京の辻から   - 心ころころ好日

名残りを惜しみ、余韻をとどめつつ…

 端午の節句

2012年05月05日 | 日々の暮らしの中で
小学生のまだ小さな女の子だったが、自転車で勢いよく走り出してすぐのこと、ズズズズーッと横倒しに転んでしまった。あ~っと思わず見ていて声をあげてしまったが、「起き~っ!一人で」と後ろからお婆さんの声が飛んだ。半ベソを我慢してるのか、彼女のひと言が耳に入った。「ちょっと待って。えらいことなったわー」と。 起き上がった、強い強い。大した怪我もしていないようだった。

    
毎年、ご近所さんに鯉を泳がせる家がある。青い空になかなかよいものだと思うが…。

『東都歳時記』(1838年刊)というのがあって、それによると、出世の魚と言える鯉を幟につけるのは東都の風俗だとしているようだ。広重や北斎の浮世絵に見られる鯉のぼりは上方地域には見られない風俗だったということになる。
武士にとっての「出世」は、公家文化が根付く京の町には受け入れられにくく、早良親王の出陣にちなんで武者人形を飾るようになったという説があることなど、端午の節句における江戸と上方の差異がかつて新聞に紹介されていた。
けれどやはり五月の風物詩、悠大に大空に翻る姿は爽快だ。

日差しに恵まれ気温も上がった。子供もいない端午の節句、予定もないまま家で過ごしていた。特に何をしていたわけでもないが、窓から入る初夏の風を心地よく感じながら体を休めたよき一日だった。

飾り物の柏餅に歯型を残した我が息子は、どうしていることか…。
  
コメント (6)
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