被災地支援のありかた、開業の一小児科医師として何ができるか、解答の糸口を見出せればと、たいへん楽しみにしております。
*****以下、東北外来小児科学研究会HPより*****
http://www.hh.iij4u.or.jp/~sendai/
平成23年7月17日
東北地区の日本外来小児科学会会員ならびに
外来小児科学に関心をお持ちの皆様
第10回東北外来小児科学研究会のご案内(第2報:電子版)
3月11日に宮城・福島・岩手を中心に、死者・行方不明者が2万人を超える未曾有の東北地方太平洋沖地震が発生しました。東日本大震災から100日あまり経過していますが、未だに被災地では様々な大きな問題を抱えております。
さて、例年7月に開催している東北外来小児科学研究会を、本年は延期する予定でしたが、10回の節目を迎えるに当たり、「東日本大震災」をテーマとして、急遽下記の要領で開催することになりました。
昨年第9回研究会では、津波のご講演を東北大学の今村文彦教授からいただきました。まさか1年も経たないうちに、このような災害が起こるとは、夢にも思っておりませんでした。第10回東北外来小児科学研究会は、「震災を忘れない」という意味合いを込め、被災状況・経験、対応・支援、問題点について、様々な角度から検証いたしたいと思っております。
特別講演は、「放射性物質」に関する話題を国際医療福祉大学北原規先生。また「子どもたちへの支援」に関する話題をNPO法人ロシナンテス川原尚行先生の2題と致しました。「放射性物質」並びに「子どもたちへの支援」も、子どもたちとの関わりが深い小児科医にとっては、とても重要な話題です。もちろん医師だけではなく、スタッフ並びに一般の方々にもわかりやすく、すぐに役立つものと確信いたしております。
更には、医師会活動、被災の経験、復興支援の取組み、問題点等、東日本大震災に関する、パネルディスカッションも予定しております。
日本外来小児科学会会員の皆様は勿論のこと、会員以外の方々にも是非ご参加いただきたいと存じます。
ご多忙とは存じますが、日程を調整の上、何卒ご参集くださいますようお願い申し上げます。最後になりましたが、急なご案内になりましたことを、心よりお詫び申し上げます。
第10回東北外来小児科学研究会世話人 永井 幸夫
尚、プログラムに関しては、随時東北外来小児科学研究会HPに掲載いたします。
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記
第10回東北外来小児科学研究会
日 時:平成23年7月31日(日) 10:00 ~
会 場:仙台市医師会館 2F ホール
住所: 984-0806仙台市若林区舟丁64-12 TEL022-227-1531
アクセス:地下鉄河原町駅から徒歩3分。仙台駅からタクシー10分
尚、日曜日は医師会館の駐車場が使用できないため、できる限り公共の交通手段をご利用ください。
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プログラム:
1)開会挨拶 10:00~10:10
第10回東北外来小児科学研究会世話人 永井 幸夫
2)特別講演 10:10~12:30
講演1:「子ども達への放射線被曝による障害と予防」
北原 規先生(国際医療福祉大学 三田病院放射線治療・核医学センター)
講演要旨:
今回の震災では地震や津波の被害もさることながら、福島での原発事故による健康面への影響が大きな関心事となっております。放射線は医療関係者であれば日常的に使用しているものでありながら、形も色も匂いも無く実態が良く判らないだけに殊更恐怖心を煽り、漠然とした不安に苛まれている方も多いかと思われます。
特に小児を扱う先生・コメディカルの皆様は「子供の方が放射線の影響を強く受ける。」という定説や各種風説が蔓延する中、親御さんからの質問への対応に苦慮されている事とお察し申し上げます。
本日はその良く実態の判らない放射線の人体に対する影響についてお話します。放射線の作用・単位、感受性などの基礎的事項から被ばくの分類・被ばくによる各種有害事象、妊婦の被爆による胎児への影響、特に幼少児を中心とした放射線の影響、放射線発がんの可能性、チェルノブイリとの比較、被爆を軽減する方法等に関してまとめて判り易く述べたいと思います。
講演2:「東日本大震災・スーダン内戦~子供たちの未来のために」
川原 尚行先生(NPO法人ロシナンテス理事長:医師)
講演要旨:
発災の時、たまたま一時帰国しており、そのまま宮城県へと向かい、医療支援を開始した。大規模災害で社会インフラの不備、情報の錯綜など、本来の日本ではなくアフリカを感じた。この医療支援から得た地元の方々との信頼関係より、子供たちに焦点を絞った寺子屋事業を開始し、勉学の傍ら、閖上地区の日和山に桜の木を植えた。
スーダンは、長年の内戦が終結し、今年二つの国に分裂することになった。内戦で疲弊した中、子供たちの夢のために、サッカー教室を3年前に開校した。この教室を基盤に社会勉強をし、新しい国づくりをこの子供たちに行ってもらいたい。
大震災からの復興、そして南北スーダン内戦からの新しい国づくり。互いに切磋琢磨できるように交流の場を作ろうと、南北スーダンと閖上の子供たちで運動会を行った。両国の未来へと続く交流を糧に、既存にない、新しい時代を築き、数十年後に満開となる桜の下、満面の笑みの輪を広げたい。
3)昼食 12:30~13:15 5F研修室
みどり溢れる杜の都仙台と広瀬川をお楽しみいただきながら、ゆっくりお食事をお召し上がり下さい。
4)パネルディスカッション 13:15~14:50
「東日本大震災を忘れない」
東日本大震災を振り返り、何を学び、どう生かしていくのかを参加の皆様とともに考えたいと思います。
パネリスト
1. 「東日本大震災・大津波による岩手県被災地への小児科支援」
岩手県小児科医会 山口淑子先生(岩手)
2. 「仙台市医師会における医療支援(仮題)」
仙台市医師会 永井幸夫先生(宮城)
3. 「3月11日東日本大震災に遭遇して」
佐々木小児科 佐々木文秀先生(宮城)
4. 「震災時の子育て支援-情報発信の重要性-」
かわむらこどもクリニック 川村和久先生(宮城)
5. 「いち小児科医から見た震災と原発事故以降の福島県の現状」
いちかわクリニック 市川陽子先生(福島)
各々の先生に15分程度で、ご講演を頂き、その後質疑応答の時間を設けます。
5)閉会挨拶 14:50~15:00
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参加費:
医 師 3000円
医師以外 1000円
学生、初期研修医無料
参加費にはお弁当代が含まれています。尚、学生、初期研修医もお弁当は準備いたします。
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情報交換会:3F 交流室
会費 1000円
皆様となかなかお会いする機会がありませんので,情報交換会で飲み物でのどを潤して頂き、軽食とスイーツで、語らいの時間をお楽しみいただければ幸いです。
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参加申し込み:締め切り7月27日(水)
参加ご希望の方は、同封した参加申込書に必要事項を記載の上、FAX(事務局とは異なります)で、お送りください。
当日参加も可能ですが、できるだけ事前登録をお願いいたします。当日申し込みの場合、参加人数によりお弁当が確保できない場合があることをご了承ください。
尚、東北外来小児科学研究会は、日本小児科学会の専門医研修集会(5単位)として認められています。
第10回東北外来小児科学研究会担当事務局
かわむらこどもクリニック
川村 和久
以上、