「中央区を、子育て日本一の区へ」こども元気クリニック・病児保育室  小児科医 小坂和輝のblog

感染を制御しつつ、子ども達の学び・育ちの環境づくりをして行きましょう!病児保育も鋭意実施中。子ども達に健康への気づきを。

7月福祉保健委員会 まとめ

2007-07-11 12:33:13 | 政策・マニフェスト
本日7/11、私が属す福祉保健委員会が開催された。

行政からの報告は、

1)地域自立支援協議会の設置について
2)医療相談窓口の開設について
3)温泉施設の安全点検の結果について
4)中央区新型インフルエンザ対策行動計画について

これらは、すべて、重要な課題である。
私の意見、提案もふくめ、区の回答をまとめる。

1)地域自立支援協議会の設置について

①地域自立支援協議会について区民代表や、福祉関連NPO構成員も加えること
 協議会委員は、7/1にすでに決定とのこと。
 区民代表は、計画の実施状況を公開していくために協議会に入っていることはよいが、プライバシーにかかわることを話す可能性もあり、今回、区民代表を協議会委員にすることはしなかった。私は、民生委員なら可能ではないかと、今後の検討を投げかけた。
 また、福祉関連NPO構成員は、下部組織の部会の中で、取り入れていくと回答あり。

②バリアフリーの提案を、実行に移せるように道路整備当局との連携について
 バリアフリーは、障害者自立支援法の枠外である。「福祉のまちづくり委員会」で、とりあげていくと回答。今後、この「地域自立支援協議会」と「福祉のまちづくり委員会」が連携取れることを要望。

③地域自立支援協議会の公開について
 公開との定めあり。


2)医療相談窓口の開設について
 医療の安全と信頼をたかめるとともに質の高い医療サービスを推進するために、医療に関する区民からの相談や苦情への迅速な対応及び医療安全の確保に関し情報を提供する窓口である。区は、第三者的に中立に対応する。
 江東区、板橋区、杉並区でも同様に相談窓口を設置。臨時職員を雇用している。
 今後、医師会や薬剤師会、歯科医師会などとも共同の医療安全の研修会開催も検討していく。

①業務委託について
 医療相談を受ける側は、医療の専門的なこともわかっている必要があり、かなり高度な知識やネットワークを必要と考えられる。人材派遣の株式会社に経験豊富な看護士の派遣されることになっている。
 派遣された看護士に対し医療相談に充分対応できるよう研修するとともに、行政内部でのバックアップ体制をつくるとともに、医師会等とも連携し、区民の医療相談に充分対応できるようにしていく。
 今回の人材派遣会社は、6/22の指名競争入札で決定した。

②相談方法は、電話による相談を原則とする点について
 基本は、電話であるが、来所での面談の対応もしていく。
 メールの対応はまだ考えていない。

③相談内容のフィードバック
 相談内容の匿名性は保持しつつ、受け付けた相談を、報告書として作成していく。


3)温泉施設の安全点検の結果について
①可燃性ガスについて
 立ち入り検査のとき、保健所が、実際、メタンガスの測定は行っていない。業者の報告である。

②ガスセンサー設置
 ガスセンサーの設置は、まだ、不明。出来次第報告する。


4)中央区新型インフルエンザ対策行動計画について
①日頃からの準備としてのインフルエンザワクチンの予防接種
 高齢者へのインフルエンザワクチン接種の補助を行っている。現在、高齢者の42%が接種するようにまで、なっている。また、ワクチン接種の勧奨は、児童館でのお知らせなどでも行っているところ。
 なお、乳幼児のインフルエンザワクチンの効果に関して、データがまだないので、ワクチン接種費用の補助は行っていない状況。

②行政間の連携について
 行政の枠を超えた、医療連携が出来る体制整備を今後つくっていく。しかし周辺区はまだこのような行動計画を作成していない。いずれにしろ、東京都の行動計画にそって行動していくことになるが、今後、周辺区ともすり合わせも行っていく。

③パニックをおこさせない
 タミフルの安定供給と、新型インフルエンザ用のインフルエンザワクチンの安定供給を望む。
 これに関しては、区民への周知も含め徹底していく。


5)病後児保育のリスクマネジメント
6)幼保一元化
7)特定健診・特定保健指導
に関しては、時間の関係で、今回質問できず。

他の委員から出た内容。
8)コムスンの問題
 利用者に説明文を配布し、事業の継続を説明した。
9)はしかの流行
 当区では集団発生はなかった。
10)浜町の高齢者介護予防の事業
 10名の枠に、85名の受講希望者がいた。
11)赤ちゃん天国 浜町
 同じフロア内で、年齢を分けることをしている。


以上、本日の委員会のまとめ。
小坂の解釈で書いています。
くわしくは、区議会のホームページで
アップされる議事録でご確認ください。



















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メタボリックシンドロームと闘う

2007-07-10 23:14:22 | 医療
肥満から、
メタボリックシンドローム
(内臓肥満症候群)が生じます。
メタボリックシンドロームの多くは、
糖尿病に移行します。
(ちなみに糖尿病の患者の数は、740万人。
糖尿病の方から見ると、すべてが、メタボリックシンドロームから
発症したわけではなく、
もともとの原因で発症した場合(I型糖尿病)や
ウイルス感染後に発症したものなども含まれる。
しかし、耐糖能異常880万人という
予備軍から年間20~68万人が
糖尿病へ移行している。)
糖尿病になった人は、
糖尿病の三大合併症、
いずれも細小血管障害からくるのですが、
①腎症
②網膜症
③神経障害
に進行して行き、果ては、
①腎不全から人工透析(年間新規導入14000人)
⇒今や透析導入の原因の第一位である。
②失明(年間2000人~3000人)
③下肢切断(年間3000人以上)
という重症化の道をたどります。

一方、
メタボリックシンドロームは、
大血管も障害し、
動脈硬化症へ至り、
心筋梗塞(約87万人)
脳卒中(約137万人)
閉塞性動脈硬化症などを
おこすことになります。
これらは、
死の危険があります。
万が一、一命を取り留めても、
重篤な後遺症を生じ、
要介護状態になることでしょう。

メタボリックシンドロームは、
不健康な生活習慣
すなわち、
①不適切な食生活(エネルギー・食塩・脂肪の過剰等)
②身体活動、運動不足
③喫煙
④過度の飲酒
⑤過度のストレス
などから、生じてきており、
『生活習慣病』の概念の一つとして言われることもあります。

メタボリックシンドロームの診断基準は、
8つの医学関連学会が策定した
新基準(2005年4月)
によると
*腹腔内脂肪蓄積
これはウエスト周囲径(ちょうどおへその上で計ります。)
男性 85cm以上
女性 90cm以上
(どちらも内臓脂肪面積 男女とも100平方㎝に相当)
上記に加え以下のうち2項目以上で診断。
*高トリグリセライド血症かつ/または低HDLコレステロール血症
 (150mg/dl)         (40mg/dl未満)
*収縮期血圧130mmHg以上かつ/または拡張期血圧85mmHg以上
*空腹時高血糖 110mg/dl

「肥満」+「高脂血症」、「高血圧」、「糖尿病」
を見ているわけです。



来年度(平成20年度)から、行政が行う健康診断
(こまかくいうと、健康診断の実施主体が、
市町村から、医療保険者にかわります。)では、
『特定健康診査(特定健診)』という名の下に、
メタボリックシンドロームをターゲットにします。

対象者:40~74歳の医療保険加入者 約5600万人に
『特定健康診査(特定健診)』が実施されます。


質問票、身体計測、身体診察、血圧測定、血液検査、検尿などの
検査を行います。(必須の検査項目とその判定値は決まっています。)

検査の結果次第によっては(検査の結果がよくなければ)、
『特定保健指導』の利用券が、結果のよくない人に送られます。

『特定保健指導』該当者:メタボリックシンドロームの該当者及び予備軍ということになり、対象者の約34%と試算すると、約1960万人となります。

これは、3つのグループがあり、
簡単にいうと(検査の結果により、厳密に分けれるのですが、ここでは、簡単にのべます。)
①肥満以外のリスクがない状態の人
②肥満と伴にリスクが出始めた人
③肥満と伴にリスクが重なり始めた人
です。

3つのグループの状態にあわせ、『特定保健指導』が
行われることになります。
①肥満以外のリスクがない状態の人
⇒「情報提供」:自らの身体状況を認識するとともに、健康な生活習慣の重要性に対する理解と関心を深め、生活習慣を見直すきっかけとなるよう、健診結果の提供にあわせ基本的な情報を提供されます。

②肥満以外にもリスクが出始めた人
⇒「動機づけ支援」:自らの健康状態を自覚し、生活習慣の改善のための自主的な取組みを継続的に行うことが出来るようになることを目的とし、医師、保健師、または管理栄養士の面接・指導の下に、行動計画を立て、実際に実行できたかを指導した人が評価します。

③肥満以外にもリスクが重なり始めた人
⇒「積極的支援」:自らの健康状態を自覚し、生活習慣の改善のための自主的な取組みを継続的に行うことが出来るようになることを目的とし、医師、保健師、または管理栄養士の面接・指導の下に、行動計画を立て、計画の進捗状況を指導した人が追うとともに、実際に実行できたかを指導した人が評価します。

*すでに医療機関を「高脂血症」、「高血圧」、「糖尿病」などで、受診中の人も
『特定健康診査(特定健診)』の対象者になりますが、『特定保健指導』の対象者にはなりません。また、前期高齢者(65歳以上75歳未満)に該当した場合、指導の重点を、日常生活のQOLや介護予防を重視した指導になります。


来年度から、
『特定健康診査(特定健診)』
『特定保健指導』が実施されるわけで、
実際に、有効な健診となるよう、
行政の手腕が試されます。

小坂が思うに、課題として、
①他の病気(がん、結核など)の健診との兼ね合い。
(同時に実施可能か、他の検査項目の追加をするか等)

②介護予防の生活機能評価などの介護予防事業との兼ね合い。
(同時に実施可能か等)

③75歳以上という対象外の後期高齢者医療制度との兼ね合い
(「広域連合」との連携も含め)

④『特定保健指導』には、多大なマンパワーが必要
(かかりつけの開業医がそこまで、時間を割けるのかも含め)

⑤『特定保健指導』をいくらしても、本人の健康になろうという意志が、芽生えるかどうかは、本人の問題であり、行動変容をおこさせるのには、非常にテクニック(例えば、コーチング)が必要であろうということ。

等が、
考えられます。


私も医師として、本当に有効なプログラム構築に尽力したいと考えます。



*制度の解説は、
東京都医師会理事 近藤太郎氏の講演を
参考にしております。



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貧困削減と闘った、ひとりの人

2007-07-09 23:08:05 | NPO・地域力
 昨年(2006年)ノーベル平和賞を受賞したバングラディッシュのムハマド・ユヌス氏(グラミン銀行総裁)。
 本日7/9、ユヌス氏の講演を聴講する機会を得た。
 ユヌス氏は、「マイクロクレジット」という小額の無担保融資により、貧しい人々の経済的自立を促す事業を行う「貧者の銀行」を創設し、世界から賞賛を集めている。
 氏が目指すのは貧困の撲滅で、「2015年までに世界の貧困人口を半減させる」ことを掲げて活動し、「貧困なき世界をめざす銀行家」と呼ばれている。

 1940年英国統治下のインド東端部チッタゴン生まれ。大変裕福な家庭だったらしい。ダッカ大学卒業後、フルブライト留学生として渡米。69年米ヴァンダービルト大で経済博士号を取得。バングラディッシュ独立後の72年に帰国し、チッタゴン大学の経済学部長に就任。
 飢饉に見舞われた農村部の貧困層の救済を志して70年代後半に教職を辞し、「マイクロクレジット」という少額無担保融資事業を開始。
 経済という理論を教える一方で、飢餓で人が死ぬのを真の当たりにし、「人を助けたい」という気持ちが、行動に移したという。村では、高利貸しの問題があり、調査すると42人が72ドルを借りていた。72ドルは、自分の能力を超えた問題ではないと、自分で72ドルを出し、村の人を高利貸しから解放。同じ手法で、銀行からお金を借りて、もっと多くの村の貧しい人に貸すようにすればよいと発想。しかし、貧しい人には、銀行は貸せないと。そこで、ユヌス氏自身が保証人になるということで、やっと借りることができた。
 他の村も同様に救って行きたいと思うのだが、銀行の考えは、豊かな人でもお金返済を滞るのに、貧しい人はなおさら無理だと考える。それなら自分で銀行をつくり、貧しい人に融資しようと考える。法律を変えるなど苦労した後、銀行をつくる。83年に事業を組織化して「グラミン銀行」を創設した。当初、女性の比率は1%も満たなかった。しかし、女性は、お金を借りると、その効果は子どもにも好影響が出た。女性は、やりくりの努力をすることで、少ない額でも最大限の効果を出すことにユヌス氏は着目。今や1500万人中、700万人に融資し、97%が女性。貧困層を対象とした住宅融資とともに、携帯電話など事業を拡大している。
 融資は、信頼をベースに行う。融資にあたっては、生活を変える方法を話しあい、解決策の見えたものに融資している。99%返済しているという。
 
 貧困撲滅を巡る功績が認めれられ、84年に「アジアのノーベル賞」と呼ばれるマグサイサイ賞、06年グラミン銀行とともにノーベル平和賞を受賞。

 ユヌス氏は言う。
①貧困を生み出すのはなにか。それは、統治のシステムがわるいから、政策が悪いから生じる。

②ビジネスには、二つの概念がある。「儲ける、利益を最大化する」というものと、もうひとつ、ソーシャルビジネス、すなわち、「社会の問題を解決する」というビジネス。「社会目標の達成を目指す」のである。それは、政府の仕事というのではなく、民間の力で行うところに創意工夫が生じるのである。
 この社会目標を達成するビジネス専門の株式市場があってもよいという。投資家は、社会目標を達成することを指標に投資する。よりよいことを、どうやるか、それが、インデックスとなり、投資判断に使われるのである。

③ODAを政府間で出し合うのではなく、相手方の民間NGOなどにも出すような多様なプログラムがあればよい。
 法の縛りがあるかもしれない。しかし、ODAの目標をまず明確にもつ。その目標達成のために、法律は変えていくべきものである。


 
 講演を拝聴し、学ぶべきものが多く、ユヌス氏の行動は、私自身非常に勇気付けられた。
 おそらく、近日中に、講演会主催の日経新聞で、今回の講演会は、特集されると思うので、御覧あれ。
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【協働 UPDATE4】ボランティア再考

2007-07-08 11:03:34 | NPO・地域力
****************************
質問:
持続可能な未来へとつながる地域づくりを進める上で、市民参加は、不可欠なものであり、様々な場面で、ボランティア活動が展開されています。
 次にあげる5つの項目(A~E)は、ボランティア活動とはどのようなものかを整理したメニュー表だと考えてください。
 あなたが、ボランティア活動を進める上で、重要だと思う項目から順に、1、2、・・・5、と順位付けして並び替えてください。

メニュー表
A社会的な目的を達成する無償の行為である。

B自分ができる範囲で行う社会参加である。

C仲間づくりのための活動の場である。

D社会的使命感を持って行う市民活動である。

E好きだからこそやれる自己実現の行為である。

*************************


さて、重要度の順位付けは、どのようになりましたでしょうか。





ちなみに小坂は、
E好きだからこそ>C仲間作り>Bできる範囲>A無償>D社会的使命感
であった。

ワークショップを一緒にした同じグループの5人の回答は、
B出来る範囲>A無償>C仲間作り>E好きだからこそ>D社会的使命感(高齢、女性)
B出来る範囲>A無償>D社会的使命感>C仲間作り>E好きだからこそ(高齢、女性)
B出来る範囲>D社会的使命感>E好きだからこそ>A無償>C仲間作り(同年代 女性、町会に参加)
B出来る範囲>D社会的使命感>E好きだからこそ>A無償>C仲間作り(同年代 女性)
E好きだからこそ>B出来る範囲>A無償>D社会的使命感>C仲間作り(同年代 女性)

小坂の順位付けの理由は、
 E好きということがまず、なんでもたいせつで、好きなことでないと、長続きはしない。好きなことをやっている結果として「自己実現」もついてくる。好きというのが、第一優先とした。
 また、一人で好きなことをやっても楽しくない。C仲間がいることで、楽しさが増し、長続きすることになる。第二の優先順位を。
 無理をしても長続きできないので、Bできる範囲をすることも大切であり、第三の優先。
 D社会的使命感は、責任も発生するわけで、大切なのであるが、使命感だけでは、疲れてしまうから、順位が一番低くした。
 A無償の行為とあるが、無償でないボランティアの形もあり、一概にはいえないので、優先順位を低くした。

 各自優先順位の自己決定をした後、同じグループ内で話し合いをもち、グループとしての順位付けを行った。
 結果は、E好きだからこそ>Bできる範囲>C仲間作り>A無償>D社会的使命感。
 集団決定までのプロセスは、グループでは、上述のように無理のない参加をしたいという考えから、B自分のできる範囲でを第一優先にする人が多かった。Eの好きだからやるのであれば、趣味でもできるではないかという意見もあった。ただ、Eの好きだからやるということをすることで楽しくしなくては、長続きしないという意見で、まとまり、E好きだからこそを第一優先に、そして第二優先は、B自分のできる範囲ということに落ち着いた。そして、C仲間作りは、結果としてついてくるもので優先順位を低くしたという意見が合ったが、仲間がいることで、一人で好きなことをするより、楽しさが増し、活動が長続きするということで、第三番目の優先順位に。D使命感でやっていると、無理が出て、長続きしないので、一番低い順位に。そして最後に残ったもののA無償の行為は、自動的に第四の優先順位となった。

 自己決定の後、グループ内で優先順位の集団決定行った。自己決定だけでいいのではと思う方がいらっしゃるかもしれない。そうではない。このプロセスで、自分の考えがわかり、価値が明確化し、グループの中で、自分の考えが試され、自分の考えがさら深まるのである。その後、「ボランティアとは?」という講義を受けると、理解の達成度が飛躍的に伸びるのである。

 
 考え方は、様々であり、当然、この質問に正解はないのであるが、この質問作成者の作成者の意図を解説すると、
 「自らが行う」という「自発性」の行為であるという「ボランティア」について、
ABDの質問から、
A「社会的」な目的を達成する無償の行為である。
B自分ができる範囲で行う「社会参加」である。
D「社会的使命感」を持って行う市民活動である。
と「社会」という言葉を入れており、
ボランティアの「公共性」「社会性」の側面を問いかけた。

BCEの質問から、
B「自分ができる範囲」で行う社会参加である。
C「仲間づくり」のための活動の場である。
E「好きだからこそ」やれる自己実現の行為である。
というところから、ボランティアの「持続性」の側面を問いかけた。

各質問を型で述べるのであれば、
A社会的な目的を達成する無償の行為である。
⇒社会事業タイプ

B自分ができる範囲で行う社会参加である。
⇒自己責任タイプ(出来なくなったら、やめていいのかという問題はある。)

C仲間づくりのための活動の場である。
⇒同好会タイプ(同好会のことをサークルというが、ボランティアは、輪を広げることが大切。閉じた輪でなく、開かれた輪でなくてはならない。)

D社会的使命感を持って行う市民活動である。
⇒市民活動タイプ(「社会的使命感」簡単に言うと「放っておけないという気持ち」があってなされることがある。)

E好きだからこそやれる自己実現の行為である。
⇒自己実現タイプ(「自己実現」が目的化すると「社会性」を失うので気をつけねばならない。)


 ボランティアの位置づけを、二つの座標を使って明確にすることができる。
一つは「個人」と「社会」という座標。もう一つは、「手段」と「目的」という座標。
 「個人」の「手段」で、「個人」の「目的」を達成するものを「趣味」という。
 では、「社会」的「手段」を用い、「個人」の「目的」を達成することは、「行政サービス」という。
 「社会」的「手段」を用い、「社会」の「目的」を達成することは、「公共事業」。
 それでは、「個人」の「手段」を用い、「社会」の「目的」を達成するのが「ボランティア」

 なにかワークショップを通じ、「ボランティア」という雲をつかめた気がする有意義な時間を過ごせた。そして、昨日書いた「合意形成」のワークショップの実践でもあった。二つ得した気分。


NPO法人生態教育センター
理事長 小河原孝生氏による
ワークショップを受講した再現。










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日本が民主主義の国になるために

2007-07-07 17:53:03 | シチズンシップ教育
民主主義の実現には、
話し合いの中で、合意を形成するとき、
そのプロセスを大切にしなければならない。

民主主義的な合意形成とは、
どうやったら、できるのであろうか。

合意形成とは、次の3つのプロセスがある。

①自己決定

②集団決定

③分かち合い

基本中の基本、
大切なこととして、
当たり前であるが、
集団決定の前に、
「自己決定」がなくてはならない。

私が、どう考えたか、これをもつことが、
まず、話し合いの大前提である。


自己決定の後、
集団決定に臨む。
集団決定では、
現実は、
“声の大きい人”が勝つ。
そして、多くの人は、
“長いものにまかれろ”となる。
多くの人は、“安易に妥協”してしまっている。



集団決定では、気をつけるべきことは、
どういうことか?

①話し合いは、納得がいくまで
十分、納得できるまで話し合う。自分の意見を変える場合には、自分自身にも、
他のメンバーにも、その理由を明らかにすることが必要。

②他者に勝つのが目的ではない
自分の判断に固執して、他者に勝つための揚げ足取りは、避ける。また、あえて反対のための反対意見を出す必要はない。

③多数決や平均化、取引は、しない
決定するのに、多数決や平均値を出してみる、または取引するといった「葛藤をなくす方法は避ける。また結論を急ぐあまり、あるいは葛藤を避けるために、安易な妥協はしない。

④少数意見の尊重
少数意見は、考え方の視点を広げてくれるものとして、尊重する姿勢が大切。なぜ、そう思うのかをよく聴き合う。

⑤理屈でない場合もある
理論的に考えることは大切であるが、それぞれのメンバーの感情や、グループの状況にも十分配慮する。



上記に注意しながら、集団決定がなされれば、
決定したことを集団で「分かちあう」

このことを「価値観の共有化」(シェアする)という。
意見の違いを“乗り越えて”ではなく、
意見の違いを“のみこんで”行く作業。

ここに“大胆な妥協”がある。



中央区には、地域協議会が、
様々な場面である。
防災、教育、まちづくりなどなど。

是非、民主主義的な合意形成が、
なされることを望む。

子ども達にも、
教育の場で、
①自己決定
②集団決定
③分かち合い
にそった合意形成がなされる機会を
どんどんもっていってほしいと思う。


NPO法人生態教育センター
理事長 小河原孝生氏による
ワークショップを受講してのまとめ。


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大海原が心を洗う 伊豆

2007-07-06 23:27:23 | 政策・マニフェスト
本日7/6、昨日に引き続き中央区議会管外施設視察が行われた。

本日は、中央区立伊豆高原荘。
住所は、静岡県伊東市八幡野1283番地36。

昭和40年11月6日開設で、長い歴史をもつ。
しかし、部屋も小奇麗であり、老朽化を感じさせない。

ここの風呂は正真正銘の温泉である。

温泉につかり、日々の疲れをとる。
もってこいの場所であり、
昨日のヴィラ本栖とともに、お勧めである。

客室17室定員98名。
うち、2室は完全バリアフリー。
この施設は高台にあり、
まどから、海を望み、遠く伊豆大島が見える。

施設周辺には、海水浴場や、ちいさなミュージアムや、
近所には、おいしい御蕎麦屋をはじめ、
おしゃれな食事できるところがある。


室料 大人3000円 小人1500円
及び
賄料(朝・夕2食) 大人2200円 小人1500円。
夕食となるものを試食したが、海の幸を
ふんだんに使い、大変おいしくいただいた。

交通の便もよく、
JR特急踊り子号 伊豆高原下車。往復 約11000円。
そこから、徒歩 約25分。
バスもある。
そして、65歳以上区民には、駅からの往復タクシー券がでるらしい。




ここは、課題がある。

①指定管理者制度導入
平成20年4月から、指定管理者制度を導入する。
業者の選定委員会を立ち上げ、決定されることになる。

②大規模改修
耐震補強、浴室・トイレ等のバリアフリー化、
屋上防水補修、空調機・衛生設備等改修が
なされる。
それにともない、平成19年11月から、平成20年6月まで休館。
7月から開館。

新生の伊豆高原荘の誕生を楽しみにしながら、
まちたい。
リーズナブルの伊豆高原旅行を是非、お試しあれ!!


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樹海が生命を蘇らせる ヴィラ 本栖

2007-07-05 23:30:13 | 政策・マニフェスト
本日7/5、ヴィラ本栖の中央区議会管外施設視察が行われた。

まさに、森の中の場所。
言うことなしの良い立地であった。

中央区立区民健康村というのも分かる。

現在、冨士屋ホテルが、指定管理者として運営されている。
平成4年で、あたらしくて、きれい。
客室27室。定員100名。

温泉ではないものの、
それに近づけた湯をつかった風呂。
窓からは富士山がそびえたつのが、見える。
風呂あがりに冨士をみながらくつろげるのは、贅沢である。

中央区から直行バスがでているし、
河口湖までの送迎バスもある。

二棟のコテージもある。
考えようによっては、
本栖に別荘を持っていることになる。

小学生も利用するようで、
大自然のなかの課外活動は、
思いで多きものになるのではないだろうか。

年中無休(施設点検のために年間6日程度の臨時休業あり)。

ここ三年は、年間12000名程度の利用者。

竜ヶ岳の登山、歩いていける本栖湖の舟遊びや湖岸のサイクリング、
その他富士五湖周辺のミュージアムや公園、
遊ぶのにことかかない。

どんどん利用されてはと思う。


健康村ということで、
健康プログラム的な仕組みを
増やしても面白いかもしれない。

森の中でゆっくりするだけで、
生命がよみがえる。





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幼保一元化(4) 何を大事に考えるか

2007-07-04 15:28:36 | 教育
fukudaさん(2007-07-02 22:45:14)
masacoさん(2007-07-03 10:35:10)
活発なご意見、ありがとうございます。

fukudaさんがおっしゃいますように、
幼児期大切なことは、[遊び]、[生活習慣の確立」であると思います。

masacoさんがおっしゃいますように、
「子どもの興味をつぶさない」ことを重要視することも大切であると思います。


新しく生まれるべき“本当の幼保一元化”の施設では、
「就学前の子ども達にとって、何が大切か」
「就学前の子ども達に何を身につけてもらいたいか、何を学んでもらいたいか」
「就学前の子ども達をもつ家族に子育て支援はどうあるべきか」等
の議論から入って、そこから、施設形態や、運営法などを考えていく、
これがまず基本であるべきです。

「保育内容論の検討→施設形態論の検討」であるべきなのに、
「施設形態論の検討→保育内容論の検討」となっている。
本末転倒とは、このことをいうのでしょう。

現場の声、子育て家族の声を聞き、
“本当の幼保一元化”の施設の実現を目指していきたいと思います。

“本当の幼保一元化”の問題点・課題はたくさんありそうです。


①保育の基本条件(設備、職員配置、職員資格、調理室の必置規制など)が引き下げになる可能性がある。


行政の出す基準(総合施設モデル事業の評価について(最終まとめ)06年3月31日)では、
職員配置および職員資格(0~2歳児):
「保育所と同様の職員配置にすることが望ましい」
「保育士資格を有する者が従事することが望ましい」
調理室:
「調理室についてはその設置が望ましい」
等のように書かれている。

「望ましい」という書き方は、最終的な判断を
事業者に任せるということになり、
基本条件の引き下げにつながりうる。


②利用者の保育保障の優先順位が守られなくなる可能性がある。

行政の出す実施要項(『総合施設モデル事業』実施要項の決定について(通知)05年4月6日)に
「原則として、利用者と施設の直接契約によるものとする」
とある。
直接入所契約制度の導入により、
契約が、実施施設にゆだねられ、その「公正な選考」が
なされるかのチェックが効きにくくなる。
とくに障碍児や母子・父子家庭などが排除されないよう行政が、
園をチェックする体制も必要。

