東日本大震災では、築地市場移転候補地である豊洲6丁目東京ガス工場跡地におきましても液状化現象が起こりました。
日本最大規模の土壌汚染が存在しているにもかかわらず、このたびの液状化現象に対する都の対応は、大いに疑問に残るところです。
東京都は、中央卸売市場のホームページ(http://www.shijou.metro.tokyo.jp/news/22/jishin/jishin7.pdf)で7/14に、液状化についての対応を公開しているところですが、その見解も含め都の対応に対し、日本環境学会土壌汚染問題ワーキンググループ長・坂巻幸雄先生が、公開質問状を提出されたということです。
重要なご指摘であり、こちらでもその内容をご紹介させていただきます。
なお、築地市場の現在地再整備を目指す本区としては、液状化の問題も含め、多くの検討課題があるにも関わらず、7/21開催の「築地市場等まちづくり対策特別委員会」では、行政からの報告事項がまったくなされなかったことは、たいへん残念に思いました。
(もちろん、先日の場外市場の火災に関しても、同委員会で、行政側から報告すべき事項と思われますが、委員会構成委員からの質疑で、はじめて回答されただけでした。)
****以下、坂巻先生による公開質問状*****
2011/07/19
東京都中央卸売市場 市場長 岡田 至 様
<公開質問状>:豊洲地区に起こった「液状化現象」に関する「専門家の見解と対応方針」の批判と質問
日本環境学会土壌汚染問題WG長・坂巻幸雄
●このたび東京都は、2011年3月11日の東北日本太平洋沖地震に際して起こった、築地市場移転予定地・江東区豊洲地区の液状化について、「専門家の見解と対応方針」なる一文(以下、単に「見解」と記す)を、7月14日付HP上で更新・公開した。 以下はこの公表文に対する批判的見解と主張、ならびに質問である。ここで示した疑念と問題点に関して、貴職のの責任ある回答を、強く、かつ早急に要請するものである。
◆この「見解」作成に、専門家は関与したのか?
既往の都の資料に依れば、地震直後の3月14日と16日に、専門家が現地を踏査したことになっている。それ以降、この「見解」発出までに4ヶ月も掛かった。6月都議会の審議に当たって、この「見解」は示されなかったのであるから、その時点ではまだ未完成だったものであろう。
昨年の「適用試験」の際にも同様のことがあったが、この遅延は、専門家が関与したとは到底考えられない「遅さ」である。添付された噴砂の拡大写真を見ても、学術写真には必須とされる、スケールの写し込みもしていない。もし、本当に専門家が関わっていたのであれば、その専門的能力を疑わせるに十分である。
また文中、「噴砂の状況」「噴砂のメカニズム」「噴砂による汚染状況の変化」の3項目を見ると、全部で7節に及ぶ小区分の中で、実に5節までが、「考えられる」「考えにくい」という表現で記述されていて、推論の妥当性を裏付ける客観的データや論拠を全く欠いている。このような無内容・低水準の公表文を,「一流の学者」が容認していたとは、それこそ「考えにくい」。
都は、相談した学者の氏名と相談の内容・経緯を示し、公開の場での質疑や討論に応じるべきだと考えるが、どうか。
◆上記の一事をもってしても、再調査の必要性をあえて否定し続ける都の姿勢は容認しがたいものがあるが、二三の論点についてさらに言及する。
*都は、今回の液状化現象が小規模であった旨を力説するものの、今回の震度は「5強」にすぎなかった。近く襲来する首都直下地震などでは、「6強」も想定されていて、その場合は、全面液状化した地盤の流動方向が、水平か上下かなどは所詮問題にならず、当局の言う「液状化防止工法」なるものがどれだけ現実に通用するかは、その場になってみなければ判らない。
東京ガス(株)でも、工場建設前に、「地盤改良」と称して砂杭等の施工をしていたが、今回の液状化は防止できなかった。被害が出てから,「想定外だった」と言い訳をしても広がった汚染が元に戻るわけではない。今回の液状化のメカニズムと、汚染物質の挙動は、徹底して再検証しなければならないのである。
