「中央区を、子育て日本一の区へ」こども元気クリニック・病児保育室  小児科医 小坂和輝のblog

感染を制御しつつ、子ども達の学び・育ちの環境づくりをして行きましょう!病児保育も鋭意実施中。子ども達に健康への気づきを。

雇用と地域格差

2007-03-11 03:42:13 | 社会問題
連合(日本労働組合総連合会)会長 高木剛氏の
ご講演を聴く機会を得た。

メモしたところ、

*労働力移動時代
今は第三次労働力移動時代だという。
製造業が、低迷し、全国のどこか職のあるところへ、
労働力が移動している。
ちなみに、
第一次労働力移動時代
終戦後、空襲で働く場、工場がなく、
かつ引き揚げにより人が戻ってくる中で、
食べるために、仕事のあるところへ、労働力が移動した。
第二次労働力移動時代
高度成長期、いろんな企業が、各地に工場を建設、
そこへ労働力が移動していった。

*勝ち組負け組みの時代
これからは、最小限、
チャンスの平等は必要。
結果は、
個人の能力により差が出る場合と、
個人の能力にはどうしようもない、
周囲の変化により差が出る場合がある。

*成果主義
成果主義が、
賃金を下げる手段になった。
能力のある一部の社員には、給料をあげ、
成果の低い社員の給料はさげ、
トータルで、賃金は下げられた。
成果主義を行う場合、
評価のものさしが難しい。
同僚間の評価が一番信頼しうる。

*派遣法
特殊な職種が、通訳など常時仕事の機会がないもの
派遣法を認めるものが、
製造業の現場における
うけおい労働においても、
派遣法を適応するように
なってきている。

*労働の二極化
知識・経験をもとにする
行動な技術が必要な労働と、
マニュアルに沿って働き、
いかにコストを安く抑えるかに
着目される労働の
二極化が起こってきている。

*地域の雇用格差、地域格差がひろがている
高知、青森、夕張など、地域の経済低迷、
雇用がない地域が出てきている。
その考えで、見ると
東京都は税収18兆。
5000億円を使って、
日本橋の高速の地下化を
検討している。
景観という名目であるが、
地域の疲弊から見ると、
「“景観”なんかに5000億円も」という
声がでているらしい。



労働にまつわる
様々な話題が、勉強になった。
私の勉強不足な分野である。


講演後、
質問させていただいた。

共働きの場合、
子どもが病気のことが
おおきな問題になるが、
病児保育というものがある。
子どもが病気の時は、
どのような対処がのぞましかとお伺いした。

会社を休み、
病気の子の面倒を親がみることが大切との
見解であった。
ただ、職場の周囲の目により、
休めない事情はあるが。


私も同感で、
子どもが病気の時は、会社を
休めるというのが、
基本だと思っている。
休めない場合の、
個々のケースを分析し、
問題点を整理する
必要があるかもしれない。

文責:小坂和輝
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3/11 愛すれば、子どもは、人を愛することを学ぶ

2007-03-11 01:48:53 | 子育て・子育ち
第11回 愛すれば、子どもは、人を愛することを学ぶ

注;小坂としては、「愛してあげれば」という表現自体、
好きではありません。
本題では、「愛してあげれば、子どもは、人を愛することを学ぶ」
でしたが、「愛すれば」に変更しています。

愛は、人間の根源的な欲求です。
誰しも、人のぬくもりや
心の触れ合いをもとめつづけます。

子育てでの、愛は、三本柱で支えられます。
子どもを
①認め
②信じ
③思いやる
ことの三本柱です。

この三本柱は、他の章でも、解説が入ります。
①認める⇒3/12
認めてあげれば、子どもは、自分が好きになる
②信じ⇒3/8
(子どもを信じ、)励ましてあげれば、子どもは自信を持つようになる
③思いやる⇒3/17
やさしく、思いやりを持って育てれば、子どもはやさしい子に育つ


親の愛は、子どもを無条件に受け入れることです。
愛情に条件はつけません。
言いつけを守らなかったり、
いい成績を取らなかったりしたら、
親に愛してもらえないと感じる子がいたとしたら、
とても不幸なことです。

小坂が危惧するに、
お受験などで、
子どもが勉強する時、
そして、無理やり競争の中に入れられる時、
子どもは、良い成績を取らねば、
親に愛されないと思って、
必死にやっていないかと思うことです。



無条件に愛したら、
子どもは怠け者になってしまうと
心配する親御さんがいるかもしれませんが、
そんなことはありません。
子どもを無条件に愛することと、
子どもを甘やかすことは、違います。
子どものすべてを受け入れていながらも、
悪いことは悪いと教えることが必要です。

スキンシップは、
大切な愛情表現の一つです。
子どもを抱きしめたり、
やさしく体に触れたり、
できるだけスキンシップをし、
子どもを愛しているということを
示してください。

両親の夫婦仲は、
子どもの結婚生活の手本になります。
よい夫婦とは、
双方の愛情のバランスの取れたカップルです。
相手の長所も短所も
認め合っている、
やさしさと思いやりに満ちた夫婦です。

親に愛されているこどもは、
自分を肯定し、
愛することのできる人間に成長します。
愛情に満ちた関係とは、
どのようなものであるかが
分かっているので、
将来、愛し愛される関係を
築いていくことができます。

文責:小坂和輝
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地方自治の課題

2007-03-10 04:36:40 | 政策・マニフェスト
昨日3/9の読売新聞では、統一地方選の全国世論調査を載せていた。


【問い】統一地方選に「関心がある」
「大いに」「多少は」合わせて69%!!

【問い】統一地方選に「投票に行く」
「必ず」「なるべく」合わせて89%!!

