京の辻から   - 心ころころ好日

名残りを惜しみ、余韻をとどめつつ…

やってみましょ

2021年05月12日 | 日々の暮らしの中で
ぽつぽつ雨が降り出した中を、車で滋賀県大津市に向かった。
逢坂山を越える時、感染拡大地域との往来を控えるよう促す電光掲示板が目に入るが、“行くも帰るも”1号線での行き来となる。
文庫本点訳の協力を打診されていたのだが…、一冊を3人での分業となるので依頼を受けることにした。


図書点訳をしてみたい、古典文学の作品なども手掛けられたらいいなという思い(これはかなり独りよがりな思い込みだと後日知るようになった)も心の隅にあって、熱心にボランティア養成講習会に参加。一年間の課程を修了した。
何冊かに関わるうちに、じっとパソコンと向き合っているだけでなく、人とのつながりの中で、覚えた点字が活かせないものかと考えるようにもなって、新たな活動に、市内の飲食店の点字メニュー作りの活動にも参加するようになった。私の視野を広げてくれた貴重な体験だった。

そんなとき、話をいただいて2冊のSF小説を点訳したことがあった。男性からの依頼だった。SFが苦手な私は、打ちながら作品を読むなどというゆとりもなく、とにかく正確にと意識するばかりだった。が、どんなにか校正者の手を煩わせたことだろう。フロッピーディスクにデータを保存してやりとりしていた、もうずいぶん昔のことになった。

担当個所を割り振り、表記法に基づいて共通のルールを確認、共有した。私たちの作業のその先には、ベテランの校正者が控えていて、その後、依頼者の手に渡る。少しは経験を積んできた。寄り合って、人とのつながりが見えることがやはり楽しいと思える。

                            (オレンジの木に花が)
コメント (6)
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