「保育に欠ける」児童が、希望の施設に入れなくなる可能性があり、
行政の保育実施・提供の責任をどのように果たすか、課題となる。


③保育料が高くなる可能性がある。

「保育料を設置者が決定できる」(「法律案の概要」)とあり、
保育料の設定に関する自由化の方向である。

④「認定こども園」の地域格差が出る可能性がある。

認定に関しては、都道府県が行うため、地方間格差が出る可能性がある。


⑤子どもにとって教育・保育の一貫性がなくなる可能性がある。

0~2歳児は保育所機能および親子登園教育、3~5歳児は、4時間程度の担任による学級単位の教育・保育時間、それ以外の長時間児は個別対応が可能な体制となることが構想されている。教育・保育内容が入り組んだプログラムと成り、子ども達が、所属感をもつことや、関係性を形成することに、悪影響を与えかねない。

プログラム作成にあたっては、「午睡と帰宅」を如何にいれるか、プログラムの連続性が課題となる。


⑥きめこまかな給食の提供が出来なくなる可能性がある。
給食の外部搬入が可能といわれ、アレルギー除去食、代替食の実施や、体調不良時の配慮といったきめ細かな配慮が出来ない可能性がある。


以上、
望月麻紀氏、浅井春夫氏の論文を参考に、上げさせていただいた。
まだ、確定的なものではない以上、問題・課題が実際生じないこともあるかもしれませんので、ご了解下さい。

流れの中で、はっきりしてきましたら、また、お伝えしていきます。








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柏学園&館山臨海学園

2007-07-03 23:18:19 | 教育
中央区には、すばらしい区立の臨海学校、林間学校がある。
本日7/3、中央区議会管外施設視察を行った。

まず、中央区立柏学園(千葉県柏市柏1236番地の1)。
昭和23年から利用が始まり、
昭和63年には新校舎を建替え現在に至る
古い歴史のある施設である。

広い敷地面積46394㎡に広い運動場、
実習園、自然観察散歩道としての林、立派な桜の木、
縄文時代の住居、芝生、テニスコートがある。

体育館は、バスケットやバレーコート二面とれる。
宿泊棟は、15畳が14室。
学習棟・食堂2229.60㎡で、青森ひばの木の壁をもち、
光を存分に取り入れるつくりの明るい施設。

定員180名。

農園は、子ども達のさつまいも栽培がなされるが、
草取りなどは、別に日々の手入れをしてくださる
方がいる。

申し分ない施設である。
宿泊施設が小学校中学校に限り、
社会教育として、成人にも解放するかどうかが、
一つの課題ではある。
いずれにしろ、有効活用をどんどんしていくべき施設と考える。



次に、中央区立館山臨海学園(千葉県館山市大賀70)

こちらも敷地面積16259.65㎡と広々とし、
広い芝生には、キャンプファイヤー用のサークルが2つ取れる。

建物2978.16㎡、昭和43年に落成で、
建物は、やや老朽化している。

定員250名。

こちらには、重大な問題が発生してきている。
今まで利用してきた「香(こうやつ)海水浴場」が、
近年の砂の減少で“公設”海水浴場の指定が
本年四月になくなったのである。
今年は、そのため一つ近くの
小さな小さな「大賀海水浴場」を利用する。

臨海学校の命は、海水浴。
それが十分に出来ない施設になりうる。
小規模の学校なら大丈夫であろうが、
ちょっと「大賀海水浴場」は小さい。

目の前の「海上自衛隊館山航空基地」を横切っていけるのであれば、
「沖ノ島海水浴場」というよさそうな浜が見えるのに、惜しい。

老朽化した館山臨海学園、
こちらは、成人の利用も可能である。
一泊2食付3200円大人、
利用期間5/1-10/31である。

①施設の老朽化(耐震性も含め)
②「香(こうやつ)海水浴場」の砂浜減少に伴う海水浴場としての機能
③近隣の海水浴場や、そのほかの活動の発見/開発
④成人も宿泊可能な施設であり、利用の促進

など、課題は多い。

是非、小学校5年6年あたりで、
実際に子ども達は、利用するが、
子ども達の声を教えていただきたい。

二施設視察したが、
さすが、中央区。
区立でこのような施設を保有しているとは。
小さな区には、広い公園や海浜がない。
遠いが、これら施設は、広い緑や海がある。
子ども達のためにも、
有効活用できることを見守って行きたい。



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幼保一元化(3) 認定子ども園 誕生に、至るまで

2007-07-02 18:28:21 | 教育
幼保一元化 (まま) 2007-07-02 15:19:14

すみません、初歩的な質問をさせていただきます。幼保一元化は知っているのですが、元々これはどういう理由から生まれたものなのでしょうか? ひとつには子育て支援課と教育委員会を一緒にするという意味から出ているものと理解しているのですが。
**********************

ということで、幼保一元化の流れの経過をまとめておきます。
(新宿区の教育委員会事務局
幼保連携・子ども園等推進担当のホームページより改編)

これまでは、
保育所:保護者の就労等の事情により家庭で養育できない子を保育する施設、
幼稚園:満3歳以上の就学前の子に対し教育を行う施設
ということで、保育所と幼稚園は、その位置付けが区別されてきました。

しかし近年、保護者の就労の有無で利用する施設が限定されてしまうことや、子育てについて不安を感じている保護者への支援が不足していることなどの問題から、既存の保育所と幼稚園の枠組みを超えた新たな仕組みが求められ、生まれたのが幼保一元化の施設:認定こども園です。