今回は、統一地方選への注目が
高い結果が伺われる。


【問い】選挙戦で候補者に取り上げてほしい問題ベスト5(複数回答)
1位 福祉や医療、高齢化対策 53.6%
2位 雇用や景気など地方経済の活性化 41.7%
3位 地方自治体の財政再建 35.5%
4位 少子化対策や子育て支援 34.5%
5位 教育や青少年対策 26.7%


その解説記事に、
鳥取県知事 片山善博氏のコメントが載っていた。
(読売新聞 2007/03/09 13ページ)

非常に興味深い。

以下、コメント

********************
今は、東京都知事選など、首長選に注目が集まっている。
しかし、地方選で一番重要なのは、議員選だ。

今の地方自治の一番の欠陥は、
議会が機能不全で、
住民も議会を軽視していることにある。

議会の機能とは、
①チェック機能
②政策立案機能
③行政に説明責任を問うこと
の三つだ。

相次いだ知事の汚職や官製談合、
夕張市の財政破たんなどは、
議会が真剣に審議していれば起こらなかった。

世論調査では、
無党派層が増加傾向にある。
しかし、
無党派層を掲げて選挙に出ることには
危うさもある。

一つは資金面。
政治資金規正法では、
企業・団体献金を集められるのは
政党だけだ。
無党派を名乗ると
個人献金に頼るしかないため、
スポンサーとのしがらみに結びつきやすい。

もう一つは政策面。
にわか作りの公約(ローカルマニフェスト)では、
政策実現は困難だ。
課題の整理は、
専門的知識のある人が
継続的、組織的に行うべきだ。
それが一番出来るのは政党だが、
今の政党は選挙用でしかない。
住民の利害を代弁せず、
「この人ならあの人に勝てる」とか、
選挙のための組織だ。
だから住民が
疎遠に思うのは当然だ。

世論調査で、
首長選での
与野党対決は
賛否が拮抗している。
本来の与野党対決は、
政策対政策の
「コンテスト」だが、
現状はプロレスのように、
キャラクター同士が
華々しくリングで戦って、
住民が面白がっている状況だ。

知事など首長は、
議会で自分の言葉で考えて話すべきだ。
そうしないと、
気づかぬうちに全部取り込まれて
役人主導になる。

有権者には、
身近な付き合いではなく、
理念や志、政策で
首長や議員を選ぶことが
求められる。

***********************

今の地方自治の
選挙に関する問題点を端的に指摘していると思う。

私もマニフェストを作成中であり、
皆様のご意見、ご提案を伺っている最中である。
そして、
最終的には、
各分野の専門家の意見を聞き、
つめていこうと思う。

文責:小坂和輝
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3/10 誉めてあげれば、子どもは、明るい子に育つ

2007-03-10 00:04:58 | 子育て・子育ち
第10回 誉めてあげれば、子どもは、明るい子に育つ

子どもを誉めることは、親の大切な愛情表現の一つです。
子どもは、親の言葉に励まされて、
自分は認められ愛されているのだと感じるのです。
親の誉め言葉は、子どもの「心の栄養」となります。
子どもの健全な自我形成には欠かすことができません。

子どもが成し遂げたことだけではなく、
その子の意欲も誉めましょう。
子どものころ親に誉められたことが、
こころの強い支えになります。
親の言葉を、子どもは一生忘れないのです。

皆さんは、子どものころにかけてもらった、
親からのどんな言葉を覚えていますか?
小坂が思うに、
言葉を出す親にとっては、一瞬だけど、
その言葉は、子どもの心の中で、
一生生き続けることを考えると、
その責任の重さを感じます。

昨日3/8、日経新聞の夕刊 生活ファミリーに
コーチングの記事が出ていました。
そこの部分を引用しますと、
******************
昨今は「ほめて育てる」が、
声高にいわれる。
東京都が保護者向けに作っている
リーフレットにも
どんどんほめて育てましょう、とある。
「ほめて」が心理的な負担になって
言葉が出ない親もいる。
そんな時
「一つできた」
「絵を一生懸命かいているね」
といったメッセージで十分だと
山崎洋美さん(ママのイキイキ応援プログラム主催)
は言う。
「ミトメル(認める)は“見留める”ですよ。」
******************
誉めるコツが入っていると思います。
すなわち、
①子どもをよく観察する(見留める)
②それをそのまま描写して子どもに伝える
それだけの行為が、実は誉めるということに通じると、
小坂は解釈します。


子どもは、
自分を誉めてくれる親をみて育つことで、
友達との関係でも相手の良いところを認めて、
仲良くやっていくことの大切さを学びます。

小坂も、小児科医の研修時代の同僚で、
非常に人のことを誉めるのが上手な人がいました。
その人が誉めるのは、全然自然で、
心の底から誉める言葉がでるのです。
なかなか、誉めるのは、難しいですよね。
単なるお世辞になってしまいがち。


現代の消費社会では、
人の価値はその人が何を持っているかによって
決まる傾向があります。
お金や物があれば、
幸せも友達も愛情も何でも手に入るというように
子どもに思わせてはいけません。
親が子どもを愛するのは、
その子がかけがえのないその子だからです。
親が自分を自分ゆえに愛してくれる姿から
大切な価値観を学ぶのです。


ホリエモンが、「人の心は、金で買える」と
言ったとか、言わなかったとか。
小坂も、お金があるけど、
幸せでない人生を送る例を
たくさん見てきました。
うすっぺらな価値観を、子どもには
もってほしくない。
親がうすっぺらな価値観しかもてないから、
子も同じうすっぺたらな価値観しかもてなくなります。
常にわが身を振り返らねばと思います。


自分で自分を好きになることは、
とても大切なことです。
自分自身を愛することの出来る
心の安定した人間に、
子どもが育ってほしいものです。
健全な自己愛は、
生きるうえでのエネルギー源になります。
その積み重ねは、幼いころから始まっています。


言葉で誉めるだけでなく、
十分なスキンシップが必要な時もあります。
大きな出来事、親の離婚・病気・死など
のときは、親は普段以上に気を使い、
子どもの気持ちを受け止めなくてはなりません。


小坂が思うに、誉めるとは難しいですよね。
子育て広場あすなろの木で、
母親のコーチングセミナーをやっていますが、
講師の一人、井原恵津子先生
(オフィス・グランツ代表)の講座(06/11/16)で
なるほどと思ったことがあります。
誉めるとは、心のコップからあふれ出るものなのです。
自分の心のコップに、
誉められるというプラスの水
(ストロークと、講座では表現)
がたくさん、たくさん、入ってきたひとは、
それがコップからこぼれるように、
誉めることを他の人にできるようになります。
逆に、
自分の心のコップに、
けなされ、おこられ、マイナスの水が、
たくさん、たくさん入ってきた人は、
その水がこぼれた時、
人をけなすようになります。
心のコップをプラスの水で満たしたいものです。
子どもの心のコップは、是非、プラスの水で、
満たしてあげてください。

しかし、自分自身の心のコップに、
どんな水が入ってますか?
最近、自分自身を振り返ってみてください。
小坂も、誉められたことなんて、ない!!
心のコップが枯渇してました。。。。

お母さん方の、コップの水に
プラスの水を満たすのが、
子育て支援、子育て広場の
本質的な役割なのだと思います。
うちの藤城看護師のコーチングでは、
そのことに取り組んでます。
次回、3/26期待してください。

文責:小坂和輝
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男は血管、女は筋骨

2007-03-09 19:23:19 | 医療
昨日3/8、日経新聞夕刊に興味深い記事が載っていたので紹介。
東京都老人総合研究所副所長 鈴木隆雄氏のコラム「あすへの話題」。

「男は度胸、女は愛嬌」
男女の魅力を一言で表したもの。

「男は血管、女は筋骨」
日本人の高齢期における健康の秘訣を
一言で言い表したもの。

日本人の死亡の原因は、
がん、心臓病、脳卒中。
これは、高齢者にも男女共通に当てはまる。

高齢者の生活機能、
生活機能の自立を失う原因、
いいかえると、
要支援や要介護の状態となる原因はなにか?

