京の辻から   - 心ころころ好日

名残りを惜しみ、余韻をとどめつつ…

たのしむとは

2023年09月30日 | 日々の暮らしの中で
夕刻になるといまだに小さな星の形をしたハゼランの花が開く。
こぼれ種から後追いで花茎を伸ばしたものも多く、お米のとぎ汁をかけ回していたら、ガマ夫(茶色の蛙)が飛び出してきた。
このところさっぱり姿を見せなかった秋の蛙クン。
昨夜は虫の音を伴奏に、中秋の名月を見あげただろうか。素晴らしい月夜だった。



コオロギの鳴き声を聞きながら、4歳前頃の孫のLukasが「虫からの電話」とつぶやいたという話を思いだした。
虫の音に3歳の心を傾けて、楽しんでいたか。

「マミィちゃん、でんわだよ~」
「るーちい、代わりに出てちょうだい」
「もしもし・・・」
なんだって?

〈こころは感じることをたのしむ〉か、いいなあ。


 「静かな日」  長田弘
   目は見ることをたのしむ。
   耳は聴くことをたのしむ。
   こころは感じることをたのしむ。
   どんな形容詞もなしに。

   どんな比喩もいらないんだ。
   描かれていない色を見るんだ。
   聴こえない音楽を聴くんだ。
   語られない言葉を読むんだ。

   たのしむとは沈黙に聴きいることだ。
   木々のうえの日の光。
   鳥の影。
   花のまわりの正午の静けさ。


           
コメント (2)
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