流れとしては、

平成15年6月に、「小学校就学前の幼児教育と保育を一体として捉えた一貫した総合施設の設置を可能とするよう、平成18年度までに検討する」ことが閣議決定されました。

平成16年12月には、中央教育審議会幼児教育部会と社会保障審議会児童部会の合同の検討会議で、小学校就学前の子どもに適切な保育、教育の機会を提供するとともに、地域の子育て家庭の支援を行うことを目的とした総合施設のあり方について、最終的な審議のまとめが取りまとめられました。

その後の全国35ヵ所の総合施設モデル事業の実施、評価を受け、

平成18年3月には、「就学前の子どもに関する教育、保育等の総合的な提供の推進に関する法律案」(いわゆる「認定子ども園に関する法律」案)が国会に提出され、衆議院及び参議院の審議を経て、6月9日に可決成立し、6月15日付けで公布されました。

これに伴い、認定こども園制度は、平成18年10月1日から施行されることとなりました。





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幼保一元化(2) 問題の核心

2007-07-02 12:47:54 | 教育
ジュンさん。とても大切なご指摘ありがとうございます。

****ジュンさん 2007-07-02 11:55:26******

ちょっとはずれますが、小学校に入ったら、幼稚園上がりの子はみんな読み書きできるのに保育園の子はできないと聞いて驚きました。幼稚園は教育をするところ、保育園は子供を預かるところという基本コンセプトがあるのでしょうか。保育園に通う子供を持つ者としては、スタートから遅れるのはかわいそうだな、とちょっと思いました。このあたりは特にissueとして上がってないのでしょうか。

*************************

問題の核心は、ジュンさんのおっしゃるところにあります。
今回、定例会での一般質問での議論ではありませんでした。
次回、9月の第3回定例会では、会派友愛中央で私が一般質問に
立つ番でございますので、高橋区議の問題提起を
うまく引き継ぎ、“本当の幼保一元化”がここ中央区で
実現できるよう進めていきます。


結局、ジュンさんご指摘の、幼稚園で学ぶことができて、保育園で学ぶことができないということがあっては、絶対ならないと思います。

中央区の乳児、幼児は、小学校にあがるまでに、
みんな等しく、充実した教育を、
“本当の幼保一元化”した施設で
受けることが出来る。
親は、仕事と子育ての両立が可能になる。


そのことを、目指さなくてはなりません。
“本当の幼保一元化”の実現。
ここ中央区から。
子育て支援の大きな改革です。



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ハンナ・アレント(2) 人間の条件とは、

2007-07-02 12:25:03 | シチズンシップ教育
ハンナ・アレント『人間の条件』
(アメリカで最初に刊行1958年、志水速雄氏訳1973年)に
取り組んでいる。
現在、524ページ中の、221ページであり、
すべて読んでの理解でないが、メモしておきたい。

あくまで、小坂のいたらぬ解釈である。

1)ハンナ・アレントのいう“人間の条件”とは、
『苦痛』と『努力』である。(179ページ)
これがあって、自らの体自体を感じ取っている。
自覚できるのである。
もし、『苦痛』と『努力』がなければ、
「神々の安楽な生活」となって、
むしろ生なき生活になってしまうのである。

生命の二重の労働ということで、
生命を維持する『努力』と、
生産の『苦痛』と、
アレントはいっている。


2)ハンナ・アレントのいう“自由”とは、
 引用“人間は、自分が必然(必要)に従属しているということを知らない時、自由ではありえないからである。というのは、人間の自由とは、常に、自分を必然(必要)から解放しようという、けっして成功することのない企ての中で獲得されるものだからである。”(181ページ)


 何かに拘束されていて、初めて自由を感じることが出来る。拘束されるものがあっての自由。おかしな話だけど、でも、拘束が0の状態が、本当の100%自由なのだけど、それが達成されることは、すなわち、自由を感じることができなくなるので、自由ではなくなるのである。
 私は今、議会や診療で時間的に拘束される。この拘束があるから、その拘束から解き放たれて休日に子ども達と遊ぶことの自由が、価値ある自由に感じるのであろう。結構今、私は、拘束ゆえに自由を感じることが出来ているので、納得。



3)ハンナ・アレントによるマルクスの解釈
*マルクスの労働哲学は、
人類全体の生命過程の歴史的発展をとく理論。
「歴史のダーウィン」(エンゲルスがそう呼んだ)

*マルクスは、人間を<労働する動物>と定義づけた。

*マルクスは、
労働と生殖は、繁殖力をもつ同一の生命過程の
二つの様式であると理解し、
それを自分の理論全体の基礎とした。

*マルクスの基本的な矛盾
引用“労働は、「自然によって押し付けられた永遠の必要」であり、人間の活動力の中で最も人間的で生産的である一方、革命は、マルクスによれば、労働者階級を解放することではなく、むしろ、人間を労働から解放することを課題にしている。つまり、労働が廃止されるときのみ、「自由の王国」が「必然の王国」に取って代わるのである。”

ここに、アレントは、マルクスの矛盾を見出している。

引用“人間を<労働する動物>と定義づけて置きながら、ついで、労働というマルクスによれば最も人間的で代々の力をもはや必要としない社会に、ほかならぬ<労働する動物>である人間を導いているということである。”

生産的な奴隷状態か非生産的な自由かという悲惨な二者択一をマルクスは迫ってきていると、アレントはいう。

結局、労働が人間の本質と言って置きながら、
人間を労働から解放することをマルクスは課題にした。
労働を人間からとると、後に残るのは、さて何であろうか。

4)仕事と労働
皆さんは、仕事と労働の違いを考えたことがあるでしょうか?
私は、仕事と労働の違いを見出すことは、有意義であると考える。

引用“仕事は、その対象物が完成し、物の共通世界に付け加えられるばかりになったとき終わるのであるが、これと違って労働は、常に同じ円環に沿って動くのであり、その円環は生ある有機体の生物学的過程によって定められ、この有機体が死んだときはじめてその「労苦と困難」は終わる”(154ページ)