国民生活基礎調査によると、

男性では、
圧倒的に「脳卒中」で、原因の4割以上を占める。

女性では、
「脳卒中」は原因の2割ほど
かわって、
「高齢による衰弱・虚弱」
「転倒・骨折」
「関節疾患」が約半数を占める。

要するに、
男性では、
血管の過剰な老化や病変が「脳卒中」をもたらし、
要介護状態の原因になる。

女性では、
筋力の低下や、骨粗しょう症といった
運動器の老化や病変が、
生活機能を低下させる原因になる。


では、どうするか。

男性は、
中年期から血圧に注意し、
禁煙に励み、
適正体重の維持によって、
血管を若々しく保つことが重要。


女性は、
特に閉経以降、
衰えやすい足腰の筋肉や骨の
健康に特段の配慮をする。

男女共に、
積極的に運動を生活に取り入れることは、
理にかなっている。


いま、介護予防で、筋力トレーニングが、
勧められている。

実のところ、私は、高齢者になった時にまで、
筋力トレーニングはしたいとは思わない。

介護予防でさまざまな、方法がある。
きっと、筋力トレーニングは、効果的なはずであるが、
もっとさまざまな、介護予防の方法があると思う。

葛飾区では、介護予防に、ポニーの乗馬をするのだと言う。
そろばん、健康マージャン、茶道、カラオケ、
このような、趣味が介護予防につながるはずである。


私のマニフェストでも、
政策2、大人たちが(高齢者も含め)自己実現できる中央区のために
の具体案の一つに、
「さまざまな介護予防法を採用」をとりあげた。

やるきのでる介護予防を採用し、
介護予防に参加する方が実際に増えることで、
男性の血管、
女性の筋骨、
を守って行きたい。

文責:小坂和輝
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3/9 広い心で接すれば、キレる子にはならない

2007-03-09 01:01:26 | 子育て・子育ち
こどもは、
辛抱強く我慢して待てないものです。
①時間の経過の概念
②待つことの大切さ
を親が教えていくことで、
我慢して待つことを学びます。

①時間の経過の概念
子どもは、時間の経過というものが、
はっきりと理解できないのです。
カレンダーをつかって、楽しみにしている日に
特別なシールを貼り、いっしょに時間の経つのをみたり、
植物を育てさせ、生命が育つには時間が必要で、
じっくり待たなくてはならないのを知ります。

小学校で、朝顔育てたりしましたが、
理科のためだけでなく、
時間の概念も学んでいたことを、
私は、今頃気づきました。

ところで、学校で、
株式投資の仕方を教えることがありますが、
株式投資、投機は、くせものです。
時間の概念を狂わせるものです。
時間の概念などなく、
あがる時は一日ですごく上昇。
お金はこんなに簡単にあがるものなのかと
子どもは思ってしまいます。
村上さんも早くから小遣いを与えられ、
株式投資をしたということですが、
その結果が、あの逮捕です。
株式投資を学校教育に取り入れるのは、
そのやり方を慎重にすべきことを、
大いに警告したいと思っています。
できれば、とりいれないでほしい。。。。
(時間の概念から、ちょっとそれてしまいました。)



②我慢強く待つことの大切さ
我慢強いとは、どういうことでしょうか?
それは、現実を受け入れ、
現実を認めると言うことです。
ぐちぐちと文句を言いながら、
いやいや我慢するということではありません。
たとえ、最悪の状況であっても、
腹をきめて、できるだけの努力をするのです。
ベストを尽くせば、それだけで気持ちが明るくなります。
そして、実際、最後には、よい結果がでるものです。


ところで、
人生では、なかなか冷静に待つことができない時もあります。
例えば、赤ちゃんの誕生、家族の手術、大学合格通知待ち、など。
心穏やかではないが、親がどう臨むか、子どもの手本となる。

どうすれば、うろたえず、冷静でいれるか。
①目をとじて、深呼吸を繰り返します。

②「今、自分に出来ることは何か」自問自答し、
行動します。

③時には、子どもがちからになってくれます。
こどもが、励ましの言葉をかけてくれ、慰められるものです。

とくに深呼吸に通じますが、
もし、自分自身が、手術なり、試験なり望むときは、
『自律訓練法』なる手法を心得るのも、一つの手かと私は思います。


明日、
3/10 誉めてあげれば、子どもは、明るい子に育つ

文責:小坂和輝
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3/8 励ましてあげれば、子どもは、自信をもつようになる

2007-03-08 00:17:38 | 子育て・子育ち
第8回 励ましてあげれば、子どもは、自信をもつようになる

「励ます」という言葉の、英語でのもともとの意味は
「心を与える」というものです。
子どもが生活面でも精神面でも、
独り立ちできるようになるまで、
子どもを助け、支えるのは、私たち親の役目です。

「独り立ち」ということが、でてきましたが、
あすなろの木の子育て講座でも話すことですが、
子育てのゴールはなにかというと、
「独り立ち」すること、すなわち
「自立」「自律」と考えています。


どこまで子どもに手を貸し、
どこまで子どもの自主性にまかせるか。
どんな時に誉め、
どんな時に辛口の助言を与えるか。
とても微妙な問題です。
それは、頭で考えることではなく、
心で考えることなのです。

その子はどんな欲求があるのか、
何が得意なのか、
何をしたいと思っているのか、
注意を払い、
それぞれの個性を見極めて、
適切なアドバイスを与えます。

たとえ、結果がどうであれ、
子どもが何かをやり遂げようと
自分なりに頑張ったのなら、
親はそれを認め、
誉めることが大切です。

どのように励ますかは、
時と場合によって違います。
子どもが挫けてしまわないように
手を差し伸べた方がいい時もあれば、
一人でやり遂げるのを見守っていた方がいい時もあります。
いずれも、やさしい言葉をかけて、
適切なアドバイスを与えることが大切なのです。

子どもがうまく出来なくても、
親まで一緒に落ち込んではいけません。
子どもがどこまでできたかに注目し、
目標に向かって頑張ったことを誉めます。
努力ややる気を誉めます。
その上で、適切な助言を与えることが大切です。
ただ誉めていれば済むことではありません。

