京の辻から   - 心ころころ好日

名残りを惜しみ、余韻をとどめつつ…

心の健康食品

2021年05月07日 | 日々の暮らしの中で

歩いていた少し前方を、3歳くらいと思われる男の子がストライダー(キックバイク)で左右に振れて進んでいた。
車はこないし、くつろいだふうに見える。
別に迷惑にもならないから避けて、端を通れば済むことだった。

「。。ちゃ~ん、じゃまだから止まってぇ」
後方、少し離れたところからお母さんが子供にかける声がした。
更に年少の女児の手を引いて歩いていたのだ。

「すみませーん」
すでに追い越していた私の後ろで、男の子が言う。
振り返って、「だいじょうぶよ~」と応じると、
ふたたび「すみませーん」というものだから、お母さんとの間に笑いが生まれた。
間をおいて「ありがとう」と添えたら、
またまた、「どういたしまして」と返ってきた。

5月の緑が少しずつ濃くなりゆく散歩道。
何かを分かち合ったような…。
それが思い込みだったとしても、この一瞬の和やかさは、どんなサプリメントを摂るよりも、心の健康食品となった。
コメント (6)
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