるわけですよね。その手だての最後のひとつとして、ちょこっと、ああいうのが書かれたということであるのならば、これもあるのではないか、という見解だということです。

○朝日新聞西川記者 先ほどのことから言えば、それが、本当に最後の手段として、位置づけられていて、あるんだということの全体の説明はなされていないという理解でいいんでしょうか。

○班目原子力安全委員長 だから、総合的な評価みたいなものをして、持ってきていただきたい。それは、これは玄海の問題と必ずしも結びつけなくて結構ですから、若干、時間がかかろうとも、そういう方向での説明をいただきたいというふうに、原子力安全・保安院に申し上げている。それに対して、まだ、回答は来てない状態だということです

○NHK山崎記者 追加で教えてください。
 班目委員長のおっしゃる保安院から、玄海についての総合評価について、保安院の見解をというところで、それはなるほどそうだなと思うんですけれども、これは、具体的に言うとどういった評価を示してもらいたいというイメージなんですか。つまり、これはなかなか一般の国民、市民からすると、難しい。例えば、確率論で示されるとかしても、本当に安全性が上がったのか、よく分からなくて、もちろん、保安院の専門家向けもあってもいいんですけれども、具体的に、確率論的に福島みたいになるのは、うん万分の1になりましたよ、みたいな、ああいう評価なのか、それとも全くちょっと違う、もう少し違う方向からの総合評価なのか、正直、私自身もどういう評価が来るのかというのが、ちょっとよく分かってなくて、何を求めていらっしゃるのかというのを、もう少し、教えてもらっていいですか。

○班目原子力安全委員長 確率論的な評価までは、求めようとは思っていません。決定論的な評価で結構ですから、何重にも防護されましたねと。まさか、水素爆発対策として、屋上に穴をあける、あれだけで福島と決定的に違うから許してください、と言っているんではないですよねと、そこが大切なんです。
 そこに来るまでに、例えば、津波をひとつとってみても、今までの、例えば、福島第一だったら、貞観地震による痕跡があったじゃないですかとか、そんなのは本当にないんですねと、それでかつ、今までの歴史的な最大の津波に対して、例えば、玄海だったら5倍ぐらいはとっているわけですよねとか、その次に、水密構造にするのは時間がかかるかもしれないけれども、たとえ、何かかぶったとしてもそうだとか、あるいは、外部電源に関しても、たしか玄海の場合は、今までは、玄海3号は1ルート2回線の要求しかしてない。ということは、鉄塔が倒れちゃえば、だめなわけですよね。だけれども、今度、そうじゃなくて、1、2号機とつなげることによって、2ルート4回線を、必ず、用意したということは、鉄塔が1本倒れても安全にしたわけですよねとか、そういう、いろいろな手段を幾重にもめぐらせた、だから安全だという、そういう総合評価をしていただきたいと思っているわけで、そういう、多重性というのをむしろ全く無視してフラットに、福島第一発電所では鉄塔が倒れてしまって、1系統2回線だったところが、一遍に、だめになってしまったから、それに対しては、必ず2ルート、4回線を用意しますよとか、何かこういう、福島第一で起こった内容に対しては、こう手当しますよという説明に終始しているような、何かある意味では、平面的な説明に終始しているような気がして、それで説明が十分なのかなというのは、安全委員会としては若干、気にしている、これは、説明の仕方の問題なんだと思っています。

○NHK山崎記者 先生のイメージでは、どちらかというと、フローチャートで、これが起こったら矢印でイエス、ノーになって、今度ノーだったら、次はというフローチャートをよく作りますよね。あのイメージですか、それがずっと、例えば、こうなった場合は、こうなると、こうなった場合は、こうやって防ぐみたいなのを、ああいうツリーみたいな形のやつを、例えば、以前のものと今回対策をした後だったら、こういうようなフローチャートになるような、そういう意味の総合評価の比較みたいな、そういうイメージですか。

○班目原子力安全委員長 そういうふうにご理解いただいて結構です
 ただ、もうひとつ申し上げたいのは、原子力安全委員会としては、是非、こういう方法でやってください、というところまで助言する気はないんです。これは、是非、規制行政庁の方で考えてやっていただきたい。その結果出てきたものに対して、まだ不十分だと思ったら、更に、こうしたらどうかという助言をすると、これが本来の姿だと思っていますので、安全委員会側としては、先ほど、申し上げたように、それもひとつの方法ですよねと、割と住民の方なんかも、より納得しやすくなるんじゃないかと思うので、要するに、そういう説明性をより高める努力をもっとしてくださいね、というお願いをしているというところです。

○毎日新聞岡田記者 毎日新聞の岡田です。
 緊急時準備避難区域の解除についてなんですけれども、当然、学校が休校しているところが開校するとなると、モニタリングが必要だということをおっしゃっていましたけれども、これは、どういった観点でそういうものが必要だというのを、一応、確認としてお聞きしたいんですけれども、基本的には炉の安定性が保たれれば、解除のひとつの要件にはなるということはおっしゃられたと思うんですが、その他に、これをやらなければいけないもののひとつ、例として挙げられたと思うんですが、例えば、モニタリングということで、もっとどういった条件がそろえば、炉の安定の他にどういった条件がそろえば、解除に向けて安全委員会としてはオーケーだというふうに考えているのかということを、ちょっと確認したいんですけれども。

○代谷原子力安全委員 今の件は私の方から、モニタリングというお話が出ましたのは、緊急時避難準備区域、そこの場所の線量が高くなければ、そういうことがはっきり分かっていれば、次に起こるもののリスクがないということを、危険性がないということが分かれば、そこで解除してしまえば、それで何も問題ないと思うんです。
 ところが、実は、まだ緊急時避難準備区域のところは、今日のこの話も出てきましたが、モニタリング、結局、緊急時避難準備区域のところというのは、それほどきっちりとしたモニタリングがやられていない区域が、かなり、まだあるということですね。そういうところのことを含めて判断をしないと、皆さんがお帰りになるということになると、帰ってもいいというお話になると、これは、大変なことになる可能性もある。だから、そこは条件としてはきっちりとやってください。
 もちろん、今、こういう準備区域とか何とか、何も区域指定等はないんですが、実際に線量が高いところで、一生懸命モニタリングというのをやらないといけないというのと併せて、同じような条件でやっていただく必要があるというように思っているところです。

以 上

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