あすなろの木の講座「コーチング」で
言うことですが、
誉める場合、
「あなたは、○○です。」
(YOUメッセージ)で誉めるのでなく、
「あなたが、○○でしたので、私は、こう感じた。」
(Iメッセージ)
で誉めることが有効だといいます。
YOUメッセージ:
「あなたは、いい点とったね。」
Iメッセージ:
「あなたが、いい点とって、お父さんはうれしい。」
心に響く誉め方は、
Iメッセージから生まれます。



気をつけたいこととして、
①たやすく手を出さない
親がついつい手を出してしまわないようにします。
年齢と能力にあわせて、子ども自身にやらせることは、
大切なことなのです。
親の役目は、こどもが自分で出来るように励ますことです。
*靴の紐を結ぶ
*服を着る
*歯を磨く
*部屋を片付ける
これらは、子どもには時間がかかることを念頭におきます。
時間に余裕を持って、させてあげます。
そのためには、30分早く起こすことも必要です。

②過保護にならない
失敗してがっかりさせるのは
かわいそうだと思って、
ついつい過保護にならないようにします。
たとえ失敗しても、子どもが自分自身で
やり遂げることに意義があるのです。

小坂も同感で、
「情けは人のためならず」とありますが、
失敗しないように手を貸したり、
もしくは、失敗したことを尻拭いして、
失敗しなかったように見せかけたとしても、
たとえ、その場は、しのげたとしても、
必ず、同様の失敗を人はします。
そして、失敗の代償は、
はじめの失敗よりも大きな代償になることが
多々あります。
失敗は、存分に経験させることが、
子育てで、大事かと思います。
成功よりも、失敗体験の方が貴重です!!
実社会では、本当に失敗はできません。
子ども、未成年のうちだけです。
失敗ができるのは。

私も高校時代、
麻雀にまつわる不祥事をし、
出校停止処分を受けました。
この処分を経験していなかったら、
今頃、賭け事大好き
人間になっていたかもしれません。反省。

③無理やりさせない
「やってみるだけでいいから」と言って、
無理やり嫌がっていることをやらせないことです。
これでは、
「ただちょっとやってみるだけでいい。
後はどうでもいい」
と言っているようなものです。
最後まで、やり遂げる努力を放棄してしまいます。

子どもがなにか難しいことに
チャレンジしようとしている時には、
親は子どもの可能性を信じることが大切です。
ベストを尽くすように励ますことは、
プレッシャーをかけることとは違います。
きっと出来ると信じることが、
子どものやる気を引き出すのです。

決して親が自分でかなえられなかった夢を、
無理に子どもに負わせないことです。
好きなことをしている子どもは、
目が輝き、いきいきしています。
この姿を見るのが、親の本当の喜びだと思います。

子どもが途方もない夢を抱いていたとしても、
その夢を信じることです。
子どもは自信を失いかけても、
親に支えられれば、
自信を取り戻すことができます。
親が子どもを信じ、
その子の夢、
その子の力、
その子のすばらしい内面を
心から認め、
子どもを支えれば、
子どもは自尊心のある
強い人間に成長することが出来るのです。

夢が実現しなかったとしても、
全力投球してきた過去は、
決して無駄にはなりません。
途中で諦めていたら、
いつまでも後悔が残ります。


小坂は、もともと医師になりたかったのですが、
高校3年生当時の共通一次試験の点数が悪く、
医学部が難しく、一度理学部に入学しました。
私にとって、妥協でした。
しかし、夢を諦めてはならないと思い直し、
理学部に退学届けを出し、
一年間浪人し、
医学部に入りました。
再チャレンジする若者を、
是非応援したいと、
自分の経験から、思っています。
夢を諦めるなといいたいです。


注、今回、中央区議会議員に
立候補していますが、
あれだけやりたかった医師を
放り出すのではありません。
小児科医として、
子どもが健康になってほしい
その「理想像」を考えた時、
政治という道具が
政治という力が、
必要に感じたからです。
あくまで小児科医が、
私のアイデンティティです。

文責:小坂和輝
コメント (2)
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ホンネとタテマエ

2007-03-07 11:30:00 | メディア・リテラシー
昨日の私の中央区議会選挙出馬宣言と、
くしくも前宮城県知事
浅野史郎氏(59)の東京都知事選挙出馬宣言と、
同じ日になったようです。


さて、
ホンネとタテマエ。
日本社会では、当たり前といいます。

私の尊敬する先生の一人、
目白大学人文学部国際政治学助教授
石井貫太郎先生の
昨日の講義でもその話になりました。

ホンネとタテマエ。
日本だけでなく
どこの世界でも、当たり前。

外交上も重要。

政治の中での、ホンネとタテマエ。

2003年のイラク戦争をした米国
タテマエ:
多量破壊兵器の保有疑惑の
フセイン政権を打倒し
世界を平和にする
ホンネ:石油資源がほしい

小泉首相
タテマエ:
郵政民営化、○か×か
○しか答えようのない問いかけをして、
選挙に圧勝
ホンネ:
自民党の一党独裁体制の構築

太平洋戦争をした米国
タテマエ:
真珠湾攻撃されたから開戦
ホンネ:
ルーズベルトは、ニューディール政策の失敗後、
戦争による経済の建て直しをしたかった


私たちは、タテマエしかみることが
できません。
石井先生は、
政治家が言うところの
“タテマエ”をよく見ること、
タテマエをよく見て、
その裏にある本音を類推することを
強調されました。

そうすることで、
政治家に騙されない
賢明な国民になることが出来ます。

タテマエを見抜くポイントは、
自分が為政者になったつもりで、
タテマエを見ることです。

文責:小坂和輝
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3/7 叱りつけてばかりいると、子どもは「自分は悪い子なんだ」と思ってしう

2007-03-07 06:05:14 | 子育て・子育ち
第7回 叱りつけてばかりいると、子どもは「自分は悪い子なんだ」と思ってしまう

子育てをしてゆくうえで、
子どもの善悪の判断を教えることは、
とても大切なことです。
そして、善悪の判断を学ぶことは、
長い時間のかかることです。

どうやって、善悪の判断を教えたらよいのでしょうか。
例えば、誰かを傷つけたり、
わざとものを壊したりした時にはどうしたらよいのでしょうか。

まずは、きっぱりと、
「そんなことになると分かっていたら、
許さなかった」と、子どもにいうべきです。
そして、
なぜ、そんなことになってしまったのかを
考えさせ、自分の行為を恥じさせ、
反省させなくてはなりません。
ときには、同じ失敗を繰り返させないように、
罰を与えることも必要でしょう。
ただし、厳しい罰を与えるよりも、
子どもを支え、励ました方が、
子どもはよく学ぶものです。

