京の辻から   - 心ころころ好日

名残りを惜しみ、余韻をとどめつつ…

日に日に若返る

2023年09月07日 | 日々の暮らしの中で

今朝の涼しさは格別だった。

読書三昧の日々など夢のようだが、読書を楽しむにはそのための時間をやりくりしなければ生まれない。
今年5月に娘に送った本の中から『桜風堂ものがたり』(村山早妃)が好評だったので、改めて中古書店で購入。朝のするべきことを手際よく済ませたあとを読書にあてて、長くかかったが読了。
著者の作品は初めてだった。続編2冊、単行本の新刊とは考えてしまったが娘のところへ送ってやりたいし…。


彼女のためにあれこれ物色するせいで、思いがけない出会いにも恵まれる。

周囲の草木に巻き付いて巻き付いて、旺盛な繁茂を見せる葛の木。
    葛の花ちりがたになりてわが側に茂るもかなし幾日か見ざる


恋がらみの茂吉の歌だと杉本秀太郎氏に学んだ。
憶良の旋頭歌よりのち、秋の七草に数えあげられているという葛の花。


「老年はわれわれの顔よりも心に多くの皴を刻む」
〈心の老化を防ぐのはビタミン剤ではない。言葉の力によって、考える力、想像する力によって、私たちは何よりも心の艶を保つ〉
モンテーニュの箴言を引いた編者(『声に出して読めば 日に日に若返る100の名言』)の読みかたを、前登志夫氏が著書の中で記していた。

暑さが幾分和らいで、身体をほぐすためにも夕刻歩きに出た。適度な運動も脳を活性化する一助だろう。読書も楽しみ心つやつや、老化は先送り…といけるかな?

『星をつなぐ手』のページを開くと、冒頭は
「年をとると、慣れ親しんできたはずの我が身にも、いろいろとびっくりするようなことが起きるものだ」
の一文で始まっていた。

夜に入って降り出した雨音を聴きながら。
コメント (2)
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする