京の辻から   - 心ころころ好日

名残りを惜しみ、余韻をとどめつつ…

腰が据われば心も据わり

2024年08月05日 | 日々の暮らしの中で
連日、「不要不急の外出を避け、…」と促す言葉が耳に入って来る。
私の外出などおおかたは不要不急のものかもしれないが、人生、無駄にこそ意味があると言われるではないの。
そもそもは、出歩くことに意味があるのだが、連日〈油照る逃げ場なきこと空気にも  宮津昭彦〉で、顔にまとわりつく熱気に息苦しさを覚える暑気。
この数日は家籠りを決めた。


出好きの腰は据わり、心も据えて、一事に専念。今のうちにしておきたい。書き物をするために多くの時間を割くことができた。

乙川勇三郎氏が作品の中で「推敲するだけでは足りない文章の彫琢」を指摘されていた(「この地上において私たちを満足させるもの」)。 
「わかりやすいことは薄っぺらでもある。何も考えさせない小説に良質な読後感は期待できない」とも。
ひと言ひと言に氏の存在が刻印されていて、私は学んでいる。書き過ぎない、言い過ぎないと心して、言葉を探し、文章を練り、自分の世界を大切に、励むのだった(などと自分で口にしていいものか?)。


乙川氏のエッセイ本は見当たらない。これまで著者の声が聴きたい、語るのを聴きたいと思ってきたので、出会えて嬉しや嬉しや。
すべては生きているうち 励めるうち、日のくれぬうち。

廊下の外で、アブラゼミが鳴いた。

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2 コメント

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アブラゼミの声と (りりん)
2024-08-06 10:57:39
こんにちは
京都は炎暑とも言える日々だとお察しします。
ご自愛くださいね。
そんな時は家籠りに限りますね。
その時間を文章を書くことに専念されてたのですね。
どんな環境でも自分を磨く
素晴らしいです。
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気持が入ったときが  りりんさん (kei)
2024-08-06 11:24:40
こんにちは。
お盆を控えるだけにこまごまとした用事もできるし、
することしとかなくっちゃと家での時間も増えそうです。
学びと実践と、どうなっとるん!?なんですけれどね、
好きで楽しくやれることですから苦になりません。ここが大事ですね(笑)

雨が降るといいですね。中途半端な降りですと雨後の蒸し暑さは耐え難いですが…。
蝉の声のあまりの近さにはびっくりしましたが、
今日は先ほど鳥が何やら大きな声でさえずって、飛び去りました。
一瞬暑さを忘れて~。
りりんさんもお疲れの出ませんようお大事にお過ごしくださいませね。
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