ここで、「罰」というのが出てきました。
子育て広場あすなろの木で、
『子どもの癖と心理学』という講座を
伊丹龍義氏にやっていただき、
ブログでも書きましたが、再度、書きますと、
「罰を与えるのは、いいのか?」というと、
実は、「よくない!!」
おもちゃ売り場で(環境)、
ほしいものがあって、ないてぐずる(行動)。
その結果として、怒られるとします。
怒られること(よくない結果)を伴う行動(泣いてぐずる)は、
怒られることで減少すると「心理学の行動分析の立場」では、考えられます。
罰を与えることで、好ましくない子どもの行動を
減少させることができますが、
しかし、その罰を与え続けられた子は、
①攻撃的になりやすい
②毎回、同じように注意できないと、一時的になりやすい
③全体的にいろいろな行動をしなくなる
と言うことだそうです。
危ないこと、社会的にみて避けるべき行動には、
厳しく「ダメ。」と注意することは、当然必要でありますが、
罰は、避けたほうがよいという結論でした。



こどもが、悪いことをした時は、
感情的に叱る前に、
まずは、どうしてそんなことになってしまったのか、
子どもの話をよく聞きましょう。
そして、その後で、どうすべきであったのか、
それを教えるのです。
子どもは自分が悪い子をしたとは、
知らなかったのかもしれないので
それを悪いことだと教えるのが、
親の役目です。

部屋が散らかっている子に、
「よく平気でいられるわね!
まるで豚小屋じゃない。
ほんとに、だらしがないんだから。」
この場合、子どもに「だらしがない」と
言うべきではありません。
問題なのは部屋が散らかっていることであり、
その子自身ではないので、
「こんなに散らかして。もう限界よ」とだけ
行っておけばよいのです。

誰かを傷つけたり、
怒らせてしまった時には、
相手の身になり、
自分のしたことを反省することが
大切です。
相手の身になる、思いやりのある子に
育てるためには、まずは、
親自身が、子どもを思いやらねばなりません。
子どもの話をよく聞き、
子どもの気持ちを分かろうと親が
日頃から努めていれば、
子どもはその親から学ぶのです。

厳しく叱り付けられて、
おどおどし、
罪悪感にさいなまれていては、
前に進むことはできません。

文責:小坂和輝
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決意表明 

2007-03-06 02:19:00 | 政策・マニフェスト
来る統一地方選におきまして、
私は、以下の提案を行いますことを、
ここに決意表明いたします。


『中央区を子育て日本一の区へ』 
小児科医師 小坂和輝の提案(マニフェスト)


【私の思い】 
~子ども達は、地域の宝。そして子ども達が地域の宝なら、
母親もまた地域の宝。この宝を守りたい、地域の力で守って行きたい~

私は、聖路加国際病院の研修医として上京以来、ここ中央区に住んでいます。ここ中央区で、私自身も子育てをし、平成13年に月島に病児保育・病後児保育室を併設した小児科クリニックを開業。病気の子ども達、子育て不安の親御さん、仕事と子育てに懸命な親御さんに寄り添ってまいりました。
昨今、日本中の至る所で、子どもにまつわる悲しい事件が、多く見受けられます。新聞紙上、毎日虐待にまつわる事件が報道されています。小児虐待、いじめ、自殺、少年犯罪、ここ中央区では、たまたま大きな事件は聞かれませんが、それは“たまたま”起こらなかっただけであり、いつ何時ここ中央区で起こったとしても、おかしくはありません。
悲しい事件が起こらないような手立て、対策が緊急に求められています。
罪のない子ども達が、事件に巻き込まれているのを、小児科医として私は、指をくわえてみていることができません。
いままでは、診察室の中から、子育て環境の整備を、医師会や行政に提案してまいりました。例えば、もっとNPO、ボランティアの力を活用して、病児保育・病後児保育事業の充実を計るように数年前行政に提案いたしましたが、なしのつぶてでした。ちょっとしたアイデアの実現が、もしかして、子育ての負担を減らすことに役立ったやもしれません。
今度は、診察室から外に出て、自分ができることを探してきました。平成17年から子育て広場“あすなろの木”を自主運営開始。そこで出会った子育て中のお母さん、子育てセミナーの後の意見交換で、子育てがたいへんなわけではないのだけれど、だけど、涙をながされました。子育てする日々を淡々と送っていながらも、どこかで心に積もる負担があったのかもしれません。
現在進行形の子育て環境の悪化を食い止めるためには、もっともっとするべきことがある。多くのアイデアが思い浮かび、口にはするものの、一人では実行する力がない。しかし、実現に向けて行動しなければならないという思いが日に日に増して参りました。ここに提示いたしますアイデアに、もし、皆さんのご賛同が得られますれば、区政の場で、是非、提案し実現したいと考えます。小児科医として子どもの目線に立った提案を区政に届かせていきたいと考えます。
子ども達は、もっともっと、心も体も健康になっていいはずです。子育てが、もっともっと、楽しく有意義なものになっていいはずです。仕事と子育ての両立は、普通のことと受け入れる社会になっていいはずです。
子ども達は、地域の宝です。そして子ども達が地域の宝なら、母親もまた地域の宝です。この宝を守る子育て充実策を、区政に提案、実現し、『中央区を子育て日本一の区へ』変えたいと考えます。


【政策理念】
政治は、『道具』です。生活を、社会を、子育て環境を変えるための『道具』です。この『道具』を私は、以下のことを念頭におきながら使います。
1、子ども達の目線に立って
社会での一番の弱者である子ども達に優しい政策であれば、それは、皆に優しい政策になるはず。子ども達にとって、何がよいか、子ども達に、どんな社会にして、バトンタッチしていけばよいか、常に考えて行きます。
2、小児科医として、医師として、区民の健康を守ることを第一
小児科医として、子どもの心の健康、体の健康が守られる政策を実現していきます。医師として、中央区医師会理事として、医師会とのパイプを大切にしながら、健診・検診事業、高齢者医療・介護・福祉などの政策が、真に健康が守られるものとなるように努めます。
3、情報公開、情報開示
区政・行政の情報を積極的に皆様に公開、開示し、区政・行政を身近なものとなるよう努力いたします。
4、ひとりひとりの声が大切
診察室で聞こえてくる声、子育て広場で聞こえてくる声、地域で聞こえてくる一人ひとりの声を大切にし、区政に反映させていきます。
5、ネットワークの活用
ネットワークを大切にし、各分野の専門家の意見を取り入れながら、政策立案をしてまいります。また、日々ネットワークを広げる努力を惜しみません。