*都は、土壌汚染対策について、「工事に際して、汚染状況を確認しながら対策を取れば、十分対応が可能である」と言う主旨の説明をしているが、この見解の妥当性を保障する具体的なデータは何もなく、さらに汚染の検出や対応工法に関する技術的指針も何一つ明示していない。 このままでは、工事の進行を重視する余り、必要なチェックが軽視、乃至、放棄される危険が甚だ大きい。再調査による現況の把握がないままでは、当初方針どおりの施工が果たして可能であるかどうかの、判定すらできないではないか。
*都が、再調査を忌避する理由は、図らずも「適用試験」のデータ墨塗り公表事件で明らかになったように、試料の再採取をに伴う分析データの再現性が、非常に悪いことを懸念してのことだと推認される。本来ならば真面目にその原因を追及しなくてはならない事象であるのに、都は一貫してまともな対応を拒否してきた。この怠慢を不問としたまま、真実の追求から目を背ける姿勢は、容認できない。
●東北日本太平洋沖地震に誘発された原発事故では、政府や電力業界が、「安全神話」を大々的に流布していたことで、本来避けられたはずの被害がさらに拡大した。豊洲の実情を見ると、冒頭述べたように、確たる客観的根拠のないままに「安全」を強調する、同根の「神話」の存在を強く感じる。このような姿勢は、都民の食の安全・安心に責任を持つ行政の担当者として、到底許されるものではない。
少なくとも豊洲移転の主導者は速やかに公開の場で議論のテーブルに着き、科学的論拠を欠く先入観とそれに基づく主張を捨て、謙虚に討議に応じるべきである。私たちはそのことを強く求め続ける意志をここに表明し、重ねて貴職の誠実な対応を求めるものである。
以上
*****以下は、都の液状化現象に対する見解*****
http://www.shijou.metro.tokyo.jp/news/22/jishin/jishin7.pdf
専門家の見解と対応方針
1 専門家の見解
噴砂の発生後、豊洲新市場予定地の土壌汚染対策工事に関する技術会議の委員で液状化、汚染物質のそれぞれの専門家に現地を踏査していただき、助言や指導のもと、噴砂の状況や規模等を調査した。
こうした調査結果に基づき、専門家から次のような見解をいただいた。
(1)噴砂の状況
○5、6街区の噴砂が確認された箇所は地下水位が浅く、噴砂が見られなかった7街区等では地下水位が深いことから、噴砂は地下水位の影響が大きいと考えられる。
○新市場予定地の噴砂は部分的なものであり、一箇所当たりの噴砂量も平均約0.3㎥に過ぎず、大半は0.1㎥以下であることから、小規模でもあった。
○噴出した土は、粒度の整った砂質土の中に、細かく砕けた多量の貝殻片の混入が見られることから、浚渫埋土層が噴出したものと考えられる。
○新市場予定地をはじめ、東京湾岸埋立地各地の液状化の発生状況から見て、液状化したのは埋土層であり、有楽町層などの沖積層は液状化していないと考えられる。
(2)噴砂のメカニズム
○噴砂は、地震により液状化した部分の地下水に圧力が加わり、地中から地表部に向かって、地下水とともに砂が噴出するというメカニズムで発生する現象である。
○特に、新市場予定地のように、地表がアスファルト舗装などで覆われていない場合には、地下水が垂直方向へ向かう動きを阻害されないため、基本的に横方向に動くとは考えにくい。
(3)噴砂による汚染状況の変化
○噴砂により汚染土壌が移動した可能性は否定できないものの、基本的に垂直方向の動きと考えられ、地表の噴砂状況の調査から、部分的で、極めて小規模でもあることから、噴砂が確認された区画についても、別途の取扱いを考慮すれば、再度、汚染状況の調査を行う必要はない。
(4)土壌の安全確認方法
○技術会議の提言により、盛土部は、100m3毎に25物質の調査を行い、A.P.+4m(ガス工場操業時の地盤面)からA.P.+2mについては、土壌の搬出時に受入れ先の基準に基づく検査を行うこととされており、土壌汚染対策の中に、汚染の状況の確認方法が既に盛り込まれている。
