(国府楽園 愛知県豊川市国府町)
標高65mの山で、四国八十八ヵ所巡礼の弘法があることから、弘法山と呼ばれている。夏には、この場所で打ち上げ花火が行われる。(国府祭り)
また、麓には江戸後期、安藤氏の陣屋が存在した。
大正時代には、国府高等女学校(後の国府高等学校)が設置され、学校移転後の昭和25年に都市計画によって、跡地を都市公園として整備した。最も高所には展望台が設けられ、東三河平野を一望できる。然し昭和58年、旧展望台に建設費7億円で、RC造、延床面積2,480㎡、5階建ての豊川建設労働者福祉センター(サンシティ豊川)が設置されたが、平成12年に雇用促進事業団が全国の勤労者福祉施設を他団体へ譲渡させる方針を打ち出したことや、毎年赤字運営が続き、今後の改修の目処が難しいこと、また、都市公園内であるため、民間売却ができないことなどから、平成15年に廃止、解体された。
私自身、この施設で泊まり込みの研修を受けたことがあったが、非常に閑散としており、あまり施設にそぐわない内容の、場所の貸し出しも行われていた。撤去後は、展望台に戻されたが、旧施設入口への階段がそのまま残っている。
山頂から学校跡の広場まで設置されていた滑り台も撤去され、弘法山から音羽川に流れる音羽の滝にも水は流れず、音羽川に沿う小道も、一般市道として整備され、以前と比べると著しく風情が失われた。八十八ヵ所及び西国三十三ヶ所の石仏や進雄神社、秋葉神社と音羽川の鯉が、往時の思い出を残している。
(2000年9月20日サンシティから)