労働と消費は強く関連し、
引用“労働が生産するものは、すべて、人間の生命過程の中でほとんど即座に消費されるためのものであり、この消費は、生命過程を再生しつつ、肉体をされに維持するのに必要な新しい「労働力」を生産ーむしろ再生産ーする。”(154ページ)

「生存の必要」は労働と消費の双方を支配している。

引用“労働と消費は、物質をとらえ、解体し、貪り食う過程であり、素材に対して労働が行う「仕事」とは、物質を最終的に解体するための準備にほかならない。”

労働が、消費と強く関連するとともに、
もう一つの課題は、労働は、単調な雑事を日々繰り返さなければならない、情け容赦なく反復しなければならないということ。

アレントのいう仕事とはなにか。
画家が絵の作品をつくりあげることや、
彫刻家が、彫刻の作品をつくりあげることである。
つくられたものには、永続性、安定性、耐久性がある。

大量生産が求められる現代、
仕事人を労働者に代え、専門家を労働の分業に置き換えることが起こっている。

私は、アレントの仕事と労働の概念をきちんとわかったわけではないが、
消費との関連でみると、仕事と労働の違いがみれるのではないかと思う。
すぐに消費されてしまうものは、労働である。消費から遠いものが仕事である。
世の中、そんなに「仕事」が見当たらない。
消費者社会の中では、それは労働者社会の中にいる生きているということと同じである。労働ばかりが目に付く。



だから、どうすればよいのか?
私は、ハンナ・アレントの迷宮に迷い込んでしまった。

もっと、「仕事」というものを、
現代人にやれというのだろうか?

残りの章に、回答があるのだろうか?

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幼保一元化(1) 友愛中央 高橋区議の問題提起

2007-07-01 11:36:20 | 教育
中央区議会第2回定例会3日目
同じ会派、
友愛中央の高橋区議(幹事長)が、
幼保一元化をテーマに
一般質問をした。
(他にも重要テーマとして、広域行政、ご当地ナンバー、
行政の硬直化を取り上げているが、別に報告)

幼保一元化は、今後の子育て支援、子どもの教育の
鍵となる話題であり、非常に重要である。
「幼保一元化」がうまくいくと、
日本の子育て事情が、
がらっとよい方向に向かうであろうと大いに期待する。
私も幼保一元化の促進を目指して行きたい。
マニフェストにもそれを、約束した。

そして、「ままさん」からのコメント(2007-06-28 16:04:42)
にもございますように、区民の関心の高い部分であると
感じている。

世の中の今の現状は、
同じ敷地内に、
幼稚園と保育園が存在し、
おのおの独立しているというのが、
“いわゆる幼保一元化”になっている。
(それって、いまとかわらんじゃん。と
言いたくなる人もいるかもしれない。)

“本当の幼保一元化”を、
考えて作り出す、生み出す必要がある。

さて、高橋区議の一般質問、

高橋区議:①幼稚園の時間延長はどうなっているか?

教育委員会回答:
幼稚園は基本的に午前9時から午後2時までとなっている。
一部幼稚園では、預かり保育を午後4時30分まで行っている。
夏休み、冬休み、春休み期間中も、今後は行う予定である。
これら実施状況を見て、今後の実施の方向性を決める。

高橋区議:②区長がマニフェストで書いた保育園児の
待機児ゼロは、可能か?

区長回答:
5年間の推計を参考に保育園の計画を立てている。
平成22年までに、保育園定員を211名増やす計画である。

高橋区議:③中央区が行っている
幼保一元化で、入所条件の緩和は可能か?

教育委員会回答:
幼稚園に保育園機能を持たせるには、
給食を出したり、スペースを確保する必要がある。
幼稚園では、園児数が、
平成10年度670名から
平成19年度1159名と
489人増加し、73%の伸びである。
園児数が、急増する中での、
検討であり、工夫を要する。

高橋区議は、二回目の質問で、
保育園なら、自宅から離れた地域まで通うケースがあるが、
幼稚園では認められていない。
幼稚園の空きがあるところもあるので、
学区域を超えて通うケースを認めて、
幼稚園全体の受け入れ定員を増やすのも
一つの方法ではないかと問う。

教育委員会回答:
現在、月島幼稚園をのぞき、
他の幼稚園は、小学校の中にあり、
幼稚園からそのまま小学校に就学する流れが、
出来ているので、
学区域を超えるのは問題があるかもしれない。
今後の学校づくり検討会で検討する。

高橋区議:④幼保一元化を実施するにあたり、
行政補助制度や職員の資格、
乳幼児一人当たりに対する職員の数や
給食の方法については
どのように考えているのか?

教育委員会回答:
東京都の条例で、
認証保育制度に準じて、
幼保一元化の施設基準とするとある。
職員は、
0-2歳は、保育士資格
3-5歳は、幼稚園教諭資格と保育士資格
となる。
調理室を備えるが、3歳以上は外部搬入可能。
預かり保育も行う。


以上が、答弁の要旨である。


幼保一元化については、
保育、幼児教育、子育て支援等の
専門家を招き、勉強会をして、
“本当の幼保一元化”計画を中央区でも
つくらねばならないと考える。
勉強会を開催する折は、
お知らせいたしますので、
関心のある方は是非、ご参加下さい。


*これらは、小坂の解釈で書いています。
後ほど、詳細は、議会便り、または区のホームページで掲載される議事録を、ご確認下さい。



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