京の辻から   - 心ころころ好日

名残りを惜しみ、余韻をとどめつつ…

「観音の里めぐり」3 - 賑わう「隠れ紅葉スポット」

2015年11月23日 | 奥琵琶湖・湖北路を訪ねて
日曜日(22日)、地元のボランティアさん同行で「奥びわ湖・観音のふる里と隠れ紅葉スポット散策」を楽しんできました。JR長浜駅10時出発です。静かな湖北の山里、盛りを過ぎた紅葉が装う道を歩きました。ほんの少し。

まずは高月にある渡岸寺(どうがんじ)観音堂で、あの十一面観音立像との対面。ここでガイドをいただいた方の穏やかで品のある口調も心地よく、何やら観音像へのいっそうの親しみが増した気分でスタートしました。
連休とあって人の出でも次第に増え、狭い道は車で渋滞です。先の読めない列に加わることを避けてバスを下り、石道寺(しゃくどうじ)-鶏足寺(けいそくじ)-己高閣・世代閣(ここうかく・よしろかく)の順で、当初の予定とは逆コースで歩くことになりました。再訪、再再訪…となる場所も含まれていた中、これによって、山裾に、石道寺の小さなお堂を眺めながら歩くチャンスが訪れたのです。


前回ここを訪ねた4月22日は、小型のバスでお堂に近い場所で下りたために周囲の様子はさっぱりでした。

             春先に
薄暗く小さなお堂。春夏秋冬、唇に朱を残し、右足の親指を小さく上げた、村娘のようなかわいさで讃えられる十一面観音がたたずんでいるのです。長い年月、大事に守り続ける村人、見守る観音。愛しいお堂にさえ感じられ心に沁むようです。


石道寺を下に見て、山道を上って鶏足寺へと進みます。写真で見るだけだった鶏足寺の散り紅葉の美しさをこの目で! これが今回のエスコートツアー参加の主目的でした。が、この人の賑わいでは…。


檀家もなく無住のお寺は朽ち果てるばかりだったという鶏足寺。散り紅葉の敷かれた長い石段道の先に建っていたお堂は、村人の手で再建されてまだ新しいようで、本尊の十一面観音は少し離れた己高閣に安置されておいででした。参道の両脇には大極殿や僧坊などの跡を示す碑が多く建ち、一般人が往来するための石段が別に参道脇には設けられて残っているのです。立派な、力のある寺院だったのだと偲ばれます。


ヒガンバナではなくトウガラシの赤い実が畑で目を引く初冬の里を、己高閣・世代閣へ…。

歩く楽しさを感じた好き日。ウォーキングツアー参加復活をしてみようか…、そんな思いもチラリと芽生えたのでした。




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6 コメント

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琵琶湖ウォーキングツアー (Rei)
2015-11-23 16:50:21
少し盛りを過ぎた紅葉もまた風情がありましょう。
朽ち果てそうなお堂の観音様。
ご紹介いただいた「星と祭り」を思い出しました。
娘を亡くした父と、息子を亡くした父のお話しでした。
しみじみとしたいい作品でした。

写真で拝見するとやはり石段がありますね。
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風情が、Reiさん (kei)
2015-11-23 21:48:42
次第に日差しが出て暑いほどになりました。
一番美しい時季というのはあるようですが、それぞれに風情があっていいものですよね。
必ず描写が引き合いに出される「星と祭」です。

道は中央をふくらますように造られています。
一番踏んで歩く場所だけに、へこむことを念頭に置いてのことと。
また、階段状にいくつも繰り返されて道ができているのは、
敵に弓矢の距離がはかられないようにする、戦術上からのことだそうです。
来年の大河で三成に期待してくださいと、ボランティア氏は何度も口にされていました。
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紅葉 (ryo)
2015-11-24 06:09:19
自然な風景のなかで、紅葉が散在して
いますね。村人の手で再建されたお堂があり
訪れる人も多いようですね。
でも、あまり造られていない自然の風景は
とても好感が持てます。
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自然の風景、ryoさん (kei)
2015-11-24 13:13:54
やはりこうした自然の中を歩くことは気持ちよいことです。
青葉の輝きも、こうしたピークを過ぎた紅葉もそれぞれに味わいのある風情です。
どこも出かけず近場での紅葉を楽しむのが常ですが、
たまには足を伸ばす楽しみも捨てがたいですね。

隠れスポットではありませんね。人出の多さはこの時季だけのようです。
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Unknown (yo-サン)
2019-12-26 00:51:18
以前に拝見していまして、一度訪ねたいと思い、11月末に車を駆って出かけて来ました。
紅葉はもう晩期でしたが、人出はかなりありました。カメラに収めてあるのですが・・・。
keiさんと若狭路を訪ねたいと思うことしきりのこの頃です。失礼致しました。
相変わらずの深夜の訪問者でした。どうぞコメントご不要に。
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それはそれは~、yo-サンさん (kei )
2019-12-26 13:02:40
そうでしたか。
ポスターにもなっている鶏足寺の紅葉はみごとですね。

秋口に文庫本で『寺泊 わが風車』を読みました。
また本の話かとお笑いでしょうが、
私小説と言われながらエッセイのようにも思えて、いずれも心に深く残りました。
14作品が収められていましたが、氏の人間性、内面をより身近に感じられて、嬉しくもありでした。

「たった一人の君に 開放する」 、いい言葉ですね。
一滴文庫への思いは継続中です~。
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