【5つの政策】
一、子ども達が心も体も健やかに育つ中央区のために
母親が孤立して子育てすることをなくすために、まず、安心して子育てできる環境整備を致します。子ども達には、早くから感性が豊かになる場を提供、特に、本との触れ合いが大切と考えます。学童期には、食習慣や運動習慣をみなおし、休まずに学校に通える丈夫な体作りを目指します。学童期も、本との触れ合いを大切にするとともに、子ども達一人ひとりの可能性が伸びる教育をいたします。学童期・思春期にはこころの悩みが生じる時期でもありますが、十分対応できる体制作りを行います。また、社会参加の準備期として様々なきっかけ作りを行います。
 
一、大人たちが自己実現できる中央区のために
大人のうしろ姿を見て、子どもは育ちます。大人たちが、自己実現する姿をみることで、自分の手本とすることでしょう。自己実現のために子育てを犠牲とすることのないように、地域で子育てを応援します。自己実現できるには、まずは体が大切。医師の立場から、区民の健康を守る施策を提案していきます。高齢者にとっても同様に、住み慣れた町・地域で、自己実現できる環境整備を行います。

一、地域力の向上のために、各種団体、商店街、NPOやボランティア活動の強化・連携
高齢者の在宅医療・介護や、子育て支援の充実のためには、NPOやボランティア活動が欠かせません。地域の活性化のためには、自治会・町会、PTA、商店街連合会などの活動が欠かせません。各種団体が、地域住民を取り込み、各種団体間の連携が強まることが、同時に防災対策につながると考えます。

一、個性が十分に生かされる地域創り
中央区には、さまざまな地域があります。その地域の特色が十分に生かされる街づくりを行っていきます。築地市場の移転には反対ですが、たとえ移転したとしても、築地の魚河岸文化を守って行きたいと思います。多様な価値観の共生を認めつつ、従来の伝統文化を継承していきます。

一、政治を身近なものに
「誰がやっても、政治は変わらない」という声を聞きます。しかし、政治はとても大切です。政治は、すべてを統括します。経済が発展するのも政治、平和が守れるのも政治、子育て環境が充実するのも政治。今の区政の課題を区民にお伝えし、常に地域の声を伺いながら、政策立案してまいります。区民ひとりひとりの声、区民との話し合いを大切に致します。

(5つの政策の具体案は、当院にて、討議資料として配布しています。)
以上

文責:小坂和輝




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3/6 親が他人をうらやんでばかりいると、子どもも人をうらやむようになる

2007-03-06 01:26:10 | 子育て・子育ち
第6回 親が他人をうらやんでばかりいると、子どもも人をうらやむようになる

嫉妬は、どんな目で他人や物事を見るか
によって生まれる感情です。
嫉妬深い目には、隣の芝生は青く見えます。
本当は、自分の庭の芝生が青かったとしても。

子どもが、己の幸福を幸福とし、
他人をねたんだりすることがないように、
親は教えなくてはなりません。

そもそも、他人と自分を比べること自体は、
避けられないことです。
実際、自他を比較することなく生きるのは、
不可能です。
自他の違いを認識してこそ、
物事を見る目が養われるのです。
子どもも、自他の違いを気づくことから、
批判能力を育ててゆきます。
問題なのは、違いを認めた後、
私達がどう思うかなのです。
人をうらやみ、嫉妬してしまうか、
そうはならないか。

親御さんの中には、
他人の子どもに嫉妬する人もいます。
子どもを自分自身の一部だと思い、
子どもの出来不出来が親の価値を決めると
思っているからなのでしょうか。

わが子の欠点ばかりみているから、
他の子に嫉妬してしまうのです。
わが子の長所を見るようにすればよいのです。
そうすれば、他の子と比較したとしても、
すべてはその子の個性なのだと思えるようになるはずです。

ここで、皆さん、
自分の子の長所がすぐに、10あがりますか?

子どもの成功や失敗は、
その子自身のものであり、
親のものではないのだと肝に銘じることも大切です。
子どもには子どもの人生があります。
自分のかなえられなかった夢を子どもに託して、
過剰な思いいれをしないように、
いつも気をつけていたいものです。

自分の不完全さを受け入れ、
己の幸福を幸福とする親の姿が、
子どもにとっては、
何よりの手本になるのです。


私の子もお受験を致しました。
子どものためといいながら、
他人の子と自分の子を
比較していたことを、
反省させられます。
受験日が迫ってきているのに、
そのレベルに子が到達していない。
お教室では、まず、先生から、
親がしかられ、
帰ってから、親が子をしかる。
お受験のプレッシャーの中で
多くの幼児がもがいているのではないかと、
心配になる。

文責:小坂和輝
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3/5子どもを馬鹿にすると、引っ込みじあんな子になる

2007-03-05 07:07:43 | 子育て・子育ち
第5回 子どもを馬鹿にすると、引っ込みじあんな子になる

人間には、人を馬鹿にして面白がるという残酷な一面があります。
子どもの中には、人から馬鹿にされて
引っ込みじあんな性格になってします子もいます。
(これは、おとなしい性格の子とは違うのです。
おとなしい子は、人と親しくなるのに時間のかかる子です。)

人を馬鹿にする時、私たちは笑います。
これは、人をおとしめて、あざ笑っているのです。
人を馬鹿にするとは、人をあざ笑うことだといえるでしょう。
本当の笑いは、人の心を和ませ、仲間意識を強めるものですが、
人をあざ笑うというのは、違います。
人に嫌な思いをさせて、笑いを引き起こすからです。

私も、以前(2007/02/17 2007/02/23)笑いについて書きました。
人をあざ笑うことは、避けたいものです。


自分の子がいじめる側になっている場合があります。
もしそうなら、
「もしあなたが同じことをされたら、
どんな気持ちがすると思う?」
「そんなことを言われた人が、
どんな顔をしたか、憶えているかい?
その人がどんなきもちだったか、
考えてみたことがあるかい?」
こんなふうに、子どもに問いただすべきなのです。

子どもに思いやりを教える一番の方法は、
親が子どもを思いやることです。
子ども自身が人から思いやりを
受ける経験をしていれば、人の気持ちに敏感になり、
人に優しくなるものなのです。