○これまでの汚染状況の調査の結果、汚染が検出されている箇所で、噴砂が生じた区画については、土壌汚染対策工事に際して、念のため、汚染が無いことが確認されている土壌についても安全確認し、万全を期する必要がある。
(5)液状化対策
○液状化対策をしていない埋立地では、今回のような地震により、液状化は発生して当然である。
○また、技術会議が提言した砂杭締固め工法などの液状化対策が行われているところでは、被害が生じておらず、新市場の対策工法の有効性が確認された。
○技術会議が提言した液状化対策を確実に実施することで、大規模な地震時にも噴砂による被害が生じるおそれはない。
2 対応方針
専門家の見解を受け、以下の方針に基づく対応を図る。
(1)液状化対策
これまでどおり、技術会議の提言である次の対策を実施する。
○現地の地質状況に応じ、阪神・淡路大震災でも実績のある、格子状固化工法や砂杭締固め工法による液状化対策を行う。
○市場施設完成後に、地下水位をA.P.+1.8mに維持することにより、液状化しない地層を4.7m確保する。
これらの、対策を確実に実施することで、大規模な地震時であっても噴砂が生じない。
(2)噴砂に伴う土壌の安全確認
これまでの汚染状況の調査の結果、汚染が検出されている箇所で、噴砂が生じた区画については、土壌汚染対策工事に際して、念のため汚染状況を確認していく。
万が一、こうした確認作業の結果、新たな汚染物質が検出された土壌については、汚染物質の種類に応じ、技術会議で提言された方法で適切に処理していく。
(3)豊洲新市場予定地の土壌汚染対策
今回の地震で生じた噴砂は、部分的であるとともに小規模であり、工事に際して、汚染状況を確認しながら対策をとれば、十分対応が可能であることから、再度、汚染状況の調査を行う必要はなく、技術会議から提言された土壌汚染対策の内容を変更する必要もない。
噴砂に伴う土壌の安全確認を行いながら、汚染物質の除去、浄化、液状化対策など、これまでの土壌汚染対策を確実に実施していくことで、市場用地の安全・安心に万全を期す。
日本最大規模の土壌汚染が存在しているにもかかわらず、このたびの液状化現象に対する都の対応は、大いに疑問に残るところです。
東京都は、中央卸売市場のホームページ(http://www.shijou.metro.tokyo.jp/news/22/jishin/jishin7.pdf)で7/14に、液状化についての対応を公開しているところですが、その見解も含め都の対応に対し、日本環境学会土壌汚染問題ワーキンググループ長・坂巻幸雄先生が、公開質問状を提出されたということです。
重要なご指摘であり、こちらでもその内容をご紹介させていただきます。
なお、築地市場の現在地再整備を目指す本区としては、液状化の問題も含め、多くの検討課題があるにも関わらず、7/21開催の「築地市場等まちづくり対策特別委員会」では、行政からの報告事項がまったくなされなかったことは、たいへん残念に思いました。
(もちろん、先日の場外市場の火災に関しても、同委員会で、行政側から報告すべき事項と思われますが、委員会構成委員からの質疑で、はじめて回答されただけでした。)
****以下、坂巻先生による公開質問状*****
2011/07/19
東京都中央卸売市場 市場長 岡田 至 様
<公開質問状>:豊洲地区に起こった「液状化現象」に関する「専門家の見解と対応方針」の批判と質問
日本環境学会土壌汚染問題WG長・坂巻幸雄
●このたび東京都は、2011年3月11日の東北日本太平洋沖地震に際して起こった、築地市場移転予定地・江東区豊洲地区の液状化について、「専門家の見解と対応方針」なる一文(以下、単に「見解」と記す)を、7月14日付HP上で更新・公開した。 以下はこの公表文に対する批判的見解と主張、ならびに質問である。ここで示した疑念と問題点に関して、貴職のの責任ある回答を、強く、かつ早急に要請するものである。
◆この「見解」作成に、専門家は関与したのか?
