京の辻から   - 心ころころ好日

名残りを惜しみ、余韻をとどめつつ…

まんぷく

2022年10月13日 | 展覧会
夏日の秋晴れ。それでもこの時季、日差しは嬉しい。


誰もが専門外ながら、それぞれに何かしらの関心を持って女3人、大津市の歴史博物館に向かった。もうこれで終わりにしようと思いながら。「壬申の乱」にもちょっと飽きた? そこに“史実”への探求心などというものはこれっぽっちもないのだ。
私の歴史への興味は、古代や中古の文学や歴史小説が好きという一面と重なり合って気持が動くと言ってよさそう。

壬申の乱は大友皇子(大津に都を遷した天智天皇の長子)の死で決着した。
両者が戦った経緯は『日本書紀』を拠りどころにわかりやすく説明がなされていて、追いやすかった。
大友皇子は即位したのか。どこで亡くなったのか。どこに埋葬されているのか。いずれも諸説多数で特定できないという。その一つ一つに写真とともに丁寧な解説がついた。
千葉県君津市にまで陵墓の伝承があると知ったのは驚きだった。

腰が痛くなるほどこってり見せていただいたが、それこそもうま・ん・ぷ・く。
三井寺門前までぶらぶら歩いて長寿そばをいただき一休み。立ち上がったが参拝の気力は持ち合わせなかった。


澤田瞳子さんの『孤鷹の天』『日輪の賦』などで飛鳥や奈良の人びとのそばにいって、ともに一喜一憂、怒り哀しみ、息遣いを感じながら作品の世界に身を置く。そうした精神の酔いのほうがはるかに心地よい。

新作『額田王』を読んでみたいと思っているが、その前に…積読本崩しが必要なのだ。

  (写真:館の入り口正面には琵琶湖が広がり、近江富士と呼ばれる三上山が望む


コメント (2)
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