私が思うに、
今、いじめの問題、いじめられた子の自殺、
という悲しい事件が起きています。
ここで書かれていますように、
いじめの事件の周辺にいる子達は、
『共感』することができないのだと思います。
昨日(2007/03/04)掲載いたしましたが、
共感とは、相手に近づこうとする感情です。
共感するとは、
相手の苦しみや悲しみを、
わが身のこととして
感じることです。
共感とは、思いやりの感情であり、
相手のために何が出来るかを
考える心の働きです。
共感、思いやりの感情は、
親が子を思いやることで育ちます。
時間がかかる話です。
いじめの事件の、根本的に解決する鍵は、
ここにあります。


いじめにあっていることを、
子どもはなかなか親にいえないものです。
親としてできることは、
子どもの様子に日頃から気を配ることです。
□急に元気がなくなったり、
□無口になったり、
□精神が不安定になったり
してはいないでしょうか。

もしいじめがあるようでしたら、
まず真剣に話を聞くことです。
子どもを励まし、守ることはできるはずです。
いじめに負けずに、
他の友達をさがすようにと、
親は子どもに言うことができます。
学校の先生に相談し、協力してもらうことも必要です。
これは、いじめている子を叱ってもらうためや
わが子を守ってもらうためではありません。

そして家庭がくつろぎの場であり、
心からほっとできる場所であれば、
子どもはそれだけで救われます。
そして、親自身が人の弱さや欠点を
受け入れられるこころの広い人であれば、
家庭は、子どもが心から安らげる
暖かい場所になることでしょう。

私達の大人も失敗だらけで、
時には自分で自分を笑うこともあるでしょう。
人をわらうのではなく、
自分で自分の失敗を笑い飛ばせる家族、
そしてそれを許せる家族。
そんな家族であれば、
子どもは本当の強さを
身につけてゆくはずです。


私も学んだことがあります。
家庭というのは、『保護膜』であると。
学校や外で、嫌なことがあっても、
家庭に帰り、嫌なことを全部親に話して伝える。
そのことで、心が安らいで、学校や社会に
出て行けるといいます。
今、家庭の『保護膜』機能が落ちています。
家庭に帰っても、孤食、一人で食事をする。
食事の中で、学校で起こっていることや、もしかして、
いじめの気配を親が感じることができるのですが、
それを見逃すことになります。
いじめから子どもを、守る、
いじめる側に子どもをさせない、
家庭が『保護膜』機能を果たしていれば、
起こらないはずです。

文責:小坂和輝
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3/4 「かわいそうな子だ」と言って育てると、子どもは、みじめな気持ちになる

2007-03-04 00:08:21 | 子育て・子育ち
第4回「かわいそうな子だ」と言って育てると、子どもは、みじめな気持ちになる

私達は、
自分がみじめな気持ちになる時がありますが、
自分をかわいそうだと思えば思うほど、
ますますみじめな気持ちになり、
泥沼にはまり込みます。
子どもに対しても
かわいそうな子だと思えば、
子どもは、何事にも消極的になり、
自分は何をしてもだめなんだと思い込むようになります。

やる気のある子、努力を惜しまない子に
育てるには、どうしたらよいのでしょうか。
それは、まず手本になることです。
何事があっても絶対弱音をはかない
強靭な精神の持ち主になる必要はありません。
逆境に陥った時、
くじけずに立ち向かうことができれば、十分です。
私の座右の銘は、“Never Give Up”でありますが、
まさに、立ち向かうことは続けたいと思います。
でも、この精神で入られるのは、
自分の体が健康であればの話であり、
年に二回、風邪を引くことがありますが、
その時には、精神が弱まります。
体がまずは、資本な気がします。
“健全な肉体に、健全な精神が宿る”とは、
よく言い当てています。

もう少し、言うなら、
その健全な肉体を支えるのが、
医師でもありますので、
医師が適切な医療を提供しなくては、
人が健康にならず、
社会が病むことになる。。。



やる気のある子、努力を惜しまない子に
育てるには、どうしたらよいのでしょうか。
もう一つは、子どもを信じることです。
子育てで、必要な言葉を一つだけ述べよと、
質問されれば、私は、子どもを「信じること」と、
答えます。
何があっても、
あやまって事件を起こしたとしても、
例えは非常に悪いですが、
殺人の罪を犯したとしても、
親だけは、子どもを「信じ続ける」ことが、
大切だと思います。
逆を言えば、
子どもを「信じ続ける」親で育った子で、
反社会的な行動はとらないと、思っています。


だれでも、みじめな気持ちになり、
弱音をはいてしまうことがあります。
仕事で疲れている時、
誰も自分を認めてはくれないと感じる時などは、
特にそうです。
暗い気持ちでいると、
ますますみじめになり、悪循環です。

悪循環にならないためには、
気持ちを切り替えることです。
○自転車に乗って汗をかく
○外を早足で歩く
○私なら、ひとっぱしり、
隅田川の堤防をジョギングします
○ブログやメーリングリストを書くのも、
私には、気分転換です。
○よい自分の状態を、
どこか素敵なところを旅しているなど
イメージを頭に描く
・・・・・・


子どもに対して
自分の子どものころは、・・・・
と小言をいいたくなることがありますが、
子どもは、子どもなりに
一生懸命やっているのをお忘れなく


子どもが親にかまってもらいたくて、
同情を引こうとして、
仮病を使うことがあると書いています。
4歳のトレーシーが、
親にかまってもらいたくて
「お腹が痛い」と、
朝、保育園に行く間際に言い出しました。
そんな時、一番大切なことは、
親の同情を引けば、
わがままを通せるのだと、
子どもに思わせないように注意することです。
もし、学校に行きたくないために、
仮病を使っているようならば、
次のように尋ねてみるとよいでしょう。
「学校に行ったら、どうなっちゃうと思うの?」
「家でどうしていたいの?」
「本当はどうだったら一番よかったの?」
「どうすれば、そういうふうにできると思う?」
こんな風に問いかけてゆくうちに、
子どもは本当はどうしたいのかが、
自覚できるようになります。
親も、子どもとの対話をとおして、
子どもの状態をつかむことができます。

私が、補足するのであれば、
“子どもに仮病はない”と考えます。
本人が「お腹がいたい」といえば、
それは、本当のところお腹がいたくなかったとしても、
お腹が痛いと取るべきだと思います。
すなわち、「お腹がいたい」といいたくなる
状態にあるというメッセージであるからです。
そんな時は、迷わず、
かかりつけの小児科に行っていただきたい。
「これは、仮病と思われるから受診しない」とか、
考えるのではなく、
気軽に受診していただいて、
かかりつけとして、
いっしょに子どもの状態を、
親御さんと
診て行きたいと考えています。


また、子どもは、
「自分にはできない」といって、
親の同情をひこうとすることもあります。
「自分にはできない」は、究極の言い訳になります。
本当のところは、
できないのではなく、
やる気がないから、
あるいは、やりたくないから、
こういうことを言う場合があるのです。