既往の都の資料に依れば、地震直後の3月14日と16日に、専門家が現地を踏査したことになっている。それ以降、この「見解」発出までに4ヶ月も掛かった。6月都議会の審議に当たって、この「見解」は示されなかったのであるから、その時点ではまだ未完成だったものであろう。
昨年の「適用試験」の際にも同様のことがあったが、この遅延は、専門家が関与したとは到底考えられない「遅さ」である。添付された噴砂の拡大写真を見ても、学術写真には必須とされる、スケールの写し込みもしていない。もし、本当に専門家が関わっていたのであれば、その専門的能力を疑わせるに十分である。
また文中、「噴砂の状況」「噴砂のメカニズム」「噴砂による汚染状況の変化」の3項目を見ると、全部で7節に及ぶ小区分の中で、実に5節までが、「考えられる」「考えにくい」という表現で記述されていて、推論の妥当性を裏付ける客観的データや論拠を全く欠いている。このような無内容・低水準の公表文を,「一流の学者」が容認していたとは、それこそ「考えにくい」。
都は、相談した学者の氏名と相談の内容・経緯を示し、公開の場での質疑や討論に応じるべきだと考えるが、どうか。
◆上記の一事をもってしても、再調査の必要性をあえて否定し続ける都の姿勢は容認しがたいものがあるが、二三の論点についてさらに言及する。
*都は、今回の液状化現象が小規模であった旨を力説するものの、今回の震度は「5強」にすぎなかった。近く襲来する首都直下地震などでは、「6強」も想定されていて、その場合は、全面液状化した地盤の流動方向が、水平か上下かなどは所詮問題にならず、当局の言う「液状化防止工法」なるものがどれだけ現実に通用するかは、その場になってみなければ判らない。
東京ガス(株)でも、工場建設前に、「地盤改良」と称して砂杭等の施工をしていたが、今回の液状化は防止できなかった。被害が出てから,「想定外だった」と言い訳をしても広がった汚染が元に戻るわけではない。今回の液状化のメカニズムと、汚染物質の挙動は、徹底して再検証しなければならないのである。
*都は、土壌汚染対策について、「工事に際して、汚染状況を確認しながら対策を取れば、十分対応が可能である」と言う主旨の説明をしているが、この見解の妥当性を保障する具体的なデータは何もなく、さらに汚染の検出や対応工法に関する技術的指針も何一つ明示していない。 このままでは、工事の進行を重視する余り、必要なチェックが軽視、乃至、放棄される危険が甚だ大きい。再調査による現況の把握がないままでは、当初方針どおりの施工が果たして可能であるかどうかの、判定すらできないではないか。
*都が、再調査を忌避する理由は、図らずも「適用試験」のデータ墨塗り公表事件で明らかになったように、試料の再採取をに伴う分析データの再現性が、非常に悪いことを懸念してのことだと推認される。本来ならば真面目にその原因を追及しなくてはならない事象であるのに、都は一貫してまともな対応を拒否してきた。この怠慢を不問としたまま、真実の追求から目を背ける姿勢は、容認できない。
●東北日本太平洋沖地震に誘発された原発事故では、政府や電力業界が、「安全神話」を大々的に流布していたことで、本来避けられたはずの被害がさらに拡大した。豊洲の実情を見ると、冒頭述べたように、確たる客観的根拠のないままに「安全」を強調する、同根の「神話」の存在を強く感じる。このような姿勢は、都民の食の安全・安心に責任を持つ行政の担当者として、到底許されるものではない。
少なくとも豊洲移転の主導者は速やかに公開の場で議論のテーブルに着き、科学的論拠を欠く先入観とそれに基づく主張を捨て、謙虚に討議に応じるべきである。私たちはそのことを強く求め続ける意志をここに表明し、重ねて貴職の誠実な対応を求めるものである。
以上
*****以下は、都の液状化現象に対する見解*****
http://www.shijou.metro.tokyo.jp/news/22/jishin/jishin7.pdf
専門家の見解と対応方針
1 専門家の見解
