京の辻から   - 心ころころ好日

名残りを惜しみ、余韻をとどめつつ…

 「雨やし こうてえな~」

2010年10月25日 | 催しごと
             

北野天神さんの縁日はしとしと雨の中だった。
大鳥居の手前から、参道、境内、寺域の東外側の道路にまでと、びっしり露店が立ち並ぶ。市内周辺に居住する外国人の姿が多く見られることは、この縁日の特徴だと聞いたことがある。

サツマイモを揚げて砂糖をまぶしたごっつい棒状が5本で300円、アッツアツを紙コップに入れてくれる。ここでのお楽しみだが、雨で座るところがなく植木市を見ながらの食べ歩きとなった。

「おねえさん、雨やし買(こ)うてえなあ~。なあ~、まけるでよ~。おねがい、こうてって」
漬物店々主の愉快な泣き落とし作戦? 同じ道を引き返してくると、やはり同じ声が聞こえてくる。
「ちょっとちょっと、なあ! こうてえなあ~! まけるでよ。安くするでこうてって。
ちょっとちょっとって!! なあ! あ~~あ! まけてやらんよ」とは!

「あっ、おねえさん、さっき会いましたなあ。こうてって~」と笑う。
こんなところで油売ってても言いのかなと思う、別の店先だった。

  

まだ昼過ぎだというのに品物を包みだし、古着をたたみかけている店もある。早くも今日の見切りをつけているのかもしれない。誰も足を止めそうにない店の奥で腕を組んだまま眠って動かない店主。横に寝そべった大タヌキが、通り往く人間を見上げている。
私を買うてかな~い? 

ありとあらゆるものに値がつけられる。たくましい商魂だ。
「町で買えば3万円、ここだから8千円」の手提げかばん。

           足を延ばして千本釈迦堂  

大勢の中に埋もれてみれば、それなりにリラックスできることはある。
だから、たまにそうした機会を求めて外へ出ることにもなるようだ。
コメント (6)
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