この手に乗ってしまったら、
「自分にはできない。自分には能力がない」
という子どもの言い分を、
親は受け入れたことになってしまいます。
こんな後ろ向きの姿勢を、
子どもにとってほしくありませんね。
子どもの話をきき、どうしたら
前向きになれるかを
子どもと一緒に考えることです。
親の役目は、子どもを励まし、
導きながら、
うもれている能力を
引き出すことなのです。

手助けのかげんが難しいですが、
最初にアドバイスを与え、
手助けをしておいて、
後は子どもに任せることことです。
子どもが自力でやりとげられるように
見守ることが大事なのです。

『同情と共感』
私達は、
かわいそうな人に同情します。
しかし、同情とは、
相手と距離をおく感情です。
かわいそうな人に
同情することによって、
自分はそんなめにあわなくてよかったと、
こころのどこかで優越感にひたっているのです。

そうではなく、
共感することです。
共感とは、相手に近づこうとする感情です。
共感するとは、
相手の苦しみや悲しみを、
わが身のこととして
感じることです。
共感とは、思いやりの感情であり、
相手のために何が出来るかを
考える心の働きです。

こどもが苦境にあるとき、
親として共感し、
「あなたならできる」と子どもを信じる。
そうすると
子どもも「できる」と信じることができます。
子どもを信じて励ますことが、大切です。


私が思うに、
子育てがテーマで集まりで、
親御さんからよく出る質問は、
「子どもにやる気がないのだけど、
どうしたらよいですか」というのが、
よくでます。
ここにありますように、
「子どもを信じ、励ますこと」これが、
回答のように感じます。

あと、『共感』ということが出ました。
人はコミュニケーションをとる存在ですが、
コミュニケーションの究極の目的はなにか?
それは、一言で言うと、『共感』です。

子育てや教育の中で、
人の気持ち、自然の営みに、
『共感』できる子に
育ってほしい。
その環境を整えるのが
大人の責任だと思います。

文責:小坂和輝
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安全な医療を目指して

2007-03-03 03:51:49 | 医療
以前述べましたように、来る新年度4月から、
第5次改正医療法が施行されますが、
その中の重要項目に医療安全の確保があります。

私が属します中央区医師会では、
それにむけ、医療安全講習会を実施してまいりました。
昨日3/2も同講習会が開催され、出席いたしました。
講師は、安福謙二弁護士。

1)医療事故数はどれくらいおこっているか?
財)日本医療機能評価機構の発表したところによると、
大学病院・国立病院等の主要な病院(272の病院)で
一年間に1063件(2004/10/1~2005/9/30)
うち死亡149件。

2)医療事故
医療事故の争点の一つに
『不可抗力』VS『予見可能』がある。

『不可抗力』とは、
医療の現場は、常にリスクと向き合い、
確立の中での業務から生じる事故であるという見方。

『予見可能』とは、
予見できる事態に備えなかったために事故が起きたという見方。
よって、医師には、刑法第二百十一条でいう
業務上過失致死傷としての事故として、刑事責任が問われることになる。

医師弁護側は、『不可抗力』を主張し、
検察側は、『予見可能』であったとし業務上過失致死傷を主張する。

医療の現場をしらない検察側は、
安易に予見可能とみてしまうが、
患者は、病気であり、その状態だけでもリスクがある。
それに治療を加えるのであるから、
リスクは常についてまわっている。
事故は、起こりうる状況なのである。

3)医療過誤訴訟は、増加
その背景には、患者が求めているものの変化がある。
患者の満足感が変化し、
診療契約にもとづくサービスの提供をする時代となった。
患者は、“顧客満足”を求めるのである。

4)この時代における医者と患者の関係は?
顧客満足の視点である患者と医療現場で向き合う場合、
『医療側と患者の協同』という関係になる。
チーム医療の中に、
患者が参加者になる。
もっといえば、患者が主宰者になるのである。

医師は、患者に病気のリスクを話す。
また治療・検査のリスクを話す。
そして医師と患者でリスクを共有する。

患者のニーズを医師が把握する。

患者のニーズに合った医療をする

5)不幸な事故が起こった場合
当事者の一方の被害感情が激しい場合、
その結果を乗り切るためには何が必要か。

①被害者側が忘れる。日本流で言う「水に流す」
②加害者側が、全面謝罪する。
③裁判 
責任限定論として、組織全員の責任としないで、
ある一人に責任を負わせるような形にする。
しかし、この裁判が増えると、
医療側がもたなくなるであろう。

6)これからの医療安全を確保できる社会に求められるもの、
それは、医療事故の“真相究明”のための
第三者機関を作ることである。
これは、医者側でもなく、しかし検察側でもなく、
まさしく独立した機関である。
今はないが、将来、是非、
作る必要のある機関であると考える。
創設に向け、
国レベルの働きかけが必要である。

文責:小坂和輝
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3/3 不安な気持ちで育てると、子どもも不安になる

2007-03-03 00:45:35 | 子育て・子育ち
第三回 不安な気持ちで育てると、子どもも不安になる

親から受ける暴力、虐待や無関心、
生死にかかわる病、
身近な人から受けるいじめなど、
子どもにとっては、
実に恐ろしい体験です。
毎日、そんな恐怖を感じていたら、
子どもはおどおどし、
いつも不安な気持ちでいることになります。
人ともうまく付き合えなくなり、
何事においても消極的になってしまいます。

子どもが怖いと言った時には、
親はばかばかしいと思わずに、
真剣に耳を傾けたいものです。
怖いと思っている子ども本人にとって、
恐怖は現実そのものなのです。

両親の離婚は、
子どもにとって最もつらい経験になります。
何よりも子どものことを優先すべきで、
離婚しても親が親であることにはかわりない、
これから先も両親二人で面倒を見ていくことを、
子どもにきちんと伝えなくてはなりません。

親は、子どもの自主性をのばし、
なおかつ危険にさらされることがないように
気を配らなくてはならないのです。
子どもにどれだけ自由を許すかは、
子どもの年齢に合わせて考えなくてはなりません。

子どもの話に耳を傾けます。
「幼稚園どうだった?」と聞くよりも、
「今日は、幼稚園でどんなことがあったの?」の方が、
具体的に話しやすくなります。

親だって不安な気持ちになる時があります。
大切なのは、その不安をどう表現するかです。
親の正直な姿をみれば、子どもは、
人間というものは不完全なものなのだ、
時には人の支えや励ましが必要なのだと言うことを
学ぶようになります。

文責:小坂和輝
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