噴砂の発生後、豊洲新市場予定地の土壌汚染対策工事に関する技術会議の委員で液状化、汚染物質のそれぞれの専門家に現地を踏査していただき、助言や指導のもと、噴砂の状況や規模等を調査した。
こうした調査結果に基づき、専門家から次のような見解をいただいた。
(1)噴砂の状況
○5、6街区の噴砂が確認された箇所は地下水位が浅く、噴砂が見られなかった7街区等では地下水位が深いことから、噴砂は地下水位の影響が大きいと考えられる。
○新市場予定地の噴砂は部分的なものであり、一箇所当たりの噴砂量も平均約0.3㎥に過ぎず、大半は0.1㎥以下であることから、小規模でもあった。
○噴出した土は、粒度の整った砂質土の中に、細かく砕けた多量の貝殻片の混入が見られることから、浚渫埋土層が噴出したものと考えられる。
○新市場予定地をはじめ、東京湾岸埋立地各地の液状化の発生状況から見て、液状化したのは埋土層であり、有楽町層などの沖積層は液状化していないと考えられる。
(2)噴砂のメカニズム
○噴砂は、地震により液状化した部分の地下水に圧力が加わり、地中から地表部に向かって、地下水とともに砂が噴出するというメカニズムで発生する現象である。
○特に、新市場予定地のように、地表がアスファルト舗装などで覆われていない場合には、地下水が垂直方向へ向かう動きを阻害されないため、基本的に横方向に動くとは考えにくい。
(3)噴砂による汚染状況の変化
○噴砂により汚染土壌が移動した可能性は否定できないものの、基本的に垂直方向の動きと考えられ、地表の噴砂状況の調査から、部分的で、極めて小規模でもあることから、噴砂が確認された区画についても、別途の取扱いを考慮すれば、再度、汚染状況の調査を行う必要はない。
(4)土壌の安全確認方法
○技術会議の提言により、盛土部は、100m3毎に25物質の調査を行い、A.P.+4m(ガス工場操業時の地盤面)からA.P.+2mについては、土壌の搬出時に受入れ先の基準に基づく検査を行うこととされており、土壌汚染対策の中に、汚染の状況の確認方法が既に盛り込まれている。
○これまでの汚染状況の調査の結果、汚染が検出されている箇所で、噴砂が生じた区画については、土壌汚染対策工事に際して、念のため、汚染が無いことが確認されている土壌についても安全確認し、万全を期する必要がある。
(5)液状化対策
○液状化対策をしていない埋立地では、今回のような地震により、液状化は発生して当然である。
○また、技術会議が提言した砂杭締固め工法などの液状化対策が行われているところでは、被害が生じておらず、新市場の対策工法の有効性が確認された。
○技術会議が提言した液状化対策を確実に実施することで、大規模な地震時にも噴砂による被害が生じるおそれはない。
2 対応方針
専門家の見解を受け、以下の方針に基づく対応を図る。
(1)液状化対策
これまでどおり、技術会議の提言である次の対策を実施する。
○現地の地質状況に応じ、阪神・淡路大震災でも実績のある、格子状固化工法や砂杭締固め工法による液状化対策を行う。
○市場施設完成後に、地下水位をA.P.+1.8mに維持することにより、液状化しない地層を4.7m確保する。
これらの、対策を確実に実施することで、大規模な地震時であっても噴砂が生じない。
(2)噴砂に伴う土壌の安全確認
これまでの汚染状況の調査の結果、汚染が検出されている箇所で、噴砂が生じた区画については、土壌汚染対策工事に際して、念のため汚染状況を確認していく。
万が一、こうした確認作業の結果、新たな汚染物質が検出された土壌については、汚染物質の種類に応じ、技術会議で提言された方法で適切に処理していく。
(3)豊洲新市場予定地の土壌汚染対策
今回の地震で生じた噴砂は、部分的であるとともに小規模であり、工事に際して、汚染状況を確認しながら対策をとれば、十分対応が可能であることから、再度、汚染状況の調査を行う必要はなく、技術会議から提言された土壌汚染対策の内容を変更する必要もない。
噴砂に伴う土壌の安全確認を行いながら、汚染物質の除去、浄化、液状化対策など、これまでの土壌汚染対策を確実に実施していくことで、市場用地の安全・